
ランディングページ(以降、LP)に課題を感じていても、どこから改善すれば良いのかわからないことはありませんか?
なんとなくコピーを変えてみたり、ボタンの色を変えたりしても成果は上がりません。効果の出ないLP改善になっている場合「ユーザーとのコミュニケーション」を起点に考える視点が抜けているのかもしれません。
本記事では、「ユーザーとのコミュニケーション」を起点としてランディングページを改善するための視点を5つご紹介します。


目次
LP改善はユーザーとビジネスの理解が重要
LPはユーザーの悩みや課題を解決する方法を提案する場です。そのため、ユーザーがどんなことに悩み、どのような課題を持っているかを把握していなければ、効果的なコミュニケーションはできないでしょう。また、広告主のビジネス理解も重要です。ユーザーとビジネス、両方の理解があってはじめて、ユーザーの悩みと解決方法が噛み合います。
ではどうやってユーザーやビジネスの理解を深めればいいのでしょうか?
フレームワークを用いた分析や情報収集の方法はさまざまなものがあります。
- 商品やサービスを体験する
- ユーザーの声を集める
- コールセンターや店舗などでユーザーと接している人の話を聞く
- 店舗に行ったり調査ツールを使ったりしてユーザーの行動を観察する
- 広告主のマーケティング担当や専門家など詳しい方に話を聞く
- 統計資料サイトや業界分析ツールを使う
- 関連書籍やニュースを読む
- 広告主や競合の決算資料・有価証券報告書を読む
詳細はこちらに記載しています。
なかでもおすすめなのが、自らがユーザーとなり実際に商品を購入したりサービスを体験することです。
自分がサービスの対象でない場合を含め顧客へのインタビューも有効です。「20代女性」「30代ビジネスパーソン」のデモグラフィック情報だけでは分からない、ユーザーが抱える悩みや行動パターン、価格や品質に対する判断基準まで、定量的な調査だけでは分かりづらいさまざまな情報が得られるためですね。
ユーザーとのコミュニケーション改善に役立つ5つの視点
ユーザーとビジネスの理解を深めたうえで、求める情報がLPでしっかり伝わっているか確認しましょう。これから紹介する5つのポイントを意識すれば、LPの課題を見つけやすくなります。
ユーザーの悩みの設定は適切か
LPにはさまざまな経路からユーザーが訪れます。特に複数の媒体で広告を展開している場合、媒体ごとに異なるニーズを持ったユーザーがアクセスするでしょう。
そのため、LPが価格や便利さなど機能面を重視した情報に偏っていると、サービスをまだ検討していない潜在的なユーザーに対して、魅力が十分に伝わらない可能性があります。
潜在層にはサービスを利用することで得られるプラスの感情(情緒的ベネフィット)を起点にしたLPがおすすめです。サービスを利用することで安心感が得られたり、気持ちに余裕ができたりと、サービスが解決することを伝えることでユーザー層を広げることができます。
例えば、宅食サービスを例に考えてみましょう。すでに宅食サービスを検討している人にとっては、「1食500円から」や「冷凍で届く」などの価格や機能の訴求が有効な判断材料になるでしょう。しかし、まだ宅食サービスを検討もしていないユーザーには「自分に必要なサービスだ」と気づいてもらう必要があります。
この場合、サービスを利用することでどのようにユーザーの課題が解決され、どのような感情になるかを伝えることで、解決策の選択肢に気がついてもらえるのではないでしょうか。商品・サービスのメリットからユーザーにとってのベネフィットを考えることで、潜在的な悩みを持っている方にも自分に関係があることと認識し、興味を持ってもらいやすくなります。
このように「誰に」届ける情報かによってLPで提供するべき情報も大きく変わります。情報を届けたいユーザーの悩みに対応できるLPになっているかはまずはじめに確認しておくべきでしょう。
LPにユーザーが知りたい情報が含まれているか
ユーザーがLPをみた際、期待していた内容と異なったり、読むのを負担に感じると離脱に繋がります。そのため、ユーザーが求める情報を冒頭に配置し、広告文やクリエイティブとLPの訴求に一貫性を持たせることが重要です。
例えば、パーソナルトレーニングがあるフィットネスジムを探しているユーザーが「ジム 〇〇駅 パーソナル」と検索します。広告文で「パーソナルジム」と表示され、LPを訪れた際に、パーソナルトレーニングに関する情報がなかったり見つけにくいと、期待外れに感じたり、離脱してしまう可能性があります。この場合は、ユーザーが知りたい情報を冒頭で提示することで、他の魅力も伝えやすくなるでしょう。
サービスを選ぶ際、ユーザーが重視する判断軸や求める情報はさまざまです。ユーザーの求める情報は、以下のような方法で調べることができます。
- 検索広告の検索語句レポートで調べる
- Google Search Consoleのクエリから検索キーワードを調べる
- 顧客アンケートをとる
- インタビュー調査をする
- SNSで、自社サービス・商品名を含んでいる投稿内容を調べる
- 口コミ・レビューサイトをみる
- Googleビジネスプロフィールから口コミを確認する
サイトに来てもすぐに離脱してしまっているような場合には、ユーザーが知りたい情報をLPに含められているか確認してみてください。
ファーストビューにサービスが提供できる価値があるか
ユーザーは特定の商品・サービスを選ぶ際に、「サービスの特徴」を知りたいと思っているのではないでしょうか。ユーザーが求めている情報をLPに含めることも大事ですが、商品・サービスがユーザーに提供できる価値を伝えることも大切です。
