【2025年11月】運用型広告のアップデートまとめ

【2025年11月】運用型広告のアップデートまとめ

2025年11月は、主要な広告プラットフォームにおいて、AIエージェント機能の本格展開とプラットフォーム統合の動きが加速した月となりました。

特に注目すべきは、GoogleによるAIを活用した新しい「Ads Advisor」と「Analytics Advisor」の導入、そしてLINEヤフーによる広告審査基準・広告掲載基準の統一発表です。また、Amazonでは「Ads Agent」や刷新されたキャンペーンマネージャーなど、AIを中核に据えた広告運用の効率化が一層進んでいます。

今後の広告運用戦略に影響を与えることが予想されるアップデートも多くありますのでチェックしておきましょう。

免責事項: 上記は本記事作成時点での情報に基づいています。最新かつ詳細な情報については、必ず各広告プラットフォームの公式サイトやヘルプドキュメントをご参照ください。また、一部解説には一般的な広告運用の観点からの推測や考察が含まれています。


Google広告

Google広告では、AIを活用した新機能の導入とP-MAXキャンペーンの機能拡充が目立ちました。特に「Ads Advisor」と「Analytics Advisor」という2つのエージェント型AIツールの導入は、広告運用の効率化を大きく前進させるものです。また、新しいコンバージョン指標「Original Conversion Value」の追加により、レポーティングの透明性が向上しました。

Google広告アップデート一覧表

アップデート内容適用日
AIを活用した「Ads Advisor」と「Analytics Advisor」を導入発表済み
アカウント一時停止の精度を大幅に改善(誤認80%以上削減)実施済み
デマンドジェネレーションキャンペーンの最新機能アップデート実施済み(一部除く)
新しいコンバージョン指標「元のコンバージョン値(Original Conversion Value)」を追加実施済み
P-MAXがWaze広告に対応、店舗売上増とレポート強化へ ※現在米国のみ実施済み
インクリメンタリティテストを強化実施済み
不適切な電話番号に関するポリシーの更新2025年12月10日

AIを活用した「Ads Advisor」と「Analytics Advisor」を導入

Googleは、広告主がキャンペーンの成果向上と重要なインサイトの発見を促進するために、最新のGeminiモデルを活用したエージェント型AIツールをGoogle広告とGA4へ導入します。

Ads Advisorは、Google広告内でキャンペーンを主体的に管理するAIパートナーです。パーソナライズされた最適化の推奨、新しいキャンペーン・アセット・キーワードの作成、リアルタイムのパフォーマンス分析、ポリシー問題のトラブルシューティングなどを支援します。

Analytics Advisorは、Googleアナリティクス内でデータ駆動型のインサイトと回答を提供するAIアナリストです。パフォーマンスの包括的な把握、変動要因の特定(「なぜ」の問いかけへの回答)、および成長に向けた具体的な次のアクションへの誘導を可能にします。

これらのツールは、単なる分析支援にとどまらず、具体的なアクションの提案まで行う「エージェント型」である点が特徴的です。今後の運用スタイルに大きな影響を与える可能性がありますので、日本でも提供開始を間違いと思います。

参考:Ads Advisor and Analytics Advisor - Google

※もし試したいという場合、GA4ではユーザー設定の言語を英語に変えることで、私の環境でも利用ができました。日本語での質問にも回答してくれていたので、実装が近いのかもしれませんね

アカウント一時停止の精度を大幅に改善

Google広告は、広告主からのフィードバックに基づき、アカウントの一時停止に関する制度を大幅に改善しました。

主な改善点:

  • 誤認による一時停止を80%以上削減
  • AI(Gemini)を活用した検出システムの精度向上
  • 再審査への対応時間が70%高速化し、99%の再審査が24時間以内に解決

これまでアカウント停止に悩まされていた広告主にとっては朗報ですね。とはいえ、ポリシー遵守の重要性は変わりませんので、引き続き適切な運用を心がけましょう。

参考:Improved accuracy account suspensions - Google

デマンドジェネレーションキャンペーンの最新機能アップデート

ホリデーシーズンに間に合うよう、デマンドジェネレーションキャンペーン向けに複数の新機能が発表されました。

主なアップデート:

