TikTok広告の動画制作をサポートする「​TikTokクリエイティブエクスチェンジ(TTCX)」とは?利用方法や活用事例を紹介

TikTok広告の動画制作をサポートする「​TikTokクリエイティブエクスチェンジ(TTCX)」とは?利用方法や活用事例を紹介

TikTok広告は「動画クリエイティブを一度作って配信したら終わり!」ではなく、配信結果から仮説を立てて次のクリエイティブに活かしていくことが重要です。

しかし、自社で毎回動画の撮影から編集まで行うのは大変だし、制作会社はどのような基準で選べばわからない……と悩んでいる方もいらっしゃると思います。

そんな方におすすめなのが、TikTokを運営するByteDance社が提供している動画制作依頼プラットフォーム「​TikTokクリエイティブエクスチェンジ(TTCX)」です。

本記事では、TTCXの概要や利用手順、活用事例を紹介します。


TTCXとは

画像引用元:Creative Exchange

TTCXは、ByteDance社が認定した、クリエイティブパートナーへの制作依頼から広告配信まで一括管理できるプラットフォームです。

TikTokはトレンドの移り変わりが激しいので、ユーザーが今どんな動画を求めているかをキャッチアップして自社で1から制作するのはハードルが高い……という方もいるでしょう。TTCXを使えば、条件に合った制作会社をおすすめしてくれたり進行管理がツール内で完結するだけでなく、納品後には成果物の配信パフォーマンスも確認できます。「どんなクリエイティブが成果に繋がりやすいか傾向を掴みたい」という最初の一歩として、おすすめです。

TTCXでは制作したい動画の内容・品質に応じて4つの制作パッケージが用意されています。動画制作費は期間限定で無料(※)となっていますが、パッケージごとに最低配信出稿金額が決められているので、配信費用をある程度決めた上で利用を検討しましょう。

※2024年11月時点

パッケージ名新規動画制作(Net-new)既存動画制作(Remix )
StandardAdbancedStandardYokoTate
詳細スタンダードなUGC動画の制作スタンダードなUGC動画の制作(代理店向けパッケージ)既存動画から複数のバリエーションの動画を制作(動画カットの順序変更や、コピー変更など)既存動画を配信面に適した動画に加工(横型動画を縦型動画に変換など)
タレント2クリエイティブパートナーと協議の上決定--
特別サービス-クリエイティブパートナーと協議の上決定--
コンセプト2クリエイティブパートナーと協議の上決定51
動画本数4クリエイティブパートナーと協議の上決定51
修正コンセプト作成/動画制作につき各一回修正可能再撮影不可クリエイティブパートナーと協議の上決定各ステージにつき一回修正可能最大2回までのリビジョン
標準納期(営業日)20営業日20営業日10営業日15営業日
最低広告出稿金額(動画納品後30日間以内)¥1,000,000¥2,500,000¥250,000¥500,000

※上表の料金はすべてネット金額です。広告運用代行を依頼している場合の手数料やマージンは含みませんのでご注意ください。

パッケージは、新規動画を1から制作する「Net-New」と、既存動画を元に一部編集を行う「Remix」の大きく2つに分かれています。

「Net-New」は、動画内に登場させる人物モデルのアサインも可能となっており、自社でキャスティングのノウハウがない方におすすめです。一歩「Remix」は、既存動画から複数バリエーションの動画を制作したり、TikTokの配信面に最適化した動画を制作したい場合に向いています。

上記の4つのパッケージに加えて、追加サービスでパッケージをアップグレードが可能です。「TikTokで活躍しているクリエイターに動画を制作してもらう」「バリエーション動画を5本制作」などの内容を追加できます。

選んだプランに応じて追加できるパッケージが異なるので、注意しましょう。

追加パッケ最低出稿金額Net-newRemix
StandardAdvancedStandardYokoTate
フォロワー数が5,000~49,000人のTikTokクリエイターへのアップグレード¥250,000--
フォロワー数が50,000~199,000人のTikTokクリエイターへのアップグレード¥750,000--
フォロワー数が200,000~499,000人のTikTokクリエイターへのアップグレード¥1,750,000--
一般モデル動画の追加(1名、1コンセプト、2本の動画)¥500,000
フォロワー数が5,000~49,000人のTikTokクリエイターの新規動画¥500,000
フォロワー数が50,000~199,000人のTikTokクリエイターの新規動画¥1,000,000
フォロワー数が200,000~499,000人のTikTokクリエイターの新規動画¥2,000,000
バリエーション動画制作(既存動画から5本のバリエーション動画を制作)¥250,000
動画サイズ変更(横から縦、Pangleサイズ等、1本の動画)¥500,000
新規のインタラクティブなアドオン画像デザイン1点を作成(ディスプレイカード/エンドカードのみ)¥50,000--

※上表の料金はすべてネット金額です。広告運用代行を依頼している場合の手数料やマージンは含みませんのでご注意ください。

アサインするTikTokクリエイターのフォロワー数に応じて最低出稿金額も上がっていきますが、必ずしもフォロワー数が多い=成果につながるとは一概には言えません。広告の目的とふだんの投稿内容がマッチしたクリエイターであれば、フォロワー数が多くなくとも、充分な成果を得られる可能性があります。

クリエイターを起用する場合は、まずはフォロワー数が5,000~49,000人などのクリエイターに依頼して、最低出稿金額を抑えた状態でユーザーの反応をチェックしてみるのも一つの手です。

