株式会社Voyagin(Voyagin)
話し手:Voyagin
高橋理志さま 福本拓馬さま

ここ数年で、街を歩いている外国人観光客の方が段々増えていっているように思います。実際に、訪日外国人の数は伸びており、2015年約1,974万人から2016年は約2,403万人と前年と比較すると21,8%伸びています。(出典:日本政府観光局(JNTO) 国籍/月別 訪日外客数(2013年~2017年)より)

今回お話を聞かせていただいたのは、外国人観光客の方が日本に遊びに来た時のオプショナルツアー(現地ツアー)を提供されている株式会社Voyaginの高橋様、福本様です。日本に来ている外国人の方や、日本に旅行で訪れようとしている外国人の方に、Voyagin様の魅力的なオプショナルツアーを知ってもらい・参加する人を増やすため、アナグラムがお手伝いさせていただきました。

このインタビューは2017年3月に行われました。

聞き手:アナグラム株式会社
ヤン・フーゲンディック
竹内まさる
古田のどか(筆者)

ご利用サービス: リスティング広告運用代行

貴社サービスについて

古田:まずは、貴社のサービス内容を聞かせてください。

福本:外国人の方が日本に旅行しに来た際に必要になってくる、レストランの予約やアクティビティーの予約をサイト上で簡単に出来るサービスの運営をしています。時期によって変動はありますが、1ヶ月に8,000件ほどの申し込みをいただいております。利用いただいているお客様は北米が多い傾向もあって、英語でのプロモーションが必須になってきます。

お取引のきっかけ

古田:お取引のきっかけはどのようなものだったのですか。

高橋:もともとは私が広告の運用をし始めたのですが、自分でやってみたことで「リスティング広告って結構いけるプロモーション方法だな」と感じました。そして、社内に担当者を入れて運用を任せていましたが、事業も拡大していく中でその担当者一人で回すにはボリュームが多く、難しくなってきている段階でした。ですので、事業拡大期の今はまずスピード感を持って仮説検証を繰り返し、安定フェーズに持っていきたいという思いがありました。あとは担当者一人だけで、かつ他の仕事も多くあったのと商品のボリュームも多く、全ての商品を含んだアカウントの構成を作るところまで手が回っていなかったんですよ。手が回っていない商品も多数ある中で、各商品リスティング広告でどれくらい集客のポテンシャルがあるのかを短期間でチャレンジしていきたいという気持ちから、外部委託しようと思いました。

古田:外部委託を検討された時に、どのように判断し、弊社を選んでいただけたのですか。

高橋:もともと担当者が、アナグラムさんを知っていたんですよ。その担当者が、以前お仕事で関わりがあったみたいですが、「仕事がしやすかった」と言っていたことと、料金体系もおかしくなく、明瞭だった点ですね。
あと今回お願いするにあたって1番気になっていたことが、将来的な構想で半年~1年でインハウスに戻すということを考えていたんですね。その構想もあって、お金をかけて外部委託した後に社内の資産として、その知見を残したいと思っていました。そのため、アカウント構成やチャレンジ施策の知見を残すことに同意していただける代理店さんが良いと思って決めました。他の代理店にも話を聞いたと思うのですが、いずれインハウスに戻したいという意向のところを同意してもらえるところはなかったかと思います。

課題感

古田:外部に委託しようと思ったときの課題と期待していたことはどんなことでしたか。

高橋:そうですね、課題としては、様々な商品がありボリュームあるため、一人ではまかないきれず注力商品にしか広告施策ができていなかったことですね。売れている商品中心だったので申込状況は悪くなかったのですが、それ以外の商品に広げられていないことがまだあるとずっと思っていました。ちょうどそのタイミングでツアー商品からレストラン予約やチケット販売など扱う商品ジャンルも増えていたので、それらの商品にもポテンシャルがあるのではないかと思い、幅を広げていきたかったです。

期待していたこととしては「商品のポテンシャルを確かめたいのと、スピード感持ってトライ&エラーを繰り返して成果を上げていく」ということでした。

取り組みの中で印象的だったこと

古田:実際にアナグラムとお取り組みを初めて印象的だったことはありますか?

福本:始まってからは、チャットやメールなどで迅速丁寧に対応していただいたのがすごく助かりました。あと、ある商品でどんどんCPAが下がっていったことがとても印象的でした。CPAが下がるだけでなく、申込数もどんどん上がっていきました。

高橋:加えて、毎週位の頻度でトライ施策を話してくれたことがとてもよかったです。提案が欲しいというわけではないですが、やってみたことないことや可能性があるのではないかということをどんどん話してくれてトライしていったことが印象強かったですね。結果的にうまくいかないものもあったのですが(笑)、トライをいっぱいすることを一緒にできて非常に助かりましたね。

トライしないと後悔するんですよ。本当は当たったかもしれないのにやれていないと結果がわからないままになってしまいますし、トライしてみて結果、当たらなかったとしても「当たらなかった」という事実が残ることが重要だと思っています。様々な方法を社内ではなく、運用に注力してやってもらうことで、知見の積み重ねができたと思っています。

古田:どのようなトライ&エラーがインパクトありましたか?

