Google広告のDSAがAI Maxへ移行へ。広告運用者が押さえるべき変化

Google広告のDSAがAI Maxへ移行へ。広告運用者が押さえるべき変化

【2026年6月更新】 2026年6月11日、GoogleがDSAからAI Maxへの移行スケジュールの変更を発表しました。本記事に追記した変更点の概要は次のとおりです。

- 未移行キャンペーンの自動移行が、2026年9月から2027年2月に延期
- 停止されていたDSAキャンペーンの新規作成が2026年6月15日に復活(2027年1月に再び不可)
- テストと自主移行の期間が2027年1月まで延長

詳細は本文中の追記 をご覧ください。

2026年4月15日、GoogleはDSA(ダイナミック検索広告)をAI Maxへ段階的に移行すると発表しました。

参考:Google’s Dynamic Search Ads are upgrading to AI Max 

移行は段階的に進められます。2026年4月から自主移行ツールの提供が始まっています。未移行キャンペーンの自動変換は当初2026年9月の予定でしたが、2026年6月の発表で2027年2月に延期されました(詳細は次の追記をご覧ください)。

移行の対象となるのは以下の3種類です。

  • DSA(ダイナミック検索広告)のキャンペーン
  • 自動作成アセット(ACA):Googleが広告文を自動生成する機能を有効にしているキャンペーン
  • キャンペーンレベルのインテントマッチ設定:キャンペーン全体のキーワードを一括でインテントマッチにしている設定

この記事では、AI Maxへの移行で何が変わるのか、確認しておきたいポイントを整理します。

【2026年6月追記】自動移行は2027年2月に延期、DSAの新規作成も一時復活

2026年6月11日、GoogleはDSAからAI Maxへの自動移行スケジュールの延期を発表しました。更新後のスケジュールは次のとおりです。

時期内容
2026年6月15日DSAキャンペーンの新規作成が復活
2026年6月〜2027年1月テストと自主移行の期間
2027年1月 DSAキャンペーンの新規作成が再び不可に
2027年2月未移行キャンペーンの自動移行が開始

あわせて、停止されていたDSAキャンペーンの新規作成が、2026年6月15日に復活します。新規作成は2027年1月に再び不可となり、2027年2月から未移行キャンペーンの自動移行が始まります。

Googleは延期の理由を、広告主が自身のスケジュールで移行を進められる柔軟性を確保するためと説明しています。自主移行の期間が延びたことで、既存DSAとAI Maxを「キャンペーンの試験運用」で比較検証する時間も確保しやすくなりました。

なお、移行ツールを使えば履歴レポートを保持したまま移行できます。学習期間による配信への影響も、最小限に抑えられるとされています。

参考:Dynamic Search Ads (DSA) Automigration Delayed to February 2027 and Campaign Creation Restored(Google Ads Developers Blog)

マッチングの起点が「LPの言葉」から「ユーザーの意図」へ

今回の移行で最も大きいのは、検索語句とのマッチング方法そのものが変わる点です。

DSAのマッチング

DSAでは、Googleがランディングページをクロールし、ページ上のテキストをもとにマッチングを行っていました。つまり、LPに書かれた言葉がマッチングの起点でした。広告運用者はLPのコンテンツを整備することで、ある程度マッチングの方向性をコントロールできたわけです。

AI Maxのマッチング

AI Maxでは、ユーザーの検索意図をGoogleのAIがリアルタイムに解釈します。起点がLPの言葉からユーザーの意図へと移ります。これにより、LP上に直接記載のない語句でもマッチングが発生する可能性が高まるでしょう。

マッチングの範囲が広がること自体はコンバージョン機会の拡大につながり得ます。一方で、意図しないクエリへの拡張も起こりやすくなるため、検索語句レポートの定期的な確認がこれまで以上に重要になってきます。

DSAとAI Maxのマッチングの仕組み

DSAとAI Maxの主な違いは以下の通りです。

DSAAI Max
マッチングの起点LP・コンテンツユーザーの検索意図
広告文見出しはLPから自動生成。説明文は登録アセットを使用AIが検索語句に合わせて動的に生成
LP誘導先設定したURLのみAIがサイト内の関連ページへ変更する場合あり
制御の単位URL・除外URLで指定ブランド・地域・テキストのルールで指定

「AI Max for Search」について、より詳しい解説はこちら

広告文とランディングページをAIが動的に変更する

AI Maxでは、マッチングだけでなく広告の出力面にもAIが介入します。具体的には「テキストカスタマイズ」と「最終URL拡張」の2つの機能が加わります。

テキストカスタマイズ

検索語句やランディングページの内容に応じて、広告文をAIが動的に生成する機能です。登録した広告文がそのまま表示されるとは限らない点を把握しておきましょう。

実際に試した運用者からは、「テキストガイドラインでNGワードを指定すれば意図しない表現は抑えられた。ただし制限しすぎると代り映えしないアセットしか生成されなかった」という声が上がっています。また、テキストカスタマイズだけではパフォーマンスが伸びにくく、最終URL拡張と組み合わせることで効果が出やすくなるとの報告もあります。

最終URL拡張

設定したURLに限らず、サイト内の関連性が高いページへAIが誘導先を変更する機能です。商品ページを指定していても、AIの判断でカテゴリページやブログ記事に着地する場合があり得ます。

