Pinterestショッピングアドでさらに成果を伸ばすための4つのコツ

Pinterestショッピングアドでさらに成果を伸ばすための4つのコツ

Pinterestに登録したカタログから、ユーザーが興味を持ちそうな商品を動的に訴求できるPinterest ショッピングアド。登録したカタログをもとに広告を動的に生成してくれる便利さの一方で、直接的に調整やコントロールできる部分が少ないため、広告効果の改善方法に頭を抱える広告運用担当も少なくないでしょう。

しかし実は、Pinterest ショッピングアドには様々な運用レバーがあり、現状の成果をさらに伸ばしていくためのコツがあるんです。

「広告配信は自動入札に任せっきりになってしまっている…」という方も、成果改善や新しい施策を考えるきっかけになるように、Pinterest ショッピングアドの運用のコツをまとめました。

Pinterest ショッピングアドとは?

Pinterest ショッピングアドは、カタログと呼ばれるデータフィードを登録し、そのカタログ情報をもとに広告を動的に生成し、ユーザーの興味がありそうな商品を提案することができる広告フォーマットです。

広告運用者が広告配信の目的に合わせてキャンペーン設計を行い人間の手を加える部分と、媒体に最適化を任せる部分と役割分担をすることで、成果をさらに伸ばしていくことが可能です。

重要なのは「キャンペーン設計」と「データフィード」の2つ

Pinterestショッピングアドで、さらに成果を伸ばしていくための重要なポイントは2つあります。

1つ目は、最適化に必要なコンバージョンデータが貯まりやすいキャンペーン設計です。これはPinterestアド運用の基本となる部分なので、必ず押さえておきたいポイントです。

2つ目は、データフィードの充実度を上げることです。データフィードは、Pinterestショッピングアドで表示される広告そのものに直接影響を与えます。そのため、Pinterestショッピングアドの改善において、データフィードの改善が広告の成果改善における重要なポイントなのです。

それぞれの項目について、下記で詳しく解説します。

キャンペーン設計のポイントは購入までの検討期間を加味したコンバージョンデータの設定

機械学習によるPinterestアドの成果を最大化させるうえで、Pinterestのシステムが効果的な広告配信対象となるユーザーを学習するために、コンバージョンに関する十分なデータ量が必要です。Pinterest アドでは、1週間に50〜200件のコンバージョンデータが十分な機械学習を行うために推奨されています。

参照:コンバージョンキャンペーンを作成する

現状の広告配信において、機械学習に十分なデータ量が不十分な場合の対策について説明していきます。

購入までの検討期間を加味したコンバージョンウィンドウを設定しよう

「コンバージョンウィンドウ」とは、ユーザーが広告を見たり、クリックしたり、保存したりと、何らかのエンゲージメントをしてからコンバージョンに至るまでの期間を指します。ここで設定したエンゲージメント期間を起点に生まれたコンバージョンが、広告管理画面上でコンバージョンとしてカウントされます。

Pinterestショッピングアドに限らず、Pinterestアドでは、コンバージョンウィンドウを他媒体よりも長めに設定することをおすすめします。

なぜならPinterestは、新しいインスピレーションを探すユーザーに利用されることが多く、ユーザーの潜在的な需要をキャッチすることに長けている媒体と言えるからです。その分、Pinterest のコンバージョンの75%が広告掲載の1週間後に発生しているというデータもあります。

参照:ラストクリックだけに頼らない 3 つの計測のヒント

そのため、コンバージョンウィンドウの設定期間を短く設定していると、商品を検討する最も初期の段階でPinterestアドと接点を持っていたユーザーのコンバージョン計測を逃してしまう可能性が考えられます。

ラストクリックだけの評価ではなく、不必要な機会損失を防ぎ、配信している広告の評価を正しく行えているか、長めのコンバージョンウィンドウの設定を検討してみてください。

コンバージョンウィンドウを長くすることで過大評価になるのでは?

