運用型広告の報告で大切にしている7つのコミュニケーション方法

運用型広告の報告で大切にしている7つのコミュニケーション方法

運用型広告の運用をやっている方は、「利用コストが急激に上がった」、「CPA等の成果が突然悪化した」、「広告の審査が突然不承認になった」…など、いつも突然の変化に対応していると思います。

また、運用型広告では広告グループごとに広告のA/Bテストを走らせていたり、CRM(顧客関係管理)のためにリマーケティングリストごとに広告を出し分けていたり、データフィードの管理があったり…と常に複数の施策が走っているものです。

このような日々のオペレーションが複雑な運用型広告でどのようにして報告をするかが悩みのタネでもあります。事業主で運用されている方であれば上司への報告、広告代理店であればクライアントへの報告。報告時には、運用型広告に詳しくない人にちょっとした変化まで逐一報告するのは大変ですし、その必要性もない場合がほとんどですし、細かい施策の内容などを報告するのは時間を取りすぎてしまうし…、かといって報告しなかったら不安がらせてしまうかもしれないし…などいろいろなことが頭をよぎってしまうと思います。私はよぎります。

そこで、こんな風に考えて報告をすれば上手くいきやすいよ、というのを私の経験をもとに私なりにまとめてみました。尚、人対人のコミュニケーションなので絶対にこれが正解、ということはありません。報告する人・される人ごとに合っている考え方・やり方は違うと思うので、参考までにご覧になっていただけると幸いです。


目標ベースで会話する

配信の経過がビジネスの目標に対して良いのか、悪いのかを報告しましょう。目標に対して達成か未達か、達成ならどのぐらい上方修正の余地があるのか?未達なら達成するために何をするのか?を報告します。

ただしビジネスによっては、明確な目標のコンバージョン数やCPAが無いケースもあるかと思います。そういう場合は、前月比や昨年同月比で改善したか否か、等で成果を見ることをおすすめします。というのも、何かしらの比較対象が無いと広告運用はやりづらいのと、そもそも、ビジネスをやっている以上成長し続けなければならないからです。(リスティング広告やFacebook広告を筆頭とする運用型広告に取り組んでいる担当者さんがマニアックな当社のブログを読んでいる企業であればなおさら成長志向が強いと考えます)

目標ベースで会話すると、説得力も増します。細かい広告ごとやキーワードごとの報告も、「広告文をこういう意図で追加しました。1週間後にまた経過を報告します。」と説明するよりも、「目標未達でした。現在達成のために広告文を追加して、CPAの改善を図っています。こういう広告文をこういう意図で追加しました。1週間後にまた経過を報告します。」のように、目標達成のための一手段として位置付けて会話をした方が説得力があると感じると思います。なぜ説得力があるのかというと、「目標を達成するために」をつけて報告することで、手段が目的化することを防ぐことができるからです。

オペレーションが複雑でいくつも施策が走る運用型広告では、「目標を達成するために」という本質志向を徹底しないと、迷走しがちです。迷走とは、例えば、本来の目標は目標CPA以内で予算分配信することなのに、目標達成への影響度の低い細部にものすごく工数をかけてしまったり、細かいレポートを見てウェブ広告やってますよ感を社内で醸し出すことが目的になってしまったり、ということです。なので、私は「目標を達成するために」と都度言って、成果へのインパクト等を意識した報告をするようにしています。

逆に目標に対してインパクトが無く、かつ上司やクライアントが特に気を払っていなくて報告しても楽しく盛り上がらない内容は報告する必要はありません。惰性で細かいキーワードレポートや広告を集計して報告している場合も、報告会で上司やクライアントが毎回すごく眠そうにしてるのでしたら、考え直した方がいいかもしれません。成果の良し悪しとインパクト大きい施策3つを10分で報告した後、残りの時間は、広告文やLPの案のブレストなど何かしら次のアイディアを考える時間にでもした方が有意義な可能性が高いです。

悪いニュースは発覚次第ただちに善後策を添えて報告をする

悪いニュース(予算が利用できていない、CPAが高騰している、入稿や設定ミス等)は、発覚次第ただちに現状と善後策とを添えて、上司、クライアントに報告しましょう。上司、クライアントとしても、早く報告を受けた方が何かしらの対策のアクションが取りやすいですし、アクションが特に取れない場合であっても安心感があります。

例えば、予算が利用できていないケースでは、今月の予算進捗が怪しいな?と思ったタイミングで「目標CPA以内の配信だと、予算が50万円余ってしまう見込みです。50万円分●●という配信にチャレンジすれば、獲得を伸ばせる可能性があります。ただしCPAが高騰してしまうリスクもあります。(まずは10万円配信してコンバージョンが1件も付かなかったら停止します。)私としては50万円分●●にチャレンジしたいと考えていますが、いかが致しましょうか?」という連絡を一本入れておきましょう。

