取締役/Web事業部 部長 松浦 仁音 さま
Web事業部 係長 中川 侑菜 さま
「無臭」という価値を真摯に追求し続ける消臭剤メーカー、ハル・インダストリ。社会の変化に合わせてBtoBからBtoCへと大きく舵を切り、今や売上の7割をtoCが占めるまでに成長を遂げました。
その成長を支えた要因の一つに、クリエイティブの伝え方を根本から見直した取り組みがあります。これまでの歩みから動画クリエイティブによるブランド体験の構築まで、松浦さま・中川さまに伺いました。
このインタビューは、2026年2月に行われました。
聞き手:アナグラム株式会社
広告運用事業部 クルー 金子 俊子
広告運用事業部 クルー 荒木 陽菜
ご利用サービス: 動画広告運用 , Facebook広告運用 , Instagram広告運用代行 , SNS広告・動画プラットフォームの広告運用 , クリエイティブ制作支援
無臭という価値をどう届けるか。クリエイティブの壁と専属デザイナー体制への転換
当時、クリエイティブ面ではどのような課題を感じていましたか?
松浦さま:当時は、今と比べるとクリエイティブ制作にそこまで力を入れていませんでした。広告運用自体は行っていたものの、検索広告や静止画バナーが中心で、クリエイティブのバリエーションや表現の幅は限られていたと思います。
もう一つの課題は、「無臭」という価値をWeb広告でどう伝えるかです。私たちの消臭剤は一般的な香りのあるタイプではなく、「無臭」であることが特徴なので、実際に使ってみないと良さが伝わりにくいんですよね。ニオイ自体、広告やWeb上では表現が難しく、どう伝えていくかはずっと悩んでいました。
中川さま:当時はお試しセットを入り口にした販売が中心で、それ以外の商品をどう訴求するかも課題でした。お試しセットに入っていない商品は、使い方や特徴が伝わりにくく、広告では紹介しづらかったんです。
それから、社内だけでクリエイティブを考えると、どうしても自分たちの中で当たり前になっている情報を前提にしてしまいがちで。伝えたいことを詰め込みすぎたり、逆に説明が足りなかったり、客観的に整理する難しさも感じていました。
松浦さま:そうですね。商品の価値や使い方をどう分かりやすく伝えるか。お試しセット以外の商品も含めて、幅広く魅力を届けるためにはどうすればいいかが当時の大きなテーマでした。
もともとはコンサルタントが制作したり、必要に応じてデザイナーをアサインする形でしたよね。ただ、都度のアサインだとクリエイティブの改善がどうしても単発になりがちでした。
商品理解を深めながら継続的にPDCAを回せるよう、専属デザイナーのアサインをご提案したのですが、実際に取り組んでみていかがでしたか?
松浦さま:一番強く感じたのは、広告運用とクリエイティブが別々ではなく、同じ方向を見ながら改善を進めていける心強さでした。
専属のデザイナーがつくことで、これまでとは進め方も変わりますよね。体制を変えること自体に迷いはありませんでしたか?
松浦さま:正直、迷いはありました。体制を変えたからといって必ず成果が出るとは限らないので。ただ、実際に進めていく中で、商品を深く理解した上で質の高いクリエイティブを作り続けられる体制には、それだけの価値があると感じました。