コンバージョンウィンドウを長くすることで、間接的なコンバージョンが増え、広告の効果が過大評価されてしまう懸念もありますよね。そんな時は、そのためには、単にコンバージョンウィンドウを長くするのではなく、ビジネスの特性やキャンペーンの目的、商品の特性、ユーザーの購買行動などに応じてコンバージョンウィンドウの設定をすることが重要です。

例えば、商品やサービスによって、ユーザーが購入を決断するまでの時間は異なります。例えば、高額な商品や比較検討が必要な商品では、購入に至るまでに長い期間がかかることが多いです。一方で、衝動買いが多い商品は、短めのコンバージョンウィンドウでも十分でしょう。

ユーザーが最初に広告に接触してから、実際に購入に至るまでの平均的な期間を過去のデータを活用するなどして、適切なコンバージョンウィンドウを検討しましょう。そうすることで、実態に合わない長すぎるコンバージョンウィンドウの設定を避けることができ、正確な広告効果の測定が可能になります。

また、どんな状態のユーザーに広告でアプローチしたいのか、キャンペーンの目的によっても設定するべき期間は異なります。たとえば、広告から直接購入したい場合には、極力期間を短くするべきですよね。一方で、まだ商品やブランドを認知していない方へのアプローチであれば長めの期間を設定するのがよいでしょう。

媒体の特性やキャンペーンの目的を十分に理解し、あらかじめ何を成果とするのかを決めておくことが大切です。

コンバージョンウィンドウの確認方法

コンバージョンウィンドウを設定・確認する手順については下記を参考にしてみてください。

  1. アドグループで「編集」を選択
  2. 「予算とスケジュール」セクションへ移動
  3. 「コンバージョンウィンドウ」から設定・変更

「コンバージョンウィンドウ」と「アトリビューションウィンドウ」を使いこなし、獲得状況を正しく把握する

キャンペーンの機械学習を担保するために、コンバージョンデータの「量」が大事という話をしました。まずはコンバージョンデータの十分な「量」を担保する上で重要な「コンバージョンウィンドウ」と「アトリビューションウィンドウ」の違いについてしっかり理解しておきましょう。

コンバージョンウィンドウアトリビューションウィンドウ
設定する場所キャンペーンレポート
概要キャンペーンで最適化していくためのコンバージョンを決定するものレポート上で確認できるコンバージョンの範囲を変更するもの
例)「クリック後7日」と設定した場合設定したキャンペーンで、広告をクリックしてから7日以内にコンバージョンしそうなユーザーを重視した配信が行われるようになる広告レポート上に表示されるコンバージョンが、ユーザーが広告をクリックしてから7日以内に生まれたコンバージョンに絞られる

コンバージョンデータの「量」をモニタリングするに気をつけたいのは、「広告の成果を確認するとき、アトリビューションウィンドウの設定がコンバージョンウィンドウの設定と揃っているか?」という点です。

アトリビューションウィンドウは、レポート上で「コンバージョン」に実績数として表示するコンバージョンの条件を決めるものです。コンバージョンウィンドウと違った設定にしたままにすると、レポート上で「最適化したいコンバージョンの量」を見誤ってしまいます。

「コンバージョンウィンドウ」と「アトリビューションウィンドウ」には、「広告のエンゲージメントの種類」と測定期間の「ルックバックウィンドウ」のかけ合わせによって、様々な組み合わせが考えられます。

要素説明指定する内容
広告エンゲージメントの種類コンバージョンに至る前に、ユーザーがどのようにして広告と接点を持っていたかを定義しますクリック/エンゲージメント/広告の表示(閲覧)
ルックバックウィンドウユーザーが広告と接点を持ってから、何日後までをコンバージョンの測定期間とするかを定義します1日/7日/30日/60日(アトリビューションウィンドウでのみ設定可能)

アトリビューションウィンドウの設定の確認と変更は、下記の手順で行えます。一度、配信中のキャンペーンの設定に食い違いが起きていないか確認してみてください。

アトリビューションウィンドウの確認方法

広告管理画面上では「アトリビューション」という設定項目ではなく「コンバージョンの設定」との表記であるため、少々わかりづらくなっています。

  

  1. Pinterest のビジネスアカウント にログインし、ヘッダーから「 レポート」ページ にアクセス
  2. 画面上部の「コンバージョンの設定」から設定・変更

Pinterestショッピングアドの成果を左右するデータフィードの活用方法

Pinterest ショッピングにおけるクリエイティブの質は、データフィードの充実度に比例すると言っても過言ではありません。

データフィードの「フィールド」と言われる記載項目を充実させることで、広告を通じてユーザーが受け取れる商品の情報が増え、クリック率やコンバージョン率の向上につなげることができます。

その結果、クリックやコンバージョンのデータが貯まりやすくなり、機械学習のデータが増えることで、レコメンドの精度向上にも間接的に寄与します。

データフィードを充実させてクリエイティブの質を高めよう

Pinterestショッピングアドで大事なことは、ユーザーに商品に興味を持って、購入を検討してもらうことです。ここでは、Pinterest ショッピングアドのクリエイティブの情報量を充実させることで、成果をさらに伸ばしていくための方法をご紹介します。

