ギフト・イベント商戦の広告戦略。ユーザー行動・心理を想像し、時期に合わせた適切な広告を配信しよう

ギフト・イベント商戦の広告戦略。ユーザー行動・心理を想像し、時期に合わせた適切な広告を配信しよう

「ギフト向け商品の広告で、いつ、何から手をつけたらいいのか分からない」

ギフト商材を扱うマーケティング担当者の中には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

ギフト商材は、自分用に購入する通常のECとは異なり、「誰かに贈る」というニーズが発生した瞬間に検討・購入されるのが大きな特徴です。そのため、そのタイミングを逃さない広告設計が重要になります。

2026年1月30日(金)に開催された「需要が生まれた瞬間を逃さない!ギフトECで売上を作る検索広告設計と広告戦略」セミナーでは、ギフト商材における広告戦略をテーマに、基本の配信設計やキーワード選定、イベント商戦のスケジュール設計まで、具体的に解説しました。

本レポートでは、セミナーで語られた内容をもとに、ギフト需要・イベント商戦向けに押さえるべきポイントを整理してお届けします。

イベント登壇者

【アナグラム株式会社】池田 華子(いけだ はなこ)
運用型広告事業部 / チームリーダー

事業会社での営業・人事経験を経て、2021年にアナグラム株式会社に入社。

toBからtoCまで幅広い商材のご支援を経験。現在はチームリーダーとして、メンバーのマネジメントをしながら、自身も担当案件を受け持つ。


なぜ、ギフト商材で検索広告が重要なのか?

セミナー冒頭では、ギフト商材の広告戦略において、購入意向が顕在化したユーザーに確実に接点を持てる手法として、検索広告が重要であると説明されました。

「誕生日」や「結婚祝い」などのライフイベントのギフトも、「母の日」「お歳暮」など季節のギフトも、「誰かにギフトを贈りたい」という需要が発生した限られたタイミングでしか購入されにくいです。このタイミングを逃さずに接点を持てる検索広告は、ギフト商材において特に重要な手法でしょう。

需要が発生している「瞬間」にアプローチする

ユーザーの行動は、「ギフトを贈りたい」というニーズが発生してから始まります。次のような検討プロセスを経て、最終的には検索エンジンなどでイベント名や商品名、ショップ名で検索します。

  • 贈るかどうかはまだ未定
  • 贈ることは決めたが、何を買うか未定で行動には移していない
  • 贈ることが決まり、何を購入しようか検討中
  • 何を贈るかが決まり、購入のために行動を起こす

「検索をしている」タイミングはユーザーの購入意向が最も高まっているタイミングです。この瞬間にアプローチすることで費用対効果が高い状態で、売上を伸ばすことができます。

ギフト商材における基本の配信設計

まずは、需要が顕在化したタイミングにアプローチできる、検索広告やショッピング広告から始めるのが定石です。コンバージョン率の高いユーザーに確実にリーチできるチャネルで堅実に売上をつくり、その後、ディスプレイ広告やSNS広告など、需要がまだ顕在化していない層へと配信を広げていきます。

検索意図にあった広告文を出し分けられるキャンペーン構成に

検索広告では、検索語句に合わせて広告文を出し分けられるキャンペーン・広告グループ構成にすることが重要です。

たとえば、「ギフト」という1つの広告グループに、「結婚祝い」「出産内祝い」「母の日」といった複数の需要をまとめてしまうケースを考えてみましょう。

この場合、すべての需要を網羅するために「ギフトなら○○」といった汎用的な広告文になりがちです。この構成は間違いではありませんが、「特定のシーンに適した商品」を探しているユーザーにとっては、自分に最適な商品があるのか判断しづらく、クリック率が低くなりやすい傾向があります。