  • AIによる画像・動画の機能強化: AIが広告の追加バージョンを自動的に作成・最適化

    動画のバリエーションを自動作成
  • Pathmatics(※)提供アセットの利用: 他プラットフォームで高い成果を上げたクリエイティブアセットをDemand Genキャンペーンに簡単に移行可能(予定)

    ※Pathmaticsは米国のモバイルアプリ市場の分析で有名な Sensor Tower(センサータワー)が2021年に買収したデジタル広告の競合分析(インテリジェンス)プラットフォームです。
  • アセット効果向上A/Bテスト: クリエイティブテストの実施が容易に

  • ブランド適合性コントロールの追加: Discoverフィード向けに新しいコントロールと除外コンテンツテーマが導入

参考:
Demand Gen drop November 2025 - Google
デマンド ジェネレーションのクリエイティブに関する拡張機能と生成 AI ツールについて - Google 広告 ヘルプ
デマンド ジェネレーション キャンペーンの A/B テストを作成する - Google 広告 ヘルプ
YouTube フィードと Discover の新しいブランド適合性コントロール - Google 広告 ヘルプ

新しいコンバージョン指標「元のコンバージョン値(Original Conversion Value)」を追加

Google広告に新しいカラム「元のコンバージョン値(Original Conversion Value)」が追加されました。これにより、価値のルールなどを利用している場合でも、調整前のコンバージョン値を確認できるようになります。

計算式は以下の通りです。

コンバージョン値 - 価値のルール(Value Rules)- ライフサイクル目標調整(新規顧客の価値など)

= 元のコンバージョン値

コンバージョンの値を調整できるのは、実際のビジネスでの価値に基づいた改善を行うのに非常に有効です。一方で、実際のコンバージョン値が分からなくなり、過剰あるいは過小評価してしまうことも。この新指標により、パフォーマンスの診断やキャンペーン間のデータ比較などが容易になります。

参考:Google Ads quietly rolls out a new conversion metric - Search Engine Land
ライフサイクル目標キャンペーンを測定する - Google 広告 ヘルプ

P-MAXがWaze広告に対応

P-MAXキャンペーンにWaze広告インベントリが追加されました。実店舗への来店を目標とするP-MAXキャンペーンで、Waze(※)の地図上に「ナビゲーションのプロモート プレイス」ピンとして店舗が表示されるようになります。

特別な設定は必要なく、P-MAXが既存のアセットを自動で使い、来店や経路検索を重視して最適化します。この機能は現在米国で利用可能で、2026年には米国以外の市場にも拡大予定です。

また、新しいインベントリとチャネル パフォーマンス レポートも提供され、可視性がさらに高まります。

参考:P-MAX キャンペーンで新しいインベントリとチャネル パフォーマンス レポートを利用する - Google 広告 ヘルプ

※Waze(ウェイズ)は、Googleが運営する無料のコミュニティベースGPSナビアプリで、ユーザー同士がリアルタイムで渋滞、事故、警察、工事などの交通情報を共有・投稿し、それに基づいて最適なルートを案内してくれるのが最大の特徴です。

インクリメンタリティテストを強化

マーケティング活動の真の増分効果(インクリメンタリティ)をより正確かつ容易に測定できるように、インクリメンタリティテストに大幅なアップデートが実施されました。

主な改良点:

  • 最低費用の大幅引き下げ(10万ドル→5,000ドル)
  • 手法の確実性向上
  • 迅速なレポート提供と実用性向上

これにより、広告主はROIを明確に把握し、予算配分を最適化しやすくなります。

参考:インクリメンタリティ テストの改良により、メディア測定機能が強化され、ROI をより明確に把握できるようになります。 - Google 広告 ヘルプ
リフト測定調査について - Google 広告 ヘルプ
コンバージョン リフト測定について - Google 広告 ヘルプ

不適切な電話番号に関するポリシーの更新

2025年12月10日に目的地要件ポリシーの「利用できない電話番号」セクションが更新されます。不正行為やポリシー違反の履歴がある電話番号は、広告で利用できなくなります。

適用日:2025年12月10日(その後約8週間かけて段階的に拡大)

