
SNSで無意識に縦型動画を見続けてしまうことありませんか。また、クリエイターが投稿する等身大のクリエイティブを見て、つい商品を購入してしまった経験がある方も少なくないのではないでしょうか。
親しみやすく、自然なユーザー体験を提供する縦型動画は、ユーザーの関心を引き、商品やサービスの魅力を効果的に伝える手段として注目されています。
縦型動画広告を通じて、商品・サービスに興味を持ってもらうためには、「目を留めてもらい、続きをみたくなる」と感じてもらうための工夫が必要です。
本記事では、動画構成作成時のシーン選定に役立つ、縦型動画の効果的な見せ方とその具体例を紹介します。


目次
縦型動画広告の視聴を促すためのポイント
広告配信で目的を達成するためにはサービスのことを知ってもらうことが大前提です。そのため動画を最後まで見てもらえるように構成案を設計しましょう。
なかでも、シーン選定時に考えたいのは、「目を留めてもらい、続きが見たくなるようにできているか」です。これは言い換えると「きっかけ」と「視聴維持」になり、この二つの要素が揃うことで動画を最後まで視聴しやすくなります。
目を留めてもらうきっかけを作る
まず最初のハードルとなるのは動画を見始めてもらうことです。コンテンツが溢れるなかでいかに指を止めてもらえるきっかけを作れるか、シーンをイメージしましょう。
冒頭3秒で関心を持ってもらう
ユーザーは、数あるコンテンツの中から視聴を続けるかどうかを冒頭の2~3秒で判断する傾向にあります。そのため、動画を見てもらうためには、冒頭で興味を持ってもらうことが大事です。
例えば、ユーザーの共感が得られるメッセージや意外性のあるメッセージを入れたり、インパクトのあるシーンを展開すると効果的です。
「自分に関係のありそうなメッセージだ」と感じてもらえるようにする
縦型動画広告の特徴は、ユーザーに「自分に向けられたメッセージ」として受け取られやすい点にあります。
例えば、冒頭で「○○な方必見」と、ターゲット層を明確に示すことや、ターゲット像に近いイメージの人物を登場させたり、クリエイターがユーザーに語りかけるような演出ができると効果的です。
また、縦型動画広告では、作り込まれたきれいな映像より、ユーザーが撮った動画のようなテイストのほうが親近感があり好まれる傾向があります。SNSのオーガニックの投稿はユーザーがスマホで撮った動画を投稿しているので、そのイメージに近いと自然に見ることができる縦型動画広告になるでしょう。
続きが気になるシーンを作る
動画を見始めるきっかけを作ったあとは、視聴を続けてもらうシーンを考えましょう。ユーザーはつまらないと感じてしまうと別のコンテンツに移ってしまうため、興味を維持しつつ集中して見ることができるよう気をつけたいです。
こまめにシーンを変えて飽きさせない
同じ映像が続くと見飽きてしまうため、3秒ほどを目安に別のシーンに差し替えましょう。
特に若年層では普段から動画を早送りで視聴するユーザーも多く、早めのテンポ感に慣れているため、シーン展開がゆっくり過ぎるとスキップする可能性も高まります。ただし、世代によっても視聴しやすさは異なるためターゲットに合わせた配慮が必要です。
わかりやすく簡潔にテロップを入れる
ユーザーに動画の内容を理解してもらうためにテロップを活用しましょう。音声をオフにしてナレーションがない状態で動画を視聴しているユーザーにも、テロップがあることで動画の内容が伝わります。
特に縦型動画はシーンの切り替えが早いので、すぐに理解できるように短い文章でシンプルに伝えることが大切です。テロップは大きさや各媒体のセーフゾーンに注意しながら、目に入りやすい画面の中心付近に配置しましょう。
目を引く縦型動画広告のシーンのアイディア7選
ここでは、つい視聴を続けてしまう縦型動画広告にするためのアイディアを紹介します。
自宅に届いた商品を箱から開封する
オンラインショップで購入した商品が届き、箱から商品を開封するシーンです。動画の初めは届いた商品の箱が映っているシーンから始めることで、ユーザーは「何が入っているのか見届けたい」という気持ちが強くなります。商品が届いたあとに、開封するまでのわくわく感を疑似体験できるでしょう。
活用例 : オンラインショップ、定期購入がある商品。
シーンのポイント
- テープなどで封をしていたら、事前にカッターでキレイに開封しておく
- 同梱物は取り除き、開封時に商品が一目で見えるようにする
- 開封した際に商品が正面を向いているよう、あらかじめ整える
訪れた場所(会場)を紹介する
イベント会場や施設の内部を紹介することで、ユーザーがその場にいるような感覚になります。まだ訪れたことのない場所や、普段は見られないような景色を紹介することで、ユーザーは場所やサービスに対する興味を持ちやすくなります。
活用例 : 展示会・イベント・セミナーの集客、店舗があるビジネス。
シーンのポイント
- 目印となるものからシーンをはじめる(看板やなじみのある建物など)
- 一般の人の顔は映らないように配慮し、映った場合はぼかすなど編集をする
- 短尺に収めるため、編集時に動画全体の速度を速める
リアルな生活を切り取る
年齢・性別・職業・趣味など特定のターゲットに注目してもらいたいときに活用できます。ユーザーに近い生活スタイルや年齢層の人物が登場することで、「自分に関連のありそうだ」と感じてもらい、興味や購買意向を持ってもらいやすくなります。
活用例 : 若手向けの転職サービス、一人暮らし向け見守りサービス、家族向け宅食サービス
シーンのポイント
- ターゲット層の生活に沿ったシチュエーションをとり入れる
- 1人称視点をとり入れるとオーガニック投稿のような雰囲気を作りやすい
- サービスのターゲット層にあうモデルを起用する
商品の使用方法や利用シーンを表す
商品の使用方法や利用シーンを具体的に描写することで、ユーザーが商品を使うことをイメージしやすくなります。ユーザーが「自分でも使っているシーン」を想像できるので自分ごととして捉えやすくなるでしょう。
例えば、化粧品の使用シーンであれば、どのようなテクスチャなのかが伝わりやすいです。また、ミールキットであればどのようなものが入っているのかや、その作り方を表現できると望ましいでしょう。
使用例 : 化粧品(スキンケア・メイクアップ)、ミールキット、自宅学習の教材、など
シーンのポイント
- テクスチャや素材感がわかるように、寄りのカットで見せる
- 入っている物の種類や大きさが伝わるような画角で撮影
- 利用する場所がわかるような環境で撮影
サービスの使い方がイメージできる
BtoBサービスなどの無形商材の場合、サイトの画面操作シーンを映すことで、どんなサービスなのかがわかり、動画を見たあとの行動が想像しやすくなることでしょう。
活用例 : BtoBサービスの使用例、カーシェアの予約例、旅行予約アプリの使用例
シーンのポイント
- 実際のサイト上での操作シーンを取り入れる
- ユーザーが操作している動画を利用することで、共感を生みやすい
視覚的に強調する
ラインナップのある商品を並べたり連続した動作をする
連続的な動作を取り入れることで、「次に何が起こるのか?」とユーザーの関心を引きます。これは商品ラインナップを紹介する際に有効です。シンプルな動きであるため、シーンを長く使ってしまうと予想通りな動きに飽きてしまう可能性があります。そのため、短めのカットとしてとり入れることがおすすめです。
活用例 : 複数の商品が入っている定期便
シーンのポイント
- 商品の向きを正面に向ける
- 並べるリズムを一定に保つ
- 単調になりがちなため、編集で速度を速めるのも有効
ロゴや商品名・サービス名に注目を集める
動画広告を配信するのであれば、ロゴや商品名・サービス名を覚えてもらいたいですよね。ユーザーに印象づけたいロゴや商品・サービス名を指差ししたり、クローズアップすることで強調できます。指差しの場合は、軽く叩いたり、動かしたりすることで注目してもらう効果が期待できるでしょう。
活用例 : 商品・サービス名・店舗名を覚えてほしい場合
シーンのポイント
- ロゴやサービス名が隠れないようにする。読みにくい場合はテロップでふりがなを入れる
- 画面上で見えやすい大きさにアップで見せる
- 指がアップで映る場合は華美なネイルや毛の処理に気をつける
まとめ
縦型動画はその特性からユーザーに強い印象を与えることができるフォーマットです。
冒頭からユーザーを引き込み、ターゲット層に共感を抱いてもらい視覚的に訴えるシーン展開を工夫することで、縦型動画の魅力を最大限に引き出すことができます。
動画の視聴を続けてもらうための具体的なシーンもご紹介しましたが、これもごく一部です。つい見てしまうような動画を制作するためには、日ごろからこの動画はなんで見てしまうのだろう?と深堀りをすることで、制作のアイディアを得られることもたくさんあるでしょう。
今回の具体例を参考に、縦型動画クリエイティブの制作に挑戦してみてください。
動画の撮影テクニックについては、こちらで詳しく説明しています。
