アウトプットだけで評価されがちなデザイナーが、信頼関係を築くために意識している5つの工夫

アウトプットだけで評価されがちなデザイナーが、信頼関係を築くために意識している5つの工夫

どうも、“ぺん”と申します。

もちろん本名じゃありませんよ! 僕の本名は「佐藤」なんですが、社内外にも「佐藤」という苗字が大勢います。そうなると「佐藤さん」と呼ばれても自分のことかどうか分からない…。

だったらあだ名文化を広めて、周りの人との心の距離を少しでも縮められないかな?と思い、仕事でも"ぺん"と名乗るようになりました。由来については本文で明かしますね。

初対面の打ち合わせでこのあだ名を名乗ると、ほぼ必ず「なんでぺんなんですか?」と聞かれます。その瞬間ちょっと空気がほぐれて、自然と笑いが生まれるんです。実はこれ、僕にとって信頼関係を築く最初の一歩だったりします。

デザイナーって成果物=アウトプットだけで評価されがちなんですが、「この人にまたお願いしたい」と思ってもらえるかどうかは、結局“人との関係性”で決まると感じています。

今回は、そんな僕が普段から意識している「信頼を積み重ねるための5つの工夫」をまとめてみました。


話しやすい空気を意識する

初対面の場で私がまず意識しているのは、言葉の選び方やトーン、そして「聞く姿勢」です。

たとえば、話し方を少し柔らかくしてみたり、相手の話にうなずいたり、雑談ができる余白をつくったり……そうした小さな積み重ねが、「話しやすいな」と感じてもらえる空気づくりにつながると思っています。

印象に残っているのが、あるクライアントさんとの初回打ち合わせでの出来事です。

私が社内で「ぺんさん」と呼ばれているのを聞いたクライアントさんから、「なんで“ぺん”なんですか?」と質問され、「ぺんぎんが好きで、幼稚園の頃から呼ばれているんです」と答えたところ、一気に場の空気が和らいだのを覚えています。

もちろん、距離感が近い=信頼されているとは限りません。でも、「この人とは話しやすい」「相談しやすいかも」と感じてもらえることが、信頼関係を築く最初の一歩になるんじゃないかなと思っています。

実際に、「ぺんさん、ちょっと聞いてくださいよ。実は今こんなことを考えていて…」という何気ない一言から、思いがけない本音が聞けたり、深い課題に気づけたりしたこともありました。

信頼とは、成果で示すことももちろん大事です。でも、それだけでなく、「気軽に話しかけられる雰囲気」や「困ったときに頼りやすい存在であること」も、長く信頼されるためには欠かせない要素です。

相手が不安な時間を少なくする

やりとりの中で私が意識しているのは、「一次返信の早さ」です。

チャットでの一次返信は、たとえすぐに回答できない内容であっても「〇日の〇時までに確認しますね」と一言でも返すようにしています。

返信がない時間が長くなると、相手は「ちゃんと届いているかな?」「気づいてくれてるかな?」と、小さな不安を抱えたまま時間を過ごすことになってしまうからです。

ファーストリアクションの早さは、「この人はちゃんと受け取ってくれている」「気にかけてくれている」と感じてもらえるきっかけになります。

<伝え方の例>
「まずは案件Aを〇日までに対応します。終わり次第案件Bの対応をさせて頂きます。納期は〇日になりますがいかがでしょうか?」

言いにくいことも誠実に伝える

課題や不明点があるときは、包み隠さず正直に伝えるようにしています。「これは現状できないです」「やらない方が良いと思います」と言うのは勇気がいりますが、根拠や代替案を添えて伝えれば、むしろ「この人に任せて大丈夫だ」と思ってもらえることが多いと感じます。

<伝え方の例>
クライアントから「商品の特徴をできる限り多くバナー内に入れたい」という要望があった場合:

「要素をすべて1枚に詰め込んでしまうと、どうしても視認性が下がってしまい、どの情報が一番重要なのか伝わりにくくなる懸念があります。特にSNS広告では表示時間が非常に短いため、まずはひとつの強みを絞ってしっかり届ける方が効果的だと考えています。