参考:不適切な電話番号ポリシー更新 - Google広告ポリシーヘルプ

Yahoo!広告

Yahoo!広告では、LINEヤフーのプラットフォーム統合に向けた動きが本格化しました。「お支払いセンター」の提供開始やビジネスIDの統合など、サービス基盤の刷新が進んでいます。また、検索広告(ショッピング)では商品フィードによる掲載調整機能が正式に実施されました。

Yahoo!広告アップデート一覧表

カテゴリアップデート内容適用日
共通お支払いセンターの提供開始へ2025年12月14日
共通ビジネスIDの統合に関する実施2025年12月14日
共通エージェンシー向けビジネスマネージャー提供開始実施済み
検索広告(ショッピング)商品フィードでSSAの掲載を調整可能に2025年11月10日

お支払いセンターの提供開始

画像引用元:【Yahoo!広告】お支払い情報の管理機能を刷新し、「お支払いセンター」の提供を開始(メンテナンス情報追加)|LINEヤフー for Business

2025年12月14日より、お支払い管理機能が刷新され、「お支払いセンター」の提供が開始されます。これはLINEヤフーのプラットフォーム統合の一環です。

主な新機能:

  • 複数クレジットカードの登録と、メイン・バックアップ設定(3Dセキュア導入でセキュリティも強化)
  • 複数受取口座の登録に対応
  • MCCアカウントにカード登録することで、配下の広告アカウントの決済をまとめられる

サービス開始に伴い、12月13日〜14日にメンテナンスが実施されます。前払いのお客様は、メンテナンス期間中は手動入金ができないため、事前に余裕を持って入金しておくことをおすすめします。

また、お支払いセンターへの移行直後(2025年12月〜2026年2月頃)は、決済と同時に請求処理が行われる新システムにより、一時的に支払いタイミングが重なり、支払金額が平時の2倍ほどになる可能性があるため、クレジットカードの口座設定状況などを事前に確認しておきましょう。

参考:【Yahoo!広告】お支払い情報の管理機能を刷新し、「お支払いセンター」の提供を開始(メンテナンス情報追加)|LINEヤフー for Business

ビジネスIDの統合

画像引用元:【Yahoo!広告】ビジネスIDの統合に関する実施内容のお知らせ|LINEヤフー for Business
ビジネスIDを統合する - ヘルプ - Yahoo!広告

Yahoo!広告は、「Yahoo! JAPANビジネスID」と「LINEビジネスID」の統合を進めています。今後、Yahoo!広告へのお申し込みやアカウントへの招待にYahoo! JAPANビジネスIDが不要になります。なお、先ほどご紹介した「お支払いセンター」の利用には、統合「ビジネスID」でのログインが必要です。

2026年3月頃には、ワンタイムパスコードでのログインが廃止され、キャンペーンエディターの複数ビジネスID切り替え機能の提供も終了予定です。ワンタイムパスコードをご利用中の方は、早めにビジネスIDの統合をお願いします。

参考:
【Yahoo!広告】ビジネスIDの統合に関する実施内容のお知らせ|LINEヤフー for Business
ビジネスIDを統合する - ヘルプ - Yahoo!広告

エージェンシー向けビジネスマネージャー提供開始

画像引用元:【Yahoo!広告】エージェンシー向けビジネスマネージャー提供のお知らせ|LINEヤフー for Business

これまでLINE公式アカウントの認定代理店のみが利用できた「エージェンシー向けビジネスマネージャー」が、Yahoo!広告の代理店様向けにも提供開始されました。

これは、LINEヤフーの「Connect One構想」に基づくもので、広告主と広告代理店との間で安全かつ効率的な運用を支援することが目的です。

連携対象サービス:Yahoo!広告 ディスプレイ広告(検索広告は予定)、LINE広告、LINE公式アカウント

広告主がビジネスマネージャー上で付与した権限の範囲内で、代理店が各種設定や運用を行えるようになります。ただし、現状を踏まえて状況にあった形で利用できるよう、まずは何がどうできるのか、仕様の把握を正確にしていきたいですね。

