Crevo株式会社
社長室 室長 / マーケティング部 部長
田口 雄貴さま(写真左)

マーケティング部 Webマーケター
寺田 春子さま(写真右)

動画制作を事業の中心に、制作から実行支援を行っているCrevo株式会社。第1回目のインタビューから代表取締役社長の交代など、大きな社内体制の変化に伴い、アナグラムでご支援させていただいている広告運用も大きな方針転換を行いました。

広告運用データと商談データを連携し、提供サービスごとに問い合わせ状況がわかるようにROI(投資対効果)を可視化したアカウントの再構築をご支援させて頂いた前回。その後、広告経由でのリード数を増やすことに成功した一方で、事業全体の売上が獲得したリード数の増加と連動しない課題に直面しました。その原因を調べると、獲得したリードの質の低下という1つの仮説が生まれました。BtoBマーケティングでしばしば課題になるリード「数」だけではなく「質」を高めるための弊社とのお取り組みについてお話しをお伺いします。

株式会社インタビューは、2023年11月に行われました。

聞き手:アナグラム株式会社
嵯峨山 一輝(執筆者)
籭 智公

ご利用サービス: リスティング広告運用代行

改めて、Crevoさまについて教えて下さい。

田口:Crevoを一言で表すと「企業成長を動画で支援する会社」です。昨年まではクリエイターマッチングプラットフォーム「VideoWorks」の運営をしておりましたが、2023年6月に事業譲渡し、現在は動画・映像制作プロダクションにリソースを集中しています。2,000社・10,000件以上の動画制作の実績から得たノウハウを活かし、動画を軸に採用課題を解決する「母集団形成サービス」や、商談受注率を向上させる「営業動画DXパッケージ」など、専門性の高いサービスも提供しています。

田口さんや寺田さんが普段どのようなお仕事をされているのかを教えて下さい。

田口:部門責任者として、マーケティング戦略の策定から組織マネジメントなどを行い、事業や部門として最終的な目標を達成するために必要なことは何か?ということと向き合っています。
また私の場合は、社長室 室長も兼務しておりますので、そちらでは経営課題や事業課題の解決に取り組んでいます。

寺田:Crevoのマーケティング業務全般に関わっています。
アナグラムさんとの広告運用だけでなく、リード獲得媒体の運用や展示会運営、SEOやオウンドメディアの運用、MA/メルマガの企画・運用、SalesForceの管理など、いわゆるBtoBマーケティングで求められる業務全てを見ています。

社内体制の大幅変更・第2創業期に向けた、リードの「質」を高めるKPIの再設定

「VideoWorks」の事業譲渡に加え、代表取締役社長の交代など、社内体制の大きな変化があったとお伺いしました。

田口:2023年4月に代表取締役社長が交代し、第2創業期としてさらなる飛躍に向けた準備にこれまで取り組んできました。

マーケティングチームも体制変更に伴い、1人あたりのマーケティング施策で携わる範囲も広がりました。そのため、目の前のリード数を増やすだけではなく、今まで以上に事業全体を把握をしたマーケティングをアナグラムさんとご一緒できればと考えていました。

第2創業期として新たに感じた課題があれば具体的にお伺いしたいです。

寺田:アナグラムさんとのこれまでの取り組みを通じて、広告運用のデータと営業データの成果を結びつけるデータ整備や、LPなどのクリエイティブ含めた広告運用の改善を行い、リード数増加につなげることができました。リード獲得と商談データの紐づけができたことで、提供するサービスごとに商談化率だけではなく、受注率を基にROIを軸にした広告運用のおかげで、マーケティングチームの目標である費用対効果を合わせたリード獲得数の目標も達成することができました。

しかし、マーケティングチームで獲得したリードから商談を行う営業チームの目標が未達のままだったことに違和感を感じました。その要因を調べると、獲得したリードの商談単価の低さが要因の1つということがわかったんです。

そのため、マーケティングチームと営業チームで異なっていたKPIを廃止し、各チームで「商談化金額」「売上」を最大化するという共通のKPIとして制定し直しました。それに伴い、従来のリード数の最大化という「量」だけでなく、商談化金額というリードの「質」を意識したマーケティングをアナグラムさんに協力いただきながら進めました。

リードタイムや受注率を加味した中長期のロードマップ提案

お取り組みの中で特に印象に残ったことはありますか。

寺田:これまでの広告配信実績を振り返ると、制作する動画の用途ごとの商談化率や、1件あたりの獲得単価が配信している広告媒体ごとに大きく異なることがわかったんです。

たとえば、「テレビCM」や「タクシー広告」は他の広告媒体と比較するとCPAが高騰しがちで、リード獲得の費用対効果を合わせるのが難しい媒体でした。しかし、リード獲得後の商談・受注までをしっかりと計測することで、商談化や受注に関しても高く貢献している広告媒体であることがわかりました。

リードの「量」だけを見ていた従来のマーケティングでは、「テレビCM」や「タクシー広告」を対象とした広告配信を継続すべきかを費用対効果だけで考えると悩んでしまうところですが、アナグラムさんとの検証の結果、積極的に投資していくべき広告キーワードであることを自信を持って見極めることができました。