Pinterestショッピングアドの配信にあたって、データフィードには必ず記載が必要な「必須のフィールド」と、商品に応じて任意で追加できる「任意フィールド」があります。

工夫次第でデータフィードの充実度を左右するフィールドを必須と任意、それぞれで紹介します。ご自身のデータフィードに改良の余地がないか、見直してみてください。

参照:小売カタログの使用を開始する

必須フィールド:「image_link」と「title」は広告の第一印象を決める

 

タイムライン上に表示されるPinterestショッピングアドのタイムラインには、カタログに登録した「image_link」と「title」の2つのフィールドからクリエイティブが作成されます。

つまり、ユーザーが広告として認識する第一印象を決める上で、この2つのカラムは重要な要素と言えます。

たとえば、「image_link」に記載している画像は、白い背景に商品を置いただけの画像になっていませんか?

それ自体が決して悪いわけではないですが、商品の利用シーンや他のアイテムとのコーディネートが分かる着用画像を使用することで、ユーザーに商品を購入した後の未来を提示する訴求も可能になります。

また、「title」には商品名やブランド名に加えて、商品購入の検討材料にもなる、価格や割引率などの商品情報を追加することで、よりユーザーに検討してもらいやすくもできます。

必須のフィールドだからといって、ただ項目を埋めるだけではもったいないです。限られた項目で最大限の訴求を行うことが可能であれば、それを使わない手はないですよね。ぜひ、この機会にご自身のデータフィードを見直してみてください。

任意フィールド:クリエイティブの商品情報をさらに充実させよう

Pinterest アドの配信エンジンはデータフィードに登録された商品情報に基づいて、ユーザーに適切な商品を表示します。そのため、Pinterestショッピングアドの効果をさらに高め、より良いレコメンドを得るためには、どのような商材でも利用ができる任意フィールドの情報を充実させることが大切です。

しかし、任意フィールドは記載できる項目数も多く、すべてを記載するのは大変です。その場合は、「ユーザーの購買意欲を高める情報は何か」を起点に追加する任意フィールドの優先順位を検討してみましょう。

おすすめは、「average_review_rating(商品の評価)」や「sale_price(セール表記)」、「free_shipping_label(送料無料表示)」の3つの項目です。

これらは、ユーザーの目にとまりやすいクリエイティブの情報をリッチにできる任意フィールドです。オンラインショッピングにおいて購入意欲を高める要素として重要なフィールドなので、優先的に設定することをおすすめします。

フィールド名説明文構文/サポートされている値データの例
average_review_rating商品のレビューの平均値。設定しておくことで、クリエイティブ上でレビュー値として表示されます。<数値> 1~55
sale_price商品の割引価格。sale_price は price より低く設定する必要があります。1以上の価格を入力し、日本円の場合は、通貨コード「JPY」を先頭もしくは末尾に付与してください。通貨コードが含まれない場合はデフォルトで米ドル表記となるため注意が必要です。
このカラムを追加すると、セール価格がアイテムの現在の価格と見なされ、クリエイティブ上で表示されます。
<数値><ISO 4217>14.99 JPY
14.99JPY
JPY 14,99 
JPY14,99
14.99 
free_shipping_labelアイテムに送料無料を適用するかどうかを指定します。する場合、「true」、しない場合は「false」で指定します。
送料無料にする場合、free_shipping_limitに 0 を入力してください。指定金額に達した購入のみ送料無料とする場合は、free_shipping_limit にその金額を入力する必要があります。
true falsetrue
additional_image_link商品の追加画像へのリンク。画像を 10 枚まで追加して、商品を別の角度から見せたり、別々の段階を見せたりするために使用できます。このカラムを追加すると、「同じタイトル・説明文だが商品画像が違う」別々のピンが作成されます。
エラーが生じないよう画像は 75 x 75 ピクセル以上のサイズにしてください。複数指定する際はコンマを使用してURLを区切ります。また、文字列全体を二重引用符("")で囲むことが推奨です。
各画像リンク最大 2000 文字" https://scene.example.com/image/image_v2.jpg , https://scene.example.com/image/image_v3.jpg "
number_of_ratings商品のレビュー数。設定しておくことで、クリエイティブ上でレビューされた数として表示されます。<数値>2