工場見学動画でCPA 27%改善。前年の購入件数を動画だけで超えた手応え
専属デザイナーの体制が整い、この1年で動画広告へのチャレンジが増えました。商品の特徴だけでなく、ものづくりの背景やストーリーも含めて伝えるために、工場見学の動画を制作しましたが、成果はいかがでしたか?
松浦さま:かなり手応えを感じています。前年の広告による合計購入件数を、工場見学の動画だけで上回ることができました。全体としても購入CPAが27%改善し、件数を増やしながらCPAも下がりました。大きな成果だったと思います。
工場見学の動画では、商品がどのように作られているのか、製造現場の様子を見てもらえます。それが商品やブランドへの信頼感につながったのではないかと感じています。
中川さま:これまでは商品の特徴や機能を説明するクリエイティブが中心でしたが、動画にしたことで背景やストーリーまで含めて伝えられるようになりました。それがユーザーの反応にもつながったのではないかと思います。
動画では実際に製造に関わっている従業員にも登場してもらい、この消臭剤が生まれた背景や想いを語ってもらいました。日頃から商品づくりに向き合っている人の言葉だからこそ、こだわりがリアルに伝わって、共感にもつながっているのではないでしょうか。
▲実際の製造担当者が商品への想いを語る様子を動画広告に
これまではお試しセットの訴求が中心でしたが、消臭スプレーなど単品商品の動画も制作しました。そちらの反応はいかがでしたか?
中川さま:動画を作るようになってからは、商品単体の魅力も伝えやすくなったと感じています。たとえば、消臭ドライスプレーの単品動画は反応がよく、昨年対比で出荷量も150%になりました。
動画なら実際の使用シーンをそのまま伝えられるので、「こうやって使うんだ」とイメージしてもらいやすくなり、購入のハードルが下がったのだと思います。その結果、お試しセットだけでなく、単品から購入してもらえるケースも増えてきました。
単品での購入が増えても、お一人あたりの購入金額は下がっていません。動画で商品の良さを知ってもらえているからこそ、他の商品もあわせて買っていただけているのだと思います。
▲消臭ドライスプレーの動画
運用と制作が同じ方向を向ける体制で変わったこと
撮影にもご協力いただきましたよね。準備や対応にも手間がかかったかと思いますが、「やってみよう」と思えたのはなぜですか?
松浦さま:一言で言うと、ワクワクしたからです。それまではバナーやカルーセルが中心で、表現の幅はどうしても限られていました。動画に挑戦すれば伝え方の選択肢が広がって、成果にもつながるんじゃないかという期待がありましたね。

社内制作や外注の選択肢もある中で、弊社と進める体制にはどんな特徴があると感じますか?
松浦さま:クオリティはもちろんですが、一番大きいのは広告運用の知見と制作が連動している点です。広告の運用とクリエイティブを同じ視点で考えながら進められるので、自分たちだけでは気づけない視点も提案に入ってきます。
中川さま:自社だけでクリエイティブを考えていると、「社内では当たり前」の前提で考えてしまうことがあります。第三者が入ることで、その前提を整理しながら考えられる点は大きいですね。
実は、アナグラムさんとしかお付き合いがなかった頃は、この距離感やサポートの手厚さが「普通」なんだろうと思っていたんです。でも最近は外部の方とお話しする機会も増えてきて、「かなり手厚い体制だったんだな」と改めて気づきました。
無臭の消臭剤は他にあまりない商品なので、良さを理解してもらうまでに時間がかかりがちです。その前提を共有できている状態で、次々とクリエイティブが出てくるのは助かっています。
松浦さま:成功パターンを作って、PDCAでどんどん回していける。今の状態は、私たちが求めていた形にかなり近づいていると思います。撮影などの取り組みが増えたことでコミュニケーションも自然と深まり、運用とクリエイティブの両軸で相乗効果が出てきている実感があります。一気通貫で取り組みを広げていくプロセス自体が、今はとても楽しいです。

最後に、今後チャレンジしたいことを教えてください。
松浦さま: とにかくアクティブに展開していきたいですね。漫画クリエイティブやエンタメ要素のある企画にもチャレンジしながら、成功パターンを見つけていきたい。まず動く、という姿勢は今後も大事にしていきます。
あとは、BtoB向けの動画戦略の強化です。たとえばホテルの禁煙室での消臭対策など、法人ならではの課題を動画でどう伝えていくか。アナグラムさんとなら、きっと面白い形にできると思っています。
これからの展開がとても楽しみです。今の成果をしっかり積み重ねながら、新しい施策もどんどんご一緒させてください。
- Voice Of AdOps担当者の声
-
ハル・インダストリ様との取り組みを通じて実感したのは、「使ってみないと良さがわからない」商品ほど、伝え方を変えるだけで成果が大きく動くということです。
最初から動画がうまくいったわけではありません。商品を理解し、何をどう見せれば届くのかを一緒に考え、試し、振り返る。その繰り返しの中で当たり動画が生まれました。
その中で特にこだわったのが、商品の背景や作り手の視点まで含めて伝えることです。スペックだけでは伝わりにくい信頼感や納得感を補うこと。そして、商品の使用シーンや効果の見せ方・伝え方を組み合わせることで「使ってみたい」という気持ちを引き出しやすくなります。
ハル・インダストリさまが「まずやってみよう」と踏み出してくださったからこそ、これらの成果があります。広告の成果が頭打ちになっているとき、運用の調整だけでなくクリエイティブの伝え方から見直すことで突破口が見つかるケースは少なくありません。もし同じような課題を感じていらっしゃれば、ぜひ一度ご相談ください。