また採用領域では、これまでの実績傾向では1〜3月に掛けて、採用動画のご相談が増加しておりましたが、その前の10〜12月でも需要が高まっているのではないか?という仮説を元に、検索数の増加傾向などを分析し、10月から広告配信を行うなどの具体的な改善アクションに取り組むことができました。
弊社の繁忙期にあたる1〜3月での受注を積み上げるために、中長期目線での運用ロードマップをご提案いただいたことは強く印象として残っています。

田口:BtoBマーケティングの特性上、リード獲得から受注までのリードタイムも約3ヶ月ほどかかります。そのため、目先のリード獲得やCPAだけを見て、注力するサービスを決めるのではなく、アナグラムさんは毎回の定例会でも受注率やROIを考慮して注力すべき広告運用方針をご提案いただけるので、弊社の中でも十分に議論をした上で最終的な判断を下せています

運用代行の成果以外で弊社が役に立っていることはありますか?

寺田:リードの質を改善するためには運用改善のご提案だけではなく、広告の受け皿となるLPまでを対象にしたクリエイティブ改善のご提案をいただけたのは有り難かったです。

以前は全ての動画制作サービスのLPをサービスサイト1本に統一していたのですが、動画の用途毎に顧客の抱える課題も異なりますので、用途別にサービス訴求を見直し、短期間で約20本程度のLPの新規作成を一緒に進めていただきました。

田口:それ以外にも、商談化率の向上の施策として、従来のLPに配置していた「問い合わせ」と「資料ダウンロード」の導線を「問い合わせ」のみに変更し効果検証することで、商談化率の向上に成功しました。

「問い合わせ」が「資料ダウンロード」と比較して、商談化率が高いということは当たり前の事実ではありますが、KPIを大きく改善するためにはこのような効果検証が必要不可欠でした。マーケティングの定石からするとあり得ないような話ですが、LP経由のCV件数を欠損させることなく、問い合わせ件数だけを想定よりも大きく伸ばすことに成功した取り組みでもありました。リスクがある効果検証でもあったため、アナグラムさんとご相談しながら最小リスクで取り組みを進められたのは良かったかなと思います。

このように現状を疑いながら改善施策を一緒にご検討いただくことで、質の高いリードを獲得できるようになっただけでなく、広告経由のCPAは以前と比較して約40%削減でき、事業全体の売上増加にも貢献できました。

商談化率は30%から53%へ。チーム間の目線合わせにより事業売上への貢献度が向上

BtoB領域で運用代行を検討している他社さんに対して、アナグラムをオススメできる点があれば教えて下さい。

寺田:アナグラムさんに運用代行を依頼した前後で、運用型広告経由の商談化率も約30%→約53%までリードの「質」の引き上げに繋がっています。これにより、マーケティングチームはリード獲得だけでなく、社内の売上に関わる商談化金額の達成にも貢献できるようになりました。そのおかげで、今までよりも営業チームと同じ目線で仕事が進められるようになり、社内連携の強化にも繋がったと感じております。

田口:弊社が獲得したリード全体の約50%は広告経由です。そのため、アナグラムさんとのお取り組みを通じて、事業売上における広告経由のリード獲得の重要性を経営側ともすり合わせることができ、今期は広告予算をさらに大きくし、攻めのマーケティングに取り組めています

Crevoでは営業プロセスモデル「The Model」を採用していたのですが、部門毎の指標がバラバラになってしまい、当時の弊社の動きには合いませんでした。そのため、現在では部門指標の共通化を実施しています。その結果、アナグラムさん含めて皆んなが同じ目標を追えることができるようになり、部門間の協力体制もより強固なものに変えることができたように思えます。

最後に、今後アナグラムに期待することを教えてください。

寺田:まだ広告配信をできていない弊社の他の動画制作サービスもあるので、さらなるリード獲得や新たな訴求軸の検証を進めていきたいです。

田口:新しいプラットフォームの出現やショート動画の台頭など、コロナ禍以降は益々大きな変化を迎えている動画・映像業界に身を置く弊社の広告運用について、アナグラムさんにはそのような背景をご理解いただきながら柔軟に対応していただいてます。獲得するリードの量・質ともに向上させていきながらも、今後もマーケティングの上流から下流までトータルでご協力をいただけると心強いです。

Voice Of AdOps担当者の声

BtoBマーケティングは広告経由でリードを獲得して終わりではありません。獲得したリードを基に、営業の方が受注してはじめて売上に繋げることがでます。そのため、日々の広告運用は管理画面の運用調整だけではなく、ビジネス戦略から逆算した広告運用が必要になります。

Crevoさんとのお仕事を通じて、広告管理画面を越えた幅広いマーケティング視点を経験することができ、とても感謝しています。動画市場の変化に伴い、新たなサービス展開を行うCrevoさんのさらなる事業拡大をこれからもご一緒していければ幸いです。

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