参照:データソースを準備する

一方で、クリエイティブの商品情報はユーザーの目に触れるフィールドだけではありません。

Pinterestショッピングアドのレコメンド機能を充実させるためには、ユーザーの目に触れない部分のフィールドも記載しておきましょう。そうすることで、ユーザーが反応した商品と類似した性質の商品のレコメンドがされやすくなりますので、こちらも可能な限り網羅しておくことをおすすめします。

以下、任意フィールドは媒体が商品情報を把握するためによく用いられるカラムです。これがすべてではないですが、数ある任意フィールドの中でも度々用いられる項目なので、ご自身のデータフィードと見比べて、記載できる項目があれば記載しておくことをおすすめします。

フィールド名説明文構文/サポートされている値データの例
product_type任意の商品分類。前後にスペースを入れた > で区切る必要がありますカテゴリは最大5件、最大1,000 文字です。衣料品 > レディース > シャツ > デニム
google_product_category事前定義されたGoogle 商品カテゴリを基にした商品の分類参考:Google 商品カテゴリ [google_product_category]上記ヘルプ内のGoogle 商品カテゴリの一覧から、商品に合致するものを指定ファッション・アクセサリー > 衣料品 > トップス21
item_group_id商品の親 ID。色やサイズなど、商品の詳細が異なっているだけの類似商品をグルーピングできます。item_group_idを使用することで、バリエーションのある商品を別個にではなく、同一商品グループとしてPinterestに認識させることが可能です最大 127 文字DS0294
brand商品のブランド名最大 100 文字ジョージー デニム
gtin一意の国際標準商品 IDGTIN ガイドラインに従った数値3234567890126
mpn商品の製品部分番号最大 70 文字の英数字"mpn":"PI12345NTEREST"
condition商品の状態次のいずれかの値にする必要があります:
newusedrefurbished
new
color商品のメインカラー最大30文字ブルー
gender商品と関連付けられた性別次のいずれかの値にする必要があります:
male(男性)female(女性)unisex(ユニセックス)
male
size商品のサイズ最大30文字M
age_group商品と関連付けられた年齢次のいずれかの値にする必要があります:
newborninfanttoddlerkidsadult
adult

参照:データソースを準備する

商品グループを活用して、特定商品の入札調整を行いやすくしよう

データフィードの内容を充実させても、ちゃんとユーザーに届けられなければ意味がないですよね。特定の商品を、届けたい相手に効果的に届ける手法としては、「商品グループ」の利用がおすすめです。

「商品グループ」は、連携しているデータフィードの商品データから、特定の商品群を抜き出して広告配信できる機能です。

たとえば、アパレルECの女性向けの商品は女性に、男性向けの商品は男性に、それぞれターゲットを絞って配信することで、クリック率やコンバージョン率の向上につなげることができます。

また、特定の時期に需要が高まる商品カテゴリや、販売したい商品の広告配信を強化することで、効果的に売上を伸ばしやすくなります。

登録したカタログをそのまま広告配信するのではなく、ターゲットや配信期間に合わせて商品グループの活用を検討してみてください。

商品グループの設定方法

商品グループの設定方法を、手順に沿って解説します。

1.カタログの「商品グループ」から、「商品グループを作成する」をクリック

2.「おすすめの商品グループを追加する」または、「手動で作成する」をクリック

「おすすめの商品グループを追加する」では、Pinterestが自動で作成するおすすめの商品グループを作成することができます。なお、自動で商品が選定された内容は、24時間毎に更新がされます。

そのため、「特定の商品をピックアップして訴求したい」というときには「手動で作成する」を選択し、任意の商品グループの切り分けを行いましょう。

3.追加したい条件を設定し、「フィルターを設定する」をクリック

たとえば、アパレルECの女性向けの商品で女性への配信を強化したい場合は、フィルターから配信したい商品項目を選択します。

4.商品グループに名前をつける

5.「商品グループを作成する」をクリックして完了

Pinterest へ送る学習データがPinterestショッピングアドの成功を左右する

Pinterestアドに限らず、広告配信における機械学習の領域は広がっています。しかし、情報が不足していたり、整理整頓されていないデータでは、有能な機械学習も十分な成果を発揮することは難しいです。そのため、広告媒体の配信エンジンが十分に働けるように、過不足なく情報を与えることは運用者が担うべき領域といえます。

最適化として機械に任せるところ、そして運用者としてデータの整理を行い配信エンジンに学習に必要な情報を過不足なく与えるところ。それぞれの役割分担を踏まえて、改めて現状の配信設計やデータフィードを見直してみてください。

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