おすすめの構成は、「結婚祝い」「出産内祝い」「母の日」など、ギフトカテゴリごとに広告グループが別れている状態です。

「結婚祝い」と検索された場合に「結婚祝いなら○○」と表示するなど、検索意図に即した広告文を出し分けることでクリック率の改善が期待できます。

需要ごとに分けて管理することで、遷移先をイベント別の特集ページに最適化したり、それぞれの検索意図に合った広告文を細かく検証したりと、コンバージョン率向上の施策にも柔軟に対応できます。

記事コンテンツ×DSA(動的検索広告)でアプローチ

ギフトに関する記事コンテンツ(例:「〇〇祝いのマナー」「〇〇祝いのNGギフト」など)がある場合は、動的検索広告(以降、DSA)の活用も有効です。

DSAとは、指定したサイトのコンテンツをもとにターゲティングや広告見出しを自動で生成して配信する検索広告の手法です。

ギフトは「相手に失礼がないか」という不安がつきものです。そのため、「〇〇祝い いつまで」といった相場やマナーを調べる検索も多く見られます。

こうしたキーワードは、「〇〇祝い おすすめ」のような購入検討段階のキーワードと比べると購入までの距離があり、CVR(コンバージョン率)は高くありません。一方で、競合性が低くCPCが安くなりやすいため、結果的にCPAやROASが合うケースも少なくありません。

購入意欲が明確なキーワードだけでは拾いきれない層をカバーするためにも、DSAを活用して接点を広げることが売上拡大につながります。

DSAについての詳細は下記を参照ください。

イベント商戦におけるスケジュール設計のポイント

特に「母の日」「父の日」などのタイミングが決まっているイベントの場合、同じ広告でも配信タイミングによって成果が大きく変動します。

見落としがちなのが「翌日以降」のフェーズです。イベント当日を過ぎると広告を止めてしまうケースも多いですが、当日に贈れなかった人が慌てて検索する需要は一定数あります。「遅れてごめんね」のような訴求はこの層のインサイトに直接響くため、取りこぼしを防ぐ施策として有効です。

また、直前期検索量こそピークになるものの、配送が間に合わない商材ではCVRが下がりやすい点にも注意が必要です。即日発送やデジタルギフトに対応できるかどうかで、入札の強弱や訴求内容を変えていく判断が求められます。

それぞれのイベントごとに、ユーザーが「どのタイミング」で「どのような行動」を取るのかを想定し、配信時期・媒体・訴求内容を設計していきましょう。

よくある落とし穴と中長期的な戦略

ギフト商材に限らず、ECサイトのWeb広告配信でよくある落とし穴について解説がありました。

最も注意したいのは、費用対効果が良く見える配信に予算を寄せすぎてしまうことです。

指名検索やリターゲティング広告は、購入直前のユーザーと接触するケースが多く、最終的なタッチポイントになりやすい特性があります。そのため、ラストクリックで評価するとROASが高く出やすく、単体では非常に効率の良い施策に見えがちです。結果として、他チャネルへの投資を抑え、こうした配信に予算を集中させてしまうことも少なくありません。

もちろん、短期的な売上を確保する視点は欠かせません。ただし、中長期での事業拡大を考えるのであれば、SNSやディスプレイ広告のように、ROASが相対的に低く見えても新規ユーザーとの接点を生み出せる施策にも目を向ける必要があります。

目先の効率だけでなく、将来の顧客基盤をどう広げていくか。そのバランスを意識した投資判断が重要です。

ギフトならではの特性を理解し、最適な広告戦略を

ギフト商材は人に贈るものだからこそ、「失敗したくない」という心理が強くはたらきます。また、誕生日やイベントなど購入タイミングが限られるケースも多く、考慮すべきポイントが多いのが特徴です。

ギフトならではのユーザーの行動を理解した上で、ユーザーの行動に合ったタイミングで、適切な訴求を届けるポートフォリオ設計が成果を左右します。

また、中長期的な売上を伸ばす視点は、ギフト向けEC以外でも共通する考え方です。

GA4など、初回接触や間接効果を可視化できる分析ツールを活用し、現在の広告ポートフォリオが長期的に見て本当に最適かどうかを定期的に見直していきましょう。

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