参考:【Yahoo!広告】エージェンシー向けビジネスマネージャー提供のお知らせ|LINEヤフー for Business

検索広告(ショッピング):商品フィードでSSAの掲載を調整可能に

画像引用元:【検索広告(ショッピング)】商品フィードでSSAの掲載を調整可能に|LINEヤフー for Business

検索連動型ショッピング広告(SSA)への掲載を、商品フィードから調整できるようになりました。商品フィードに新しい項目を追加することで、指定した商品をSSAに非掲載にできます。

これにより、カテゴリー内の一部の商品だけを掲載したい場合などに、商品単位での調整が容易になり、運用時の負荷が軽減されます。ただし、商品情報掲載を非掲載先に指定することは現状できないようです。

参考:【検索広告(ショッピング)】商品フィードでSSAの掲載を調整可能に|LINEヤフー for Business

LINE広告

LINE広告では、LINEアプリのリニューアルに伴う仕様変更の発表と、プラットフォーム統合に向けた準備が進んでいます。特に、2026年春頃に予定されている広告審査基準・広告掲載基準の統一は、運用に大きな影響を与える可能性があるため要注目です。

LINE広告アップデート一覧表

アップデート内容適用日
LINEヤフー広告アカウント審査基準・広告掲載基準の統一2026年春頃
NFCタグを活用した「LINEタッチ」提供開始2025年11月17日
動画視聴経由コンバージョン最適化機能のリリース2025年12月3日

LINEヤフー広告アカウント審査基準・広告掲載基準の統一

LINEヤフーは、Yahoo!広告とLINE広告のプラットフォーム統合により、サービス名称を「LINEヤフー広告」とするとともに、広告アカウント審査基準、広告掲載基準、および審査判断基準を統一することを発表しました。

適用開始予定:2026年春頃

新しい統一基準は、概ね従来のYahoo!広告の広告掲載基準に基づいた方針で策定・2026年春頃に「LINEヤフー広告」としてページがリニューアルされ公開されます。広告主は、プラットフォームごとに個別の広告クリエイティブを用意する必要がなくなり、同一の広告表現で出稿が可能になります。

これにより運用工数の削減が期待できる一方、現在LINE広告で通っているクリエイティブが新基準では通らない可能性もあるため、事前の確認をおすすめします。

参考:LINEヤフー広告アカウント審査基準・広告掲載基準の統一について :(2026年春頃適用開始予定)|LINEヤフー for Business

LINEタッチの提供開始

NFC(近距離無線通信)技術を活用した「LINE公式アカウント」の新機能「LINEタッチ」の提供が開始されました。

ユーザーはスマートフォンを専用のNFCタグにかざすだけで、「LINE公式アカウント」や「LINEミニアプリ」をスムーズに起動し、友だち追加、クーポン取得、会員証表示、モバイルオーダーなどのさまざまなサービスを瞬時に利用できるようになります。

適用日:2025年11月17日

実店舗を持つ広告主にとっては、QRコード読み取りの手間を省ける新たな顧客接点として活用できそうですね。

参考:LINEヤフー、NFCタグを活用した新機能「LINEタッチ」の提供開始|LINEヤフー for Business

動画視聴経由コンバージョン最適化機能のリリース

LINE広告で動画視聴を経由したコンバージョンを最適化対象に含める新機能が、2025年12月3日から提供されています。対象はウェブサイトコンバージョン、アプリインストール、アプリエンゲージメントで、自動入札とCPM課金のキャンペーンに適用されます。

これまでに比べ動画素材の配信比率が増加する場合があり、気が付かないうちにこれまでと配信傾向が変わって成果に影響している場合がありますので注意が必要です。

学習にはクリックコンバージョン40件/月が目安です。除外希望の場合は12月1日以降に管理画面の専用フォームで申請が必要です。

参考:【LINE広告】動画視聴経由コンバージョン最適化機能のリリース予定お知らせ/最適化の除外申請について|LINEヤフー for Business

Meta広告

Meta広告では、Advantage+機能の拡充とクリエイティブ自動化の強化が進んでいます。特に、AI活用の動画機能や、Multi-conversion Optimizationなど、パフォーマンス向上を目的とした機能が多数リリースされました。

