「良い仕事をするために、腹を決める。」アナグラムが大切にする "挙手制" のリアルとは?
「自分でやりたいと言った仕事じゃないし……」
任された仕事で成果が出なかったときに、こんな言い訳をした経験はありませんか?

アナグラムが10年ほど続けてきた「挙手制」は、まさにこの"自分でやると腹を決める"ことを大切にする制度です。

今回は、実際に挙手制のもと新しいチャレンジを続けてきた代表の小山に、この制度のリアルを伺いました。

挙手制の本質は「良い仕事をするために腹を決める」こと

ーーーアナグラムの「挙手制」、実際どのように運用しているのですか?

この制度が始まった当初は社員数も少なかったので、新規案件のお問い合わせが流れてくるチャットにおいて、「自分が対応したいです」と手を挙げるスタイルでした。

現在は120名を超える組織になっているため、問い合わせの一次対応はある程度ランダムに振り分けています。ただ、今でも自分のなかで特別興味や熱意がある案件があれば、割り振られた問い合わせ以外にも一次対応から同席することは可能です。

年月を経るなかでスタイルは多少変われど、挙手制の本質は変わっていませんね。

ーーー「挙手制の本質」とは何なのでしょうか?

良い仕事をするために、仕事を受けるかどうか「自分で腹を決める」ということです。

「やりたい仕事だけをやる」というわけではなく、その仕事の面白さ・やりがいなどを理解し、必要ならば自身のリソースも調整したうえで「よし、引き受けよう」と腹を決める。このプロセスを辿ることで、その案件で成果を出せるかどうかが変わると思っています。

やらされ仕事というのは、上手くいかなくなったときにどうしても言い訳が出てきてしまうんですよね。「自分がやりたいと言ったわけではないし……」「そもそも忙しくて無理だった」など、失敗を”仕方のないこと”だと捉えてしまいがちです。

逆に、自分でやると決めたことであれば、「自分がオーナーシップをもって取り組まなければならない」と臨場感をもつことができます。だからこそ、良い仕事につながるんです。

たとえ一時的に失敗したとしても、自分で手を挙げたことであれば、「引き受けなければよかった」と後悔するのではなく、その失敗を糧に立ち上がることもできます。自分で意思決定して、臨場感ある失敗を積み重ねたメンバーは成長スピードも速いです。

 

ーーー臨場感をもって取り組むことが重要なんですね。とはいえ実際のところ、腹が決まらず挙手に尻込みしてしまうケースはないのでしょうか?

もちろん、入社したばかりのメンバーだと、どの仕事が自分にとって適切なのか判断がつかず、尻込みしてしまうケースはあると思います。

また、ある程度経験を積んだからこそ、「失敗したくない」「やったことがあって安心して取り組める仕事を引き受けたい」と思ってしまうケースもあります。

だからこそ、挙手制という制度は、上長側が「この仕事はこういう面白さがあって、このタイミングで引き受けるとよいのではないか」とプレゼンすることとセットで成り立っていますね。

挙手制・逆ピラミッド・売上目標なし。独自の仕組みを持つアナグラムで、マネジメント層に求められる能力とは?

ーーー目先のことだけではなく、中長期的なキャリアを見据えて挙手をしてもらうんですね。

はい。もちろん、子育てや介護などさまざまな事情で新しいチャレンジをしにくいタイミングはあると思いますが、チャレンジできる状況の人には、積極的に手を挙げてほしいなと思っています。

「とにかく挙手をする」ことから見えてくる世界

ーーー小山さんご自身はこれまでどのように挙手制を活用してきたのでしょうか?

入社してから数年は、問い合わせがきたら全部対応する勢いで手を挙げていました。もちろん、会社の規模もいまより小さく、20代で体力も時間もあるタイミングだったというのもありますが、振り返るとやってよかったと思いますね。

新規提案というのは、他社と直接比較されて受注・失注というフィードバックを得られる場なので、自分の提案が響いたのかどうかが如実にわかります。力をつけるのにはこれ以上ない場でした。

勝負所で最高の提案をするためにも、さまざまな問い合わせに顔を出し、とにかく量をこなす時期もあっていいと思います。僕も、30社くらい経験してようやく、先方から喜んでいただけるような提案ができるようになった感覚があるので。

ーーー率直に、忙しくなかったんですか……?

「もうこれ以上は引き受けられないんじゃないか?」と思ったことはありました。でも、実際引き受けてしまえばなんとかなったんですよね。キャパシティを超えそうになると、業務効率化について真剣に考えるようになりますし、新しく入ってきたメンバーに案件を引き継いだりもできるので。

会社に所属している限りは周りのフォローを受けることができるので、そのメリットは存分に享受して、踏めるリスクは踏むといいんじゃないでしょうか。

現状のリソースをもとに引き受けられる仕事を考える、という順番ではなく、受けたい仕事を受けるにはどう調整したらいいか?という視点で考えると、自分のキャリアを自分で舵取りできるようになる気がします。

挙手によって仕事の領域も広げられる

ーーー挙手制という制度のもとでは、会社をある意味「活用」しつつ、自分自身でキャリアの舵を取る感覚がつかめるんですね。

はい、自分で主体的に動きたいタイプには向いている制度だと思います。

アナグラムでは「自分で決める」ことを大事にしているので、案件を引き受けるタイミングだけではなく、「どうやって成果を出すか」という部分においてもどんどんチャレンジできる環境です。

アナグラムのマネジメントの前提は「逆ピラミッド」なので、日々クライアントとやり取りをし、管理画面を見ている現場のメンバーが最終的な意思決定を行います。

論理と倫理が合っていればGOという原則(※)で、これは仕事の領域を広げていく際にも適応されます。

※ある施策などを行う際に、ロジックが通っており、倫理的な観点においても問題がないのであれば、どんどんチャレンジしようという考え。この最低限の判断基準を共有することで、現場での柔軟かつ迅速な意思決定を可能にしています。

ーーー仕事の領域を広げるとは、どのようなイメージでしょうか?

クライアントと話しているなかで出てきた課題だったり、世の中の動向を見ていて必要だと感じた仕事を、「提供サービス外だから」と無視するのではなく、実際に手を挙げてやってみるというイメージです。

『両利きの経営』(チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン著)という本には、探索と深化の両軸がないと企業は衰退していくと書かれていますが、まさにその通りだと思います。

今やアナグラムではデザイナーとコンサルタントが協業しながら案件に取り組むことが当たり前になっていますが、ひと昔前まではデザイナーが1人もいなかったんです。Meta広告(当時のFacebook広告)が出てきて、デザイン領域を強化しないといけないとなり、現場主導で領域を広げていったんですよね。

このように、運用型広告の領域でさまざまな経験を積むだけではなく、それに付随する機能にも、どんどん挙手してチャレンジできるので、キャリアの広がりもあると感じます。

ーーーなるほど。支援の領域といった部分にまで、現場に大きな裁量があるんですね。

はい。もちろん運用型広告の領域でプロフェッショナルであることは大前提ではありますが、それ以外にもアナグラムが介在することでクライアントの成果につながるのであれば、現場主導でどんどんチャレンジしていってほしいと思っています。

「挙手制」「逆ピラミッド」などの仕組みで担保された裁量によって、年齢や経験によらず意欲があれば色々と取り組める環境が整っていますし、経験豊富な周りのメンバーのフォローを受けることも可能です。もちろん、働きに応じてしっかりと給与に反映させていきたいとも思っています。

運用型広告エキスパートの給与水準を引き上げました

受け身の仕事にモヤモヤしていたり、主体的にキャリアを切り開いていきたいと感じている方に応募いただけるとうれしいですね。