実際に導入した事例では、複数のドメインやサブディレクトリに広告が配信されてしまうケースも報告されています。URLの除外設定(「ルール」でドメインやディレクトリごとに指定する方法が有効)を事前に準備しておくと対応がスムーズです。商品・コンテンツが豊富なサイトと相性が良く、単一LPに集約した商材では効果が出にくい傾向もあるようです。

Googleが公表しているデータによると、AI Maxの3機能(検索語句マッチング・テキストカスタマイズ・最終URL拡張)をすべて有効にした場合、検索語句マッチング単体と比較して同等のCPA・ROASを維持しながら平均7%のコンバージョン増加が見られたとのことです。ただし、このデータは小売業以外(non-Retail)のものである点には留意が必要でしょう。

コントロール手段も新しくなる

機能が拡張される一方で、AI Maxには制御のための仕組みも用意されています。2026年2月26日にグローバル展開されたコントロール機能は以下の通りです。

  • ブランドコントロール:意図しないブランド名の露出を防止
  • ロケーションコントロール:地域配信の制御
  • テキストガイドライン:語句除外(最大25個)とメッセージング制限(最大40個)

DSAで使っていた除外URLやターゲティングの設定とは異なる体系になるため、移行後に使える制御手段を事前に理解しておくとスムーズです。

Google広告管理画面 > キャンペーン設定 > テキストに関するガイドライン

ランディングページ制御はまだ発展途上

移行に際して、広告主から指摘されているのがランディングページの制御精度です。

DSAでは、URLパスやカテゴリ単位で配信先ページを細かく指定できました。たとえば「/products/shoes/」配下のページだけを対象にする、特定のURLルールで除外するといった運用が一般的でした。

一方、AI Maxの最終URL拡張では、こうしたURLルールの粒度が現時点では低いと複数の広告主から声が上がっています。デジタルマーケティングの専門家であるGabriele Benedetti氏もLinkedInでこの点を指摘し、議論を呼びました。

Googleはこのギャップを認めたうえで、次の対応を示しています。

  • 既存DSAキャンペーンのURL展開ルールはAI Maxへ引き継がれる
  • 今後、より細かなURL制御機能を追加予定

つまり、DSAで設定済みのルールが移行時に失われるわけではありません。ただし、AI Maxネイティブで同等の粒度を新規設定できるかという点では、まだ機能が追いついていない状況です。

ランディングページの出し分けが重要な案件、たとえばECの商品カテゴリごとにLPを分けている場合や、特定ページへの誘導を厳密に管理している場合は、移行後すぐに最終URL拡張をオンにせず、段階的にテストすることをおすすめします。

参考:AI Max vs. DSA: Advertisers question control as Google responds - Search Engine Land

デフォルト設定で変わるポイント

自動移行時のデフォルト設定には、確認しておきたい点が2つあります。

- テキストカスタマイズ(デフォルト:オン):移行後すぐにAIによる広告文の動的生成が始まります。意図しない表現が配信される可能性があります。

- 最終URL拡張(デフォルト:オン):設定したLP以外のURLへユーザーが誘導される場合があります。特定ページへの誘導を意図しているキャンペーンでは影響が出るかもしれません。

Googleは現在の設定をもとにAI Maxへ変換すると説明しています。しかし、DSAとAI Maxは仕組みが異なるため、完全に同じ状態が維持されるわけではありません。

Google広告管理画面 > キャンペーン設定 > AI最大化設定

移行後の設定を一つずつ確認する姿勢が大切です。

移行前に準備しておきたいこと

自主移行期間を有効に使うために、以下のステップを検討してみてください。

対象キャンペーンの棚卸し

まずはアカウント内のDSA・ACA・インテントマッチ設定を洗い出しましょう。対象が複数ある場合は優先順位をつけておくと、計画的に移行を進められます。

移行後の方針決定

テキストカスタマイズと最終URL拡張をオンのまま活用するのか、一旦オフにして段階的にテストするのかを事前に決めておくとよいでしょう。特に、広告文やLPの表現に厳密なルールがある案件では、オフから始める選択肢も検討に値します。

パフォーマンスのベースライン記録

移行前の主要指標(CPA・ROAS・コンバージョン数・検索語句の傾向など)を記録しておきましょう。移行後に変化があった際、比較の基準があることで素早い判断が可能になります。

コントロール機能の活用計画

ブランドコントロールやテキストガイドラインの設定内容をあらかじめ検討しておくと、移行直後から適切な制御を効かせられます。語句除外は最大25個、メッセージング制限は最大40個という上限も踏まえて、優先度の高い設定から整理しておくのがおすすめです。

社内の運用事例では、指名キャンペーンにAI Maxを導入したところ、クリック率が18%から26%に改善し、売上が大幅に伸長したケースも報告されています。一方で、初期の配信クエリが広がりすぎてROASが悪化した事例もありました。AI Maxの導入直後は、検索語句レポートをこまめに確認しながら除外キーワードを調整していく運用が効果的です。

まとめ

DSAからAI Maxへの移行は、マッチングの起点がLPの言葉からユーザーの意図へと変わる大きな転換点です。広告文やランディングページにもAIが動的に関与するようになり、運用の前提が変化します。

一方で、コントロール機能やテキストガイドラインなど、制御の手段も整備されています。自主移行期間(2027年1月まで)を活用し、対象キャンペーンの棚卸しと方針決定を進めておくことで、2027年2月以降の自動移行にも落ち着いて対応できるでしょう。変化の全体像を把握したうえで、自社のアカウントに合った移行計画を立てていきましょう。

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