Meta広告アップデート一覧表

アップデート内容適用日
Automated Ads(自動広告作成機能)が提供終了へ2025年12月〜
インクリメンタルアトリビューションが目標ベース入札で利用可能に2025年10月28日

Automated Ads(自動広告作成機能)が提供終了へ

Metaは、より高性能なプロダクトへの移行のため、FacebookやInstagramページからいくつかの質問に答えるだけでキャンペーンを開始できるAutomated Ads(自動広告作成機能)の提供を終了し、2025年12月より段階的な廃止を開始します。

Automated Adsは、Advantage+広告スイートの前身として、Appleのアプリトラッキング変更に対応するため導入されたものでした。簡易的な広告作成方法でしたが、現在はAdvantage+ツールがより高度な同様の機能を提供しています。

既存のAutomated Adsキャンペーンは引き続き管理・編集が可能ですが、新規作成や複製はできなくなります。代替手段として、Advantage+キャンペーンや「Facebook/Instagram投稿のブースト」など、他の広告作成オプションをご利用ください。

参考:
Meta Phases Out Automated Ads in Favor of Advantage+ - Social Media Today
Facebookの自動広告について | Metaビジネスヘルプセンター

インクリメンタルアトリビューションが目標ベース入札で利用可能に

Meta広告のインクリメンタルアトリビューション(IA)機能が、従来の自動入札に加え、目標ベース入札(Cost-Per-Result goal / ROAS goal)でも利用可能になりました。

IAは、広告が生成した「増分コンバージョン」をリアルタイムで最適化・レポートする唯一のソリューションです。目標ベース入札との組み合わせにより、より精緻なパフォーマンス管理が可能になります。

広告セットの「コンバージョン」セクションで、その他の設定を表示から選択が可能です。(少し分かりづらいです)

参考:インクリメンタルアトリビューションについて | Metaビジネスヘルプセンター 

その他の広告

Amazon広告

アップデート内容適用日
Ads Agentで広告効率を向上実施済み
刷新されたキャンペーンマネージャーを提供開始ベータ版提供中
Brand+およびPerformance+を強化実施済み
コンバージョンパスレポートを世界中で開始実施済み

Ads Agentで広告効率を向上

新しいAI搭載の広告パートナー「Ads Agent」が発表されました。このAIエージェントは、広告主がキャンペーンを計画、開始、最適化する方法を簡素化し、広告効率を高めることを目的としています。

主な機能:

  • カスタムメディアプランのアップロードに基づいたキャンペーン構造の自動作成
  • 自然言語での指示による大規模なキャンペーン最適化(例:「ROASが2未満のすべてのキャンペーンを一時停止する」)
  • 数千のオーディエンスセグメントをレビューし、最も関連性の高いセグメントやキーワードを提案
  • Amazon Marketing Cloud(AMC)での分析簡素化

日本も利用対象地域に含まれますが、Amazon Marketing Cloud(AMC)にアクセスできるすべてのユーザー、およびAmazon DSPのマルチメディアソリューションの米国ユーザーのみが利用できます。

参考:Ads Agentで広告効率を高める | Amazon Ads

刷新されたキャンペーンマネージャー(ベータ版)

スポンサー広告とAmazon DSPのソリューションを統合した新しい一元管理ハブ「キャンペーンマネージャー」が刷新されました。

主な特徴:

  • スマート検索、ガイダンスカード、複数アカウント管理、クロスプロダクトビュー
  • 初期テストでは、スマート検索の使用で入札最適化時間が26%短縮
  • 標準化されたレポートと統合されたKPIバーにより、データ主導の意思決定を支援

参考:キャンペーンマネージャー(ベータ版): すべてのキャンペーンに1つのコマンドセンター | Amazon Ads

Brand+およびPerformance+を強化

より詳細な指標を実現する拡張インサイトカード

画像引用元:強化されたマーケティングとインサイトでビジネス成果を向上 | Amazon Ads


予測AIを活用したBrand+とPerformance+が強化されました。

主な強化点:

  • AIモデルの改善と新しい「検討戦略」を追加
  • ダイナミッククリエイティブの最適化(DCO)が直接テスト・調整可能に
  • 新しいインサイトカードで購入者の特徴やコンバージョンまでの時間など、透明性の高い指標を提供