もしあなたが報告を受ける上司・クライアントの立場だとすると、このような報告があれば安心感があるのではないでしょうか?事前のリスク管理と説明を徹底することにより、成果が悪化する局面であっても信頼感を高めることが出来ます。

マーケティングのプロジェクトの施策単位で成功し続けることは本当に難しく、1年以上プロジェクトを進めると成果が悪化する局面が必ず来ます。失敗しないように一生懸命考えてから施策を打つことは大切ですが、同時に、上司、クライアントに失敗のリスクをしっかり説明する、進捗が怪しくなったらすぐに報告して善後策を練る、を徹底することも重要です。

逆に良くないケースが上司、クライアント側から突っ込みが入るまで報告を引き延ばしてしまうことです。「成果が悪化して言いづらかったんだろうけど…それにしても、発覚したタイミングで報告してほしかった。そのCPAだったら別のところに予算を割きたかったのに…」等思われてしまい、事前に説明さえしておけば失わなかった信頼も損ねてしまう可能性があります。

広告の新しい施策を提案する

上司やクライアントの信頼を勝ち得るために、私たち広告運用者は、月次程度では新しい施策を提案してアクションを取った方がよいと考えます。(もちろん、ビジネスや予算やリソース状況によっては、週次で次の手を打てる場合もありますし、月次ではデータが溜まらずに次のアクションが取れない場合もあり、状況は異なります。あくまで月次というのは目安です)

「コスト・CPA維持で配信できているなら、それでいいじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ビジネスである以上成長しつづけなければならないし、運用型広告を担当することでお給料や手数料を頂いている以上、私たち広告運用者はバリューを出し続けなければなりません。そのため、月次程度では、広告文やターゲティングや利用している広告媒体について、何かしらの成果を期待できる施策を提案したいです。

どうしても次の手が思い付かない、広告文も面白いのがこれ以上考えられない、お手上げだ!という局面も、広告運用を続けていると来てしまうものです。そういうときは、検索してみて競合の広告文・LPを見て見たり、あるいはTwitterやFacebookでユーザーの情報をリサーチして新情報をインプットしてみたりして、知恵を振り絞って次の手を考えてみましょう。とにかくインプットを増やして次の手を絞り出して考えてみてください。それでもどうしても思い付かないようであれば、社内の別のメンバーや、あるいは上司やクライアントも交えて一緒に考えてみてセカンドオピニオンを募ってみたり、あるいはそもそも広告運用の担当者をあなたから別の方に変えてもらって運用に新しい風を吹かせて見たり、対策を打ってみていいと思います。

また、新しい提案を行う際は、撤退基準を「10万円分配信してみてCPA10,000円を超えるようなら停止します」のように明確にしてリスク管理を事前に行うと安心感が増します。

運用型広告まわりの重要ニュースを報告する

私たち広告運用者は、媒体のアップデート等の運用型広告まわりの重要ニュースをチェックしています。上司やクライアントへも、重要なリリース情報については、何か対応が必要なのか?一旦スルーしておいてよいのか?等の見解も交えて報告した方がいいです。上司やクライアントが別の場所でアップデート情報を耳にして「これうちでも対応してるのかな?」と不安になる…という事態を避けるためにも、直接の対応が必要なくても重要なリリース情報は、シェアだけでもしておくことをおすすめします。

中には、ITP(※)等の対応が必要かつ重要なリリースも少なくありません。例えばインハウスの広告運用者は、「ウェブ広告に社内で詳しい唯一の人間」というケースも少なくないですし、上司やクライアントは「やっぱりウェブはちゃんと知っておかんとな」と考えているものなので、あなたが日々チェックしている情報は、あなたの想像以上に上司やクライアントは聞きたいと感じています。

※参考:AppleのiOS 11、macOS High Sierra のWebブラウザSafariに搭載されるITP(Intelligent Tracking Prevention)ってどんな機能なの?

上司やクライアントが、責任を負っている事柄に参考になりそうなことを、運用型広告とは直接関係が無くても報告する

上司やクライアントは、私たち広告運用者の成果の状況を追うことだけが仕事ではありません。例えば、クライアントがウェブ担当者であれば、サイトの運用、自然検索やアフィリエイト等運用型広告以外のチャネルからの流入、社内での予算管理、SNSの運用等、社長であれば、資金繰り、運用型広告以外のマーケティング、商品開発、人事等さまざまなことに責任を負っています。運用型広告のデータから何らかの有意義な教訓が得られたり、あるいはあなたに運用型広告以外の職能があるとすれば、運用型広告以外のビジネスに関連する事柄について何かしらのアドバイスしたい局面があるかなと思います。