ヤン:商品はちょうど増えている時期だったのもあり、商品数が多かったのですが、商品に応じてユーザー層が変わるということと、それぞれユーザーニーズが違うという仮説を強く持っていました。
例えば、サブカルチャー系の訴求が良いものと、着物を来て街を歩けるツアーとでは、ターゲット層が変わってきますので、そのユーザーニーズを考えながら訴求を変えていき、テストをどんどん回していったことが、1番インパクトがありました。

高橋:今までは一人が担当していたので訴求のテストなども出来ていなかったですね。ユーザーニーズを考えて広告に反映するだけでこんなに違うものなのかと驚きました。あと、もちろん英語での集客だったので、いちいちネイティブチェックをしないと広告文が変更できなかったんですが、ヤンさんはネイティブチェック、必要ないですからね。広告文のPDCAが早かったです。

竹内:日本人から見た視点で考えた広告文と海外から日本に来た方が考えた広告文、どちらがユーザーニーズを考えられるかといったら、やはりヤンが適任だったと思います。ネイティブチェックもいらないことで工数もだいぶ削減できたと思います。

期待に答えられましたか?

古田:取り組みをさせていただき、期待には応えられていましたか?

高橋:そうですね、まず1ヶ月位かけてすべての商品のアカウント構成を考えていただき、テールワードも含めて検証できるような土台を作ってもらいました。とても速く・的確に作ってもらいましたね。

ヤン:初めの1ヶ月でその時にあった商品をアカウント構成に加えることができました。その後は運用しながらGoogleアナリティクスのデータを活用して、ニーズがありそうな商品のキーワードを厚くしていったり、新商品を追加していったりしました。最初は今まで掲載していなかった商品も広げて掲載をしていったので、掲載量は増えました。

高橋:広げてみてわかったのですが、やはり主要商品に申し込みが集中して、他商品は採算が合うもの合わないものが出てきました。「やっぱりそうだったか」と、仮説と一致していました。

ヤン:その後、主要商品を中心にユーザーニーズの深掘りをしていき検証を繰り返しつつ、まだ試したことのない施策をどんどん入れていって、Google アドワーズの動的リマーケティングの導入や、Bingリスティングの実施に挑戦したりしていきましたね。

高橋:まだ試したことないことをやっていただいたことで、主要商品の申込数がガンガン上がっていきました。仮説に対して検証をしていって、結果どうなったのかをスピーディーに回していただきました。

インハウスに戻してからの状況・得られた相乗効果は

古田:インハウスに戻してからの運用についてお聞きできればと思います。お手伝いさせてもらったことで、得られた相乗効果はありましたか。

福本:はい、ありましたね。2点あって、1つ目は、どこに優先的に取り組むべきなのかということが明らかになったということですね。いろいろなことを試していただいたことで、今は取り組みの優先順位付けが明確になって無駄なことをしなくてすむようになりました。
2点目は広告文も良い訴求見つけ出してくれたおかげで、それをもとに別の訴求や言い回しを考えていくことができているので時間のショートカットが出来ていると思います。

ヤン:インハウスに戻すときには、商品ごとに、「こうした方がいいです」「これに注意してみていってください」などのアドバイスをさせていただきました。担当者さんと打ち合わせをして、運用のポイントをお伝えして、トライ&エラーした資産を残せるように意識しました。

高橋:非常にわかりやすくスムーズに移行をフォローしてもらいました。現場の担当者もアカウントを見れば意図が理解できると言っていました。

最後に

古田:今回お取り組みさせていただいたことを通して、アナグラムに期待することについてお聞きできればと思います。

高橋:今後弊社が同じステージになるかはわかりませんが、スタートアップの拡大期で仕事は増えていく状況下にあっても、人は思うように増やせない時ってあると思うんですね。かつ、資金調達して事業拡大していくフェーズで効率よく知見を貯められて次へ活かすことができたので非常に助かりました。僕らと同じ状況にあるスタートアップの会社にはとても助かる存在だと思いますよ。あとは、ヤンさんいるので、グローバルに展開している企業さんでインハウス体制を作る段階でとてもマッチすると思いますよ。

竹内:とてもうれしいお言葉ありがとうございます。アナグラムでもそういった拡大フェーズのクライアントさんを担当させていただくことも多くあって、相性は良いと自負しています。今後もその強みを活かしていきたいと思っています。

ヤン:各国のユーザーの多様化しているニーズにいち早く応えることが大きな課題だと感じました。
ありがたいことに、新しい挑戦にとても積極的な環境の中でリスティング広告の運用を任せていただけました。
こうやって常にユーザー目線で施策に取り組んでいた事が弊社がお役に立てた大きな理由だと思います。

高橋さん、福本さんお話ありがとうございました!