2月11日にGoogleは、これまではショッピング広告専用の競合指標として提供されていた「クリックシェア」を検索広告キャンペーンでも確認できるようになったと発表しました。
参考:クリックシェアを検索キャンペーンに導入 - Google 広告 ヘルプ
筆者のアカウントでもすでに確認ができ、日本のアカウントでも幅広く反映されている模様です。未反映の場合、数日間・数週間以内に確認できるようになるとのことです。
クリックシェアとは?
クリックシェアは、Google 広告の競合指標の一つで、獲得できる可能性があったと推定される総クリック数に対して実際に得られたクリック数が占める割合のことです。つまり、クリックシェアを知れば、獲得できるであろう最大のクリック数を簡単に算出することができます。
推定ではありながら、現在どれぐらいの機会損失がありそうか、クリックシェアを高めれば、どの程度のインパクトが期待できそうかなど、今後の数字の動きを把握するのに便利な指標です。ちなみに、クリックシェアは、1日に1回予想値が新しく計算されるとのことです。
参考:クリックシェアについて - Google 広告 ヘルプ
クリックシェアを確認する方法
検索広告でクリックシェア確認する方法は基本的にインプレッションシェアなどの競合指標と同じです。
管理画面でキャンペーン、広告グループ、キーワードから確認したいものを表示させて、表の上部のメニューから「表示項目」を選択します。
「表示項目を変更」をクリック後、表示したい指標のリストから「クリックシェア」にチェックを入れれば、クリックシェアが確認できるようになります。
また、データは過去数か月分まで遡ることもできます。グラフで表示しつつ、簡単に推移を追うことが可能なのも便利ですね。過去のデータを踏まえ、もしクリックシェアと連動して変わってきた数字があったのなら、その辺をもっと掘り下げる価値がありそうです。
しかも、インプレッションシェア同様に、デバイス、時間などでデータをさらに分割できます。たとえば、あるキーワードはスマートフォンでコンバージョン率が非常に高いものの、クリックシェアだけが小さければ、その見解を糧にスマートフォンの入札調整比を引き上げたり、広告を刷新したりするなど、クリック数を高める施策に活かしつつ、コンバージョン獲得のチャンスを増やせる可能性がありますよね。
KPIにしてはならない
「現行のキャンペーンにはまだどれほどのポテンシャルが秘められているのか?」「運用調整後に期待できる効果はどれぐらいのか?」などという課題は、広告運用者が頻繁に抱えているもので、もはや日常茶飯事というレベルだと言えます。しかし、このような「未知のこと」について現実味のある予想をすることは、難易度が比較的高いというのも事実です。
課題で役に立ちそうな手がかりあればあるほど心強いからこそ、今回のクリックシェアの登場は、広告運用者にとっては非常にありがたいニュースでしょう。
ただし、注意点もあります。いくら有益そうな指標だとはいえ、クリックシェアはあくまでも参考値であり、KPIでは決してないということは忘れてはならないのです。つまり、目標CPAに見合っていなかったり、果てはそもそもコンバージョン獲得に苦戦している場合などでは、クリックシェアよりも先に見るべき要素がきっとあるのではないかと思いますので、無暗にクリックシェアだけを高めようとする施策に走ることはお勧めしがたいです。