TTCXの利用手順

TTCXの専用管理画面で、動画制作の依頼から、制作した動画の配信パフォーマンスの確認まで行えます。実際に利用手順を見ていきましょう。

①管理画面にログイン

まずは、お使いのTikTok広告アカウントで​TikTokクリエイティブエクスチェンジのサイトにログインします。

 URL:https://ads.tiktok.com/creativeexchange/

②管理画面からプロジェクトを作成

赤枠箇所をクリックしプロジェクトを作成します。

③企業情報を入力

企業情報に関する各項目を入力します。

④クリエイティブのオファータイプを選択

クリエイティブのオファータイプを選択します。

クリエイター主導パッケージは動画制作において最低料金500万円からのパッケージとなり利用ハードルも高いため、基本的には動画コンテンツパッケージの利用がおすすめです。

⑤パッケージを選択

利用したいパッケージを選択しましょう。

必要に応じて追加パッケージも選択できます。

⑥プロジェクトの詳細を入力

制作したい動画の内容や自社の商品サービスのターゲット、アピールポイントなどを入力します。制作会社に魅力的な動画を制作してもらえるように、自社の商品、サービスに関する情報をしっかりと記載しておきましょう。

⑦コンテンツの詳細を入力

動画コンテンツの見せ方を「ストーリー」「商品に対するお客様の声」「画面録画」「プランニング中」「その他」から選択します。

※上図はコンテンツの詳細を選択した際に表示されるサンプル動画です。

まだ見せ方が決まっていない場合は、「プランニング」を選択しておきましょう。あとで制作パートナーへ相談して決めることができます。

動画内でモデルまたはクリエイターを登場させたい場合は「はい」を選択し、起用したいタレントの詳細を入力しておきます。

ここまですべて入力し終えて、申請ボタンを押したら申請完了です。

⑧制作会社の選定

申請が完了するとTTCXの画面にプロジェクトが立ち上がるので、制作会社の選定を進めていきます。

申請した条件で、動画を依頼できる制作会社が表示されます。

制作会社をクリックすると、会社の概要や過去の制作実績を閲覧できます。こちらの情報を元に今回制作する動画とフィットする制作会社を選定しましょう。

通常、制作会社を選定する場合は見積もりや納期なども検討材料の一つとなりますが、TTCXの場合は見積もり、納期はどの制作会社も共通です。そのため、実際のポートフォリオを見てピンとくる制作会社を選ぶのが良いでしょう。

制作会社が決まったら許可のボタンをクリックし、選定完了です。

プロジェクトを送信してから36時間以内に制作会社を選択しない場合、システムによって自動的に制作会社が割り当てられるため注意しましょう。

⑨プロジェクトを管理する

プロジェクト画面から、登録したプロジェクトが確認できます。

TTCXでは複数のクリエイティブ制作依頼を一気に申請することができ、こちらの画面でプロジェクトごとの進捗状況の管理が行えます。

プロジェクトを開くと、制作内容や進捗状況、納品後には成果物の配信パフォーマンスも確認可能です。

パフォーマンスを確認するために、TikTok広告マネージャーと同期しておきましょう。

TikTok広告マネージャーとの同期は、赤枠①の「アセットを同期」をクリックします。すると、赤枠②「広告マネージャアカウントを選択」のポップアップが表示されるので、対象のアカウントを選択し、同期をクリックすると完了します。

制作に関する相談やフィードバックはコメント機能から行います。納得のいくクリエイティブが制作できるように、しっかりコミュニケーションを取りながら進行しましょう。

複数人でプロジェクトを進行したいときは、「コラボレーターを招待」から協力者のメールアドレスを入力し、招待をすることができます。

TTCXの活用事例

『葬送のフリーレン』の番組宣伝にTTCXを活用しTikTok広告を配信

日本テレビは2023年秋に放送をスタートしたアニメ『葬送のフリーレン』の番組宣伝にTikTok広告の配信を行いました。

その際に、TikTok以外の媒体用に制作した既存動画と、TTCXを利用して制作した動画の2つをABテストしています。

配信メニューはアプリ起動直後に表示される予約型広告の「TopView」と、インプレッション、リーチ、フリークエンシーを予約できるインフィード型の動画広告「Reach & Frequency」の2つです。

元々横型の動画素材しかなかったため、既存動画をTikTokに適した動画へ作り変える「Remix」パッケージを活用しました。

動画の冒頭では主人公の顔をアップで表示し、主題歌を活用したテンポの良い構成に。元々1分の動画を15秒の尺まで短くすることで、TikTokに適した動画へと作り変えました。

配信結果は、業界平均と比較して「TopView」の完全視聴率が140%を超え、いいねやコメントが192%をマークするなど、高いパフォーマンスとなりました。

参考:日テレ『葬送のフリーレン』ヒットを支えたTikTok広告。テレビとTikTokの相性の良さを立証 | 【公式】TikTok for Business: TikTok広告

まとめ

TikTokはトレンドの移り変わりが激しく、「インパクトを出すこと」「飽きられないような仕掛けをすること」が他の広告媒体以上に重要だと感じます。

自社ですべて制作しようと思うとかなりハードルが高いですが、最低出稿金額をクリアするようであればTTCXの利用を検討してみてはいかがでしょうか。自社で制作する前に、まずは一度TTCXで制作した動画を配信してみて、どんなクリエイティブが成果に繋がりやすいか傾向を掴んで自社での制作やディレクションに活かすのもおすすめです。

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