そのためには、LPのファーストビューにサービスが提供できる価値を含めましょう。それにより、ユーザーは「このサービスは何が強みなのか」を把握しやすくなり、LPを読み進めるかどうかの判断をしやすくなります。
ここでしっかりと、サービスが提供できる価値を伝えることで、ユーザーがサービスの価値を誤って認識してしてしまうことを防げます。誤った認識のまま申し込みになると、早期に解約になったり、返品やクレームにつながったりすることも考えられるのでしっかりと自社が提供できる価値を伝えておきたいですね。
競合サービス・手段を差し置いた自社ならではの強みが伝わっているか
競合サービス・手段とは、同じ市場内で類似した顧客ニーズに応えるために提供されている他の製品やサービス、またはそれに対する代替手段です。
競合には、直接的な競合(同様の製品やサービスを提供する企業)と、間接的な競合(顧客の問題を別の手段で解決する企業や手段)が含まれます。とくに間接的な競合には「何もしない」までも含まれますので、幅広く考えるのが大切です。
例えば、肩こりがひどく体質改善をしたいと思っているユーザーは「整体」に行こうとするかも知れないですし、「マッサージチェア」の購入を考えたり、「磁気ネックレス」が解決手段になるかもしれません。まずは、自分がユーザーだったらどのような解決手段を検討するか、一度リストアップしてみましょう。競合手段は思わぬところにある可能性があります。
競合手段を考えると、解決の選択肢は多様である事がわかるでしょう。そのなかで自社の強みをしっかりと伝えなければ、購入する価値を感じてもらえず離脱につながります。
自社でしか提供できない価値を見つける方法は2つあります。
- 3C分析から自社が優れているスペックを洗い出し、ユーザーに提供できる価値を導き出す。
- ユーザーインタビューやSNSの口コミから、自社が選ばれた理由や利用後の感想を収集し、ユーザーにとってそのサービスを選ぶ必然性を理解する。
他社にはない、自社だけの強みをユーザーのニーズに合わせて伝えることで、成果につながるでしょう。
ユーザーが不安になる要素を払拭できているか
LPを見たときにいくつか疑問を抱くことはありませんか。疑問や不安感を払拭するにはどのような情報に着目すればいいのかみていきましょう。
LPを見たときに感じる疑問が解消できているか
具体的にサービスを検討したときにLPをみて感じる不安や疑問は、ユーザーが想定していることより差分が大きい場合に感じます。この場合、ユーザーが納得できる説明を加えることで払拭できるでしょう。
例えば、他社と比較して価格が高い場合は、その理由を強みと一緒に説明すると効果的です。

反対に、相場より価格が極端に低い場合には、ユーザーは「こんなに安くて大丈夫なのか」と不安感を抱くことがあります。説明が不足していると、ユーザーに不信感を与える可能性があるため、低価格で提供できる理由を伝えるとよいでしょう。
LPを見た際に感じる疑問点をあげていき、その疑問に答えるためにはどのような情報が必要なのか考えることが改善の鍵になります。
解約理由に先回りした情報が入っているか
ユーザーがLPに記載された情報に期待し購入したが、実際に利用してみると、当初の期待にギャップを感じることがあります。そうすると、解約につながることがあります。
例えば、健康食品で商品の特性として「苦味が強い」ものがあるとします。この商品特性を伝えないと、「味が苦い」という理由で解約に繋がるかもしれません。この場合、「苦みが強いです」とだけ伝えるのではなく、「栄養が豊富だから苦味が強い」と、なぜ苦いのかを説明することで、ユーザーが納得感をもつことができます。
また、定期便サービスの場合、定期で届く商品が余ってしまうと解約率が高まります。そのため、LPで配送ペースを選べることを伝えると、ユーザーが自分のライフスタイルに合わせて商品を利用しやすくなり、継続利用へとつながります。
このように、商品・サービスの弱みをあらかじめ伝えることで、購入前後のギャップを最小限に抑え、ユーザーに納得感や価値を感じてもらいやすくなります。その結果、長期的な利用につながるはずです。
ただし弱みを伝える際は、弱みだけを伝えるとネガティブな印象を与える可能性があります。この場合、強みとセットで伝えたり弱みが生じる理由を伝えることで、より信頼感のあるコミュニケーションを取ることができます。
他社が伝えている最低限の情報を伝えているか
他社のLPには記載されている情報が自社のLPに記載がない場合、ユーザーは自社サービスの利用イメージを持ちにくくなり、離脱につながる可能性があります。そのため、最低限比較されるであろう情報は伝えるようにしましょう。
価格やスペックなどはすぐに思い浮かびますが、それ以外にどのような情報が必要かは判断が難しいこともあります。そんな時は、3C分析の結果を見返すことや、他社のLPを複数チェックし共通するコンテンツを参考にして必要な情報を洗い出しましょう。
まとめ
ユーザー理解といっても、商品やサービスをよく知っていればいるほど先入観もあるため、ユーザーの気持ちを理解するのは大変ですよね。
もし自分が新たに担当する商品やサービスであれば、できる限り事前に知識がない状態でLPを見るのがおすすめです。はじめてLPを見る際は、ユーザーに非常に近い目線でLPを見る貴重な機会です。その際に感じることは、多くのユーザーが感じる違和感や感想にきっと近いでしょう。
すでに担当しているLPの改善を図る際には、記事で紹介したインタビューや顧客アンケートなどを通して客観的な視点を取り入れるのが有効です。
LPの改善にはユーザー起点で考えることが欠かせません。ユーザー理解を高められているか、売り手側の都合を押し付けていないか、という視点でLPをみることが大切ですね。
