[発注書付]リスティング広告担当者がイメージ広告(バナー広告)を発注する際に気をつけている8つのこと

この記事の大雑把な内容

この記事は、Webデザイナー出身の現リスティング広告担当者が、自社または外注先にイメージ広告を発注する際の「デザイナーさんにスムーズに気持よく仕事をしてもらうための注意点」をWebデザイナー目線で紹介しています。

記事の最後に、弊社で使用しているイメージ広告発注仕様書をダウンロード出来るようにしてありますので、必要がある方はどうぞご使用ください。また、現役Webデザイナーの方で、「こういうのが困るんですよね」などあれば、はてぶのコメント欄にでも記載してください。みなさんで共有し、今後の改善に役立てていければと思っています。

すっかり涼しくなり、我家の猫もそろそろ丸まり始める季節となりました。

セミの鳴き声もすっかり遠くなり、「あー、楽しかった夏も終わってしまったのですね感」が満載な時節です。季節の変わり目は、猫が丸まり始めるだけでなく、いろいろな店舗や企業が、あらたなキャンペーンを始めたりして、サイトの衣替えや、LP(ランディングページ)、イメージ広告(バナー)の差替えも集中したりします。

社内外を問わず、デザイナーさんにあらたなイメージ広告(バナー)を発注(依頼)することになるのですが、思ったようなものがなかなか出来ず、修正依頼を頻繁に行い、もどかしく思っている方も多いのではないかと思います。

そこで今回は、Web制作者→リスティング広告プレーヤーへと華麗なる転身をした私が、Web制作者だからわかる「GoogleディスプレイネットワークやYDNで利用するイメージ広告(バナー)の発注をスムーズにストレスなく行うために気をつけている事」をご紹介いたします。少々長くなりますが、最後までお付き合いいただけましたら幸いです。

提案が必要なのか、不要なのかしっかり伝える

社内であれ社外であれ、依頼をうけたデザイナーさんは、より成果の出る良いものを作ろうと考えています。悪いものをわざわざ作ろうなんていうデザイナーさんを私は知りません。

ある時、「指示書に図入りでオーダーしたにも関わらず、指示書通りに出来てこない」と怒っている同業者がいました。この方の場合、常々「こちらが望む以上のものを作るのが良いデザイナー」と吹聴しているので、依頼をうけたデザイナーさんは、指示書に書かれた図通りには制作せずに、それを叩き台に自分になりに考えた良いものを作り提案したつもりでした。

誤解の原因は、伝える側の情報不足によるところが大きいです。「指示書のとおり」に作ればいいのか、「それを叩き台としての提案」が必要なのか、まずはその部分をはっきりさせましょう。

「デザインはおまかせで」と言う言葉に敏感です

忙しい担当者の場合、必要な要素だけを書き出して「色やレイアウトなどデザインはおまかせします」という依頼を行う方が結構いらっしゃいます。

しかし、人間とはおかしなもので、デザインはお任せと言いながらも、叩き台が出来上がると「色の変更」「文字の大きさ」など途端に要望が出たりするものです。そうなると、厳密には「デザインはおまかせ」ではなくなっていて、制作する立場から言わせると「全然、おまかせじゃないじゃん!プンスカプンプン」と、直接口には出さずとも、心の中でそっと呟くか、Twitterの裏アカでつぶやかれている可能性が高いです。

これは、「こちらで言うお任せ」と「相手の言うお任せ」に認識の違いがあるから起こります。
「何も思い浮かばないので、誘導先サイトを見て、まずはドラフトを1案作って頂けませんか?特に問題がなければそれでfixしますが、もしかしたらそこから何かしらの要望が出るかもしれません。」と、「おまかせとは言ったけど修正もあるかも」という事を正直にお話しておいた方がいいでしょう。

「デザインはおまかせで」という言葉は、「修正依頼は絶対に行わない」と覚悟のある人だけが使った方が賢明です。

自分の頭の中のイメージ通りのものが出来上がるとは考えないほうがいい

自分が頭の中でイメージしているものを、正確にデザイナーさんに伝え、それが実際に形になったとしても、ほぼ間違いなく「これじゃない感」に苛まれます。これは、デザイナーさんのスキル不足を皮肉っているものではありません。普段デザインの領域で仕事をすることが決して多くないリスティング広告担当者のイメージできるものには限りがあり完璧ではないというお話です。プロとアマの差、というわけではないですが、近からず遠からずといった感じです。

イメージするものと似ている既存のバナーに文字数が異なるコピーが入り、色合いの違う商品が入ったものを正確に想像する事は難しいです。可読性や視認性などを除き、成果とは直接結びつかないであろう修正依頼は控え、「想像していたものとは違うけど、これはこれでいいんじゃない?」と思えるような健康な精神状態ではない事を自覚しましょう。

「昔好きだった人と同窓会で会ったけど、想像していた姿とはなんか違う」という違和感を覚える人は、要注意です。

依頼書に添付するサンプルは作り込み過ぎない

依頼の際、ラフイメージを作って「だいたいこんな感じで」とオーダーすることが多いかと思います。制作者だった頃、イラレやフォトショで作られたやたら手の込んだラフを添付してくださるクライアントさんがいました。開いてみると、粗さはあるものの、わりとイイカンジに仕上がってる事も多く、これに従い細部を調整して忠実に作れば良いのか、レイアウトをそのままに要素だけを配置すればいいのか、いったい自分は何をすればいいのかわからない事が多々ありました。

もし、ラフイメージに忠実に作らなくても良い場合、作る側の人間としては、手描きやエクセル、パワポで作られた「本当にラフ」という感じのものの方が、余計な情報が入ってこず作りやすいです。
ラフイメージの作り込み過ぎには注意しましょう。