残りの魅力はLPやカルーセル形式で段階的に伝えていく形にできればと思いますが、いかがでしょうか?」

闇雲にお断りするのではなく、このようにYESの判断をできない理由と、代わりの改善案を添えることが、依頼主との信頼関係を築く上でとても大切です。

情報収集と仮説で提案に根拠を

アウトプットでもっとも意識しているのは、「提案の根拠」を明確にすることです。

特に、これまでにやったことがない施策や、少しチャレンジングな提案をする場合は、「なぜそう考えたのか」「どうしてそれが効果的だと思ったのか」を丁寧に伝えるようにしています。

たとえば、過去に成果が出なかったYouTube広告の再提案をしたとき。ただ「もう一度やってみましょう」ではなく、前回の構成やデータを振り返って、「なぜ響かなかったのか?」という仮説を立てたうえで、新しい提案を行いました。

根拠の薄い提案:
「YouTube動画広告を再度やってみませんか?貴社の商材に近い競合他社も実施しているので、効果があると思います」

根拠のある提案:
「前回は冒頭の訴求が限定的で、視聴者の興味を引ききれなかった可能性があります。
今回は、アンケート結果や口コミをもとに、関心を引きやすい切り口を複数用意しました。
また、テレビの通販番組のような構成に寄せることで、親しみやすさを感じてもらえるようにしています。実際に、他社でもこのような構成で成果が出た事例があります。」

提案にあたって、以下のようなデータをもとに分析しています。

総務省などから発信されている定量データ:市場のボリュームからセグメント分析をする場合に有効。
競合と比較した際の優位点:事業のポジショニングの見直しを行う場合に有効。
ヒアリングで得た情報:会社や依頼者の実情を加味して、施策の優先度を検討する場合に有効。
各種アンケート、SNS、通販サイトなどの口コミ:消費者のインサイトを正確に把握した上で施策を練る場合に有効。

感覚や思いつきではなく、「どんな情報をもとに、どう考えたか」をきちんと示すことで、相手も納得しやすくなります。

成果の振り返りで次の信頼につなげる

もうひとつ意識しているのは、「提案が通ったから終わり」ではなく、しっかり成果を振り返り、次のアクションまで見据えることです。

たとえば、あるYouTube動画広告の案件では、1本目の配信から成果が大きく伸びました。
でも、そこで満足せずに

  • 冒頭パターンを変えてみる
  • 演者を変えてみる
  • 台本の構成を再設計する
  • 映像表現をアレンジする

といった工夫を何度も重ねていくことで、効果をさらに伸ばすことができました。
最初は「うまくいくかわからない」と半信半疑だったクライアントにも、 「次はどんな表現にしますか?」と声をかけてもらえるようになり、提案の幅も広がっていきました。

「成果が良かったから終わり」ではなく、「次にどう活かすか」まで考えること。その積み重ねが、「この人なら安心して任せられる」という信頼につながっていくのではないでしょうか。

広告クリエイティブにおけるPDCAの回し方は以下の記事で詳しく紹介しています。

まとめ

信頼関係というのは、一回の成果や言葉だけで築けるものではありません。
むしろ、日々のちょっとしたやりとりや、丁寧な姿勢の積み重ねがあってこそ、 チャレンジングな提案や不測の事態にも一緒に向き合える関係性が育っていくのだと思います。

私自身、コミュニケーションを見直したことで、クライアントや社内メンバーから「佐藤さんにお任せしてよかった」「またお願いしたい」と指名でお仕事をいただける機会も増えてきました。

私自身、コミュニケーションを見直したことで、クライアントや社内メンバーから「佐藤さんにお任せしてよかった」「またお願いしたい」と指名でお仕事をいただける機会も増えてきました。

制作した動画広告に出演いただいた役者さんからのDM。

小さな行動を少し意識するだけで、アウトプット以外の部分でも「またお願いしたい」と思ってもらえる関係性を築くことはできるはずです。ぜひ、実践できるものから取り入れてみてくださいね。

小さな行動を少し意識するだけで、アウトプット以外の部分でも「またお願いしたい」と思ってもらえる関係性を築くことはできるはずです。ぜひ、実践できるものから取り入れてみてくださいね。

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