そういった場合は、ぜひ報告・提言をしてあげられればいいかなと思います。何かしらの役に立てば、ビジネスを進めるにあたり有意義ですし、また、私たち広告運用者に対しての印象・評価も高められて運用型広告領域の仕事もスムーズに進められる可能性が高められます。

ただし、提言する内容が傲慢な物言いであったり、そもそも上司やクライアントの責任範囲と被っていなかったりすれば、逆に疎ましくムッとされてしまう可能性もあります。そのため、提案に前置きを「どうしても気になったので僭越ながら申し上げると」等を置いて自分担当領域の分をわきまえていることを伝えたり、「このあたり気になってるんですが、●●さんが責任を持っているんでしょうか?」のように一旦聞いてみたりすれば、スムーズにアドバイスを伝えることができます。

運用型広告の保守点検を行い異常があった箇所は報告する

私たち広告運用者は、つつがなく配信が行われるために、定期的に保守点検やメンテナンスを行う必要があります。点検を行った際に以下のような異常が検知されるケースがあります。

  • 広告が審査不承認になった
  • リマーケティングリストが激減している
  • コンバージョンの計測に不備がある可能性がある
  • LPがリンク切れになっている
  • データフィードが更新されていない

その場合、私たち広告運用者は、原因のあたりまでつけて当方で手を打てるところは打ったうえで、上司やクライアントに報告や対応のお願いする必要があります。

「リマーケティングリストが1週間前から減少しています。原因は、サイトのタグの設置状況も確認したのですが、計測用タグが抜けているようで、ここのようです。つきましては、お手数ですがリターゲティングタグの設置をお願いでますか?」このように、具体的にやってほしい手続きまで書いたうえで報告をすれば、安心感があります。

その他、上司やクライアントが気がかりに思っていることを報告する

成果にクリティカルに影響がないような事柄であっても、上司やクライアントが気がかりに思っていることは少なくありません。私たち広告運用者にとっては、「え、何でそこが気にかかるの?」といった些末な事柄であっても、上司やクライアントにとってはとても気がかりに思えたりします。

例えば、クリック率がどうしても気になったり、インプレッション数が気になったり、特定のセグメントのごく小さな施策の進捗がどうしても気になったりです。それは、運用型広告以外の経験に則っていたり、運用型広告の全体像への理解不足からどうしても特定の数値に引っかかってしまったり、さまざまな事情があります。

私たち運用型広告の運用者は、上司やクライアントの下で運用を行っている以上、それをないがしろにすることはできません。例え成果に影響が少ない些末な事柄に思えることであっても、「成果にクリティカルに影響はありません」という註釈は交えつつも、報告すれば安心感があります。

上司やクライアントがどの数値に引っかかっているかは、報告中に「この数値はどうしてこのようになっているんですか?」「もう少し改善できないんですか?」等の突っ込みをいただいたか否かで判断することができます。わざわざ時間を取って聞いてくるということは、それだけ気がかりに思えているということです。「数値がそうなっているのは、こういう事情です。ちなみに、その指標はこういう事情からそこまで重要ではありません」という旨をご説明して、「なるほど、理解しました」といってすごく頷いていただくような、完全に納得した反応を見せない限りは、次回以降報告の機会があれば、突っ込み前に何かしらのフォローをいれた方がいいでしょう。

最後に

私たち広告運用者は、より細かい運用ができて成果の上げられる職人であることも大切ですが、同じぐらいうまく上司やクライアントを調整できる、一緒に仕事のやりやすい仕事のデキる人であるべきだと考えます。

運用型広告を成功に導ければ素晴らしいことですが、それが上司やクライアントに上手く伝わらなければ、施策の再現性も持たせられませんし、私たち広告運用者の評価も上がりません。また、逆に運用型広告の成果が悪化した局面でも、上司やクライアントにうまく事前のリスク説明等ができていれば、「まあこういうチャレンジをして教訓も得られたしよかったよね」という、施策の教訓も次に生かすことができて、かつ広告運用者としてはプラスの評価を得ることができます。

広告運用を一生懸命やっていて成果もそれなりに出ているのに、なぜか上司やクライアントが評価してくれない…そいういう心当たりのある運用型広告の運用者の方は、上述のぜひ報告の仕方もぜひ参考にしていただいて、上司やクライアントと、よりよい関係性を築くことを目指してみてください。

Junya Koyama

Junya Koyama

アナグラム株式会社 運用型広告エキスパート。 インターネット広告代理店にてリスティング広告の分析・運用を経験後、2014年8月よりアナグラムに参画。健康食品、アパレル、求人、士業、BtoBなど多岐にわたる商材の広告に携わり事業拡大に貢献。

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