色指定の際は、カラーコードを添付してあげる

通常、配色やテイストは、ユーザーを困惑させないために誘導先サイトに合わせて作りますが、なんだろう型デザインを発注する場合など「高級感のある青を基調に使用する文字色は黒か白、強調する部分は黄色で」と詳細な指示を出したりすることもあるかと思います。

しかし、「高級感を感じさせる青」と言われても色の幅があり、「もうちょっと明るい色で」とか「ちょっと暗すぎません?」など、色決めのやり取りが延々続く場合があります。頭の中にイメージがあって色の指定まで行うのであれば、色コードも併せて指示してあげると制作者はやりやすいと思います。

ちなみに私は、下記のサイトを使い、元になる色から合う配色を選びデザイナーさんに色コード付きで指示を行います。便利なので、配色に迷ったら是非使ってみてください。

配色の見本帳|キーカラーで選ぶ配色パターン
参照:http://ironodata.info/

デザインは試行錯誤の末に出来上がる事を理解する

「これでOKです。ただ、写真だけこっちに差替えお願いします。」と割と気軽に言いがちですが、多くのリスティング広告担当者は、「デザインは、試行錯誤の賜物である。」と言うことをご存じないかもしれません。

現代アートならいざ知らず、閃きやイメージを形にする作業は、非デザイナーが考えるほど簡単なことではありません。特にバナーなど、限られたスペースの中に色々な要素を詰め込まなければならない場合、「こっちを大きくしたら入りきらなくなったからこっちを小さくしよう」とか、色々な試行錯誤の結果に出来上がるものです。写真の構図によっては、全体のレイアウトが変わる可能性があることを十分理解し、デザイナーさんにとっては、最初からやり直しに近い作業になる事もあるということを覚えておいてください。

「簡単ですよね?」は、思ってはいても口に出さない方がいいでしょう。それはリスティング広告担当者に対して「キーワード全てにユニークなパラメータふっておいて。簡単ですよね?」と言っているのと同義です。私の嫁さまのように菩薩のような心を持ちつつも、オーシャンパシフィックのようで寛大な懐の持ち主であれば良いのですが、基本的にその後は良い関係には戻れません。

実績のある広告文だからといって、一番に目立たせる必要はない

イメージ広告は、一瞬の視認性で勝負が決まるといっても過言ではありません。メインコピーの役割は、「なんだろう?」と思わせ、次に続くサブコピーを読ませる為にあります。その商品やサービスの魅力を盛り込みたいのは山々ですが、例え目立つ色で大きく表示しようとも、長い文章では必ずしもユーザーが最後まで読んでくれるとは限りません。

デザイナーさんの多くは、長いキャッチコピーが非効率的であるということを体験的に知っています。いくら実績のある広告文だからといって、それを一番に目立たせる必要は必ずしもありません。メインとなるキャッチコピーを端的に表現できない場合、アイキャッチの部分は写真や効果音などで代用し、読んで欲しい部分はサブコピーの位置づけにするなど工夫してみましょう。

「必要以上に作りこまれたデザインが、訴求力を落とす」という事を認識する

デザイナーさんは、仕事柄、小奇麗でクオリティの高いものを作りたいと考えています。これは、「デザインが悪いモノよりもいいもののほうがより高い成果が上げられるはず」と考えているからです。しかし、実際には、洗練されていないデザインのサイトやバナーの方が成果が上がる話をよく耳にします。この原因は、作り込み過ぎたデザインが、バナーの訴求を弱めてしまった事に他なりません。

「洗練されていないデザインの方が訴求できる」わけではなく、「必要以上に作りこまれたデザインが、訴求力を落とす」と考えるべきです。伝えたいメッセージがデザインに押されていないか、デザイナーさんにはなかなか冷静に判断できません。しっかりバランスを見極め、必要以上の作り込みにならないようリスティング広告担当者がチェックしましょう。

良くても悪くても結果をフィードバックしてあげる

デザイナーさんの多くは、作ったバナーがどのような結果になっているのか知ることができません。良い結果であればモチベーションは上がりますし、悪い結果であればどこが悪かったのか考えることができます。アカウントの設計が良かったのか、デザインが良かったのかの判断は難しいですが、できれば結果をフィードバックしてあげましょう。

学習できるデザイナーさんなら、前回の結果を踏まえた「改善したデザイン」に仕上げてくれるはずです。この継続こそが、良好な関係を築くための最善な方法だと確信しています。

さいごに

Webデザイナーさんの多くが、修正や仕様変更に対する不満を持っています。特に、最終的な成果に結びつかないであろう「修正や仕様変更」については、かなりモチベーションが下がります。

お金の力は偉大です。デザイナーさんが、せっかく用意したイイカンジのボタンであっても、発注者の持つお金の力で、ベベルとエンボスが効いた、「おいおい、いったい何年前のデザインだよ、ベイビー」と花輪くんも真っ青なボタンをねじ込む事もできるのです。「お金の為とは言え悪魔に魂を売ってしまった」と自己嫌悪に陥るデザイナーさんも少なくありません。こういう修正依頼が頻発すると、「自分は良いとは思わないけどこうしろっていうからやりました」的な事になりがちです。これは、仕事を進める上で大変不幸なことです。

自分の考えや想いを相手に伝えるのは大変に難しい事ですが、その前にまず、こちらが伝えた情報を元に「相手が何を考えこのような行動をとったのか」を多少でも理解する必要があるかと思います。

これを読んだリスティング広告担当者と発注先であるデザイナーさんが、気持よく