動画広告にインパクトを!使いやすいモーショングラフィックスの種類7選

動画広告にインパクトを!使いやすいモーショングラフィックスの種類7選

静止画広告と比較して、動画広告は動きと音が加わるため視聴者の注意を引きやすく、感情的な反応を引き起こしやすくなります。近年のSNSは動画投稿サービスの利用も増えており、動画広告の重要性はますます増してきています。

しかしながら、いざ動画広告を作ってみると、必要な情報は揃っているはずなのになんだか印象に残らないと感じたことはありませんか。

動画広告で大切なことは「注目してほしい要素に目がいく」ようになっていることです。強調したい要素にメリハリがつくと、印象に残る動画に仕上げられます。

本記事では、伝えたいことにインパクトをつける方法として、取り入れやすい定番の動き(モーショングラフィックス)の表現をご紹介します。インパクトのつけ方に迷った時、よく見る動きをうまく言語化できない時にぜひ参考にしてみてください。


モーショングラフィックスとは

動画広告でよく見られる文字やイラストなどのグラフィックにモーション(動き)やエフェクト(効果)をつける動画制作手法のことを「モーショングラフィックス」といいます。モーショングラフィックスは複雑な情報を簡潔に、かつ視覚的に伝えるのに適しており、短時間でも効果的にメッセージを伝えることが可能です。

モーショングラフィックスを活用した動画

モーショングラフィックスはサービスの仕組みや流れを説明したり、アプリやソフトウェアの機能や使い方を説明するなど、特に無形商材の動画広告で使用されることが多いです。有形商材の場合でも動画や写真とモーショングラフィックスを組み合わせることで、より「伝わる」動画広告を制作できます。

以下の記事では、モーショングラフィックスを含む効果的な動画制作手法の選び方をご紹介しています。それぞれのメリット・デメリットをまずはおさえておきましょう。

動画広告で使えるモーショングラフィックスの表現

ここからは、例示した動画内で使用されているモーショングラフィックス表現について詳しく紹介していきます。モーショングラフィックスには様々な表現方法がありますが、その中でも特に動画広告で使いやすい表現を取り上げています。

バウンス

ぽよんぽよんと跳ねるような動きのことをバウンスと呼びます。

単純に要素を出現させるよりも視覚的なインパクトが強く、重要なメッセージなどを強調する際に役立ちます。

テキストにバウンスのモーションを適用する場合は単語全体をまとめて動かすのか、一文字ずつタイミングをずらして動かすのかでも印象が変わってきます。

※例:赤文字SALEは単語全体、青文字SALEは一文字づつ

また、バウンスは吹き出しなどのシェイプとの相性がいいのでマイクロコピーなどを目立たせたい場合にもぴったりです。イラストに適用すると勢いのあるイメージになります。

画面外からのスケーリング

要素のサイズを拡大・縮小させることをスケーリングと呼びます。

テキストをメインで大きく表示させたいシーンでは一文字づつ動きをつけるというのももちろんいいのですが、文章全体のテキストサイズを思い切って全画面から飛び出るくらい大きく表示、段々と小さくしていくとドラマティックな印象になります。

この表現は期間限定のセールやキャンペーン、魅力的な価格やUSP(ユニークセリングポイント)など強いインパクトのあるメッセージを伝えたい場合に特に効果的です。

イラストや写真などの静止画を背景にする場合は、背景をゆっくりと拡大させると単調にならずおすすめです。また、このような表現をする場合はテキストにブラー(画像や動画の一部を意図的にぼかすことで動きや速度感を表現したりするためのエフェクト)を追加するとより自然な表現になります。

光エフェクト

光の筋を走らせるようなエフェクトです。

注目してほしいテキストにはもちろん、権威性を示す際によく用いられるバッチのようなデザインとも相性が良く、特にゴールドやシルバーのデザインだと違和感なく使うことができます。化粧品などの商材では、キラッと光らせる表現でパッケージに注目を集めることも可能です。

光のエフェクトは比較的短いエフェクトのため、動画の秒数が限られている広告動画の場合でも使用しやすいでしょう。

テキストにライン

文章やコピーの一部分を強調したい時に便利なモーションです。シンプルにアンダーラインを引くモーションは汎用性が高く使いやすいです。テキスト自体は動かないので、長めの文章でも可読性を失わずに特定のワードを強調することができます。

ナレーションありの動画ではテロップを表示することも多いですが、テロップ内のサービス名や商材の強みとなるキーワードなどにこの表現を使用することで視聴者にそのワードを印象づけることが可能です。

アレンジとして太幅のラインモーションに加えて文字色を反転させるとぐっと目を引く表現になります。

※例 : 赤い文字の「SALE中!」部分

検索窓

最後のシーンで「〇〇で検索!」という表現をする広告を一度は見たことがあるのではないでしょうか?検索窓の表現は視聴者の記憶に残りやすく、動画広告からのコンバージョンだけでなく、視聴後に検索を促すことにもつながります。

また、サービス名や商品名などの固有名詞を検索窓内に表示させることで認知度の上昇が期待できます。ただし、検索ワードが長くなりすぎていないか、実際の検索結果が意図に沿ったものであるかをしっかりと確認したうえで使用しましょう。

検索窓風の表現ではテキストをタイピングする動きや最後にクリックやタップをするような動きを追加することでリッチな表現になり、より印象的になります。広告を出す媒体に合わせて検索窓のデザインを変えたり、主要デバイスがパソコンの場合はカーソル、モバイルの場合はタップ表現にするなど、広告のターゲット層を意識して表現を工夫してみましょう。

データ(グラフ・数字)に動きをつける

競合他社と比較したグラフ、アンケートや満足度調査の結果、累計販売実績などの数字やデータをアピールしたい場合に効果的です。上の動画では前述したバウンスのように単純な動きだけではなく棒グラフを伸びていくモーション、円グラフの割合が増えていくモーション、数字が0からカウントアップされていくモーションでデータを視覚的に示すことにより説得力を高めています。

商材にあった独自の表現が求められることが多いため、制作の難易度が少し高いかもしれませんが、このような表現があると動画のクオリティが数段アップしますのでぜひ取り入れてみてください。

グラフや数字を動かすモーションは「インフォグラフィックス」で検索すると参考動画がたくさん出てきますので、一度検索してみることをおすすめします。

イラストにアニメーションをつける

イラストやアイコンに動きをつけることで概念や手順をわかりやすく伝えることができるため、商材の使用方法やサービスの流れなどを説明する場合に最適です。また、静的なイラストに動きをつけて動的にすることで画面の単調さを回避して視聴継続率を上げることにもつながります。

※素材サイトごとに画像・イラスト・アイコンの改変が規約に記載されています。画像を加工する際は、素材サイトの規約で「加工の範囲」を確認してから編集するようにしましょう。

動画素材を使用することで工数を抑えることが可能ですが、イラストやアイコンのテイストを揃えたい場合には静止画を動かすことを検討しても良いでしょう。上の動画では豚とコインは動画素材を使用、カレンダーと時計・女性のイラストは静止画を加工して動きをつけています。時計の針のように一部分だけ動きをつける、人物イラストであれば顔部分を少し左右に動かすだけでも静止画とは印象が変化します。

SE(効果音)をつけるとさらに効果的

BGM(バックグラウンドミュージック)とは別に、SE(効果音)をつけることによって動画のクオリティがワンランクアップします。特にYouTubeやTikTokでは音ありで視聴される割合が高いので効果音は重要な要素となります。

モーションやエフェクトに合わせて効果音を追加するとそのシーンが一層強調されるため、購入のフックとなるキャンペーン情報やCTAなど「ここぞ!」というタイミングでSEを使用するといいでしょう。

まとめ

ここでご紹介したのはモーショングラフィックスでできる表現のほんの一部です。自分に表示された広告を画面録画などで参考動画としてストックしておくのも一手ですし、印象に残る動画広告の共通点を探して言語化してみるのも面白いかもしれません。筆者はYouTubeで動画広告を繰り返し再生して細かい表現に注目してみたり、プロの動画制作者のSNSをフォローして情報収集をおこなっています。

また、動画広告の発注者と制作者の認識に齟齬が生じるのを防ぐために、絵コンテ作成時に本記事のリンクを共有するのもおすすめです。本記事が視聴者の心を動かす魅力的な動画広告制作の一助となれば幸いです。

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