参考:強化されたマーケティングとインサイトでビジネス成果を向上 | Amazon Ads

コンバージョンパスレポートを世界中で開始

画像引用元:コンバージョンパスレポートを世界中で開始 | Amazon Ads

「コンバージョンパスレポート」の提供が世界中のマーケットプレイスに拡大しました。

このレポート機能は、採用したメディアミックスがコンバージョンに与える実際の影響を示すことを目的としています。特に、ストリーミングTVやアッパーファネルの購入者に対し、コンバージョンに至るまでのクロスチャネル(スポンサー広告とAmazon DSP)の経路に関するインサイトを提供します。

参考:コンバージョンパスレポートを世界中で開始 | Amazon Ads

TikTok広告

アップデート内容適用日
ターゲットフリークエンシー機能を提供開始2025年11月5日

ターゲットフリークエンシー機能を提供開始

画像引用元:About target frequency

すべての広告主がオークションキャンペーンにおいて、新機能「ターゲットフリークエンシー」を設定できるようになりました。

この機能により、広告主は7日間でユーザーが広告を見る回数を細かく設定し、広告表示頻度を管理できます。特定のユーザーに頻繁に広告が掲載される状況を回避しやすくなり、より良いオーディエンス体験が期待できます。また認知やリーチの拡大をどを重視する際には、より効率的なリーチができることで、パフォーマンスの改善に繋がる可能性も高まりそうです。

参考:About target frequency

Microsoft広告

アップデート内容適用日
アセット単位の審査プロセスを導入実施済み

アセット単位の審査プロセスを導入

画像引用元:Asset-level editorial review and other updates for November | Microsoft Advertising

広告全体だけでなく、見出し、説明文、画像といった個々のアセット(構成要素)を独立して審査するようになりました。

これにより、一部のアセットが不承認になっても、広告は最低要件を満たしていれば配信を継続でき、広告配信の中断を減らします。不承認のアセットはプラットフォーム内で直接再審査請求、編集、削除が可能です。

参考:アセット単位の審査 - Microsoft Advertising

SmartNews広告

アップデート内容適用日
広告スケジュール機能リリース2025年11月12日
インプレッション(Viewable)課金機能のリリース2025年12月10日

広告スケジュール機能リリース

新たに広告スケジュール機能(時間帯配信機能)がリリースされました。キャンペーンごとに広告配信を行う時間帯を細かく指定できるようになり、より効率的な運用と効果的なリーチの実現が期待できます。

参考:広告スケジュール機能 - SmartNews

インプレッション(Viewable)課金機能のリリース

2025年12月10日より、新たに「インプレッション(Viewable)課金イベント」が導入されます。キャンペーン作成時にクリック課金またはインプレッション課金を選択可能になります。

インプレッション課金は露出やブランド認知向上を重視するキャンペーン向けで、クリック課金はカート追加やインストールなど成果重視の場合に適しています。

参考:インプレッション課金 - SmartNews

まとめ

2025年11月は、AIエージェント機能の本格展開とプラットフォーム統合という2つの大きな潮流が顕著になった月でした。

GoogleのAds Advisor/Analytics Advisor、AmazonのAds Agentなど、各プラットフォームで「自然言語での指示」や「自動的な最適化提案」といったエージェント型AIツールが次々と登場しています。これらは単なる分析支援にとどまらず、具体的なアクションの実行まで担う方向へと進化しており、広告運用者の役割も徐々に変化していくことが予想されます。

一方、LINEヤフーによる広告審査基準・広告掲載基準の統一発表は、国内の広告運用に大きな影響を与える可能性があります。2026年春頃の統合に向けて、現在のクリエイティブが新基準に適合するかどうか、事前に確認しておくことをおすすめします。

AIに任せられる領域が拡大する中で、広告運用者には「どこに人間の判断を加えるべきか」を見極める力がより一層求められるようになっています。各プラットフォームの新機能を積極的に試しながらも、自社のビジネス目標に合わせた戦略的な判断を続けることが重要です。

ぜひ本記事を参考に、チーム内での情報共有や今後の施策立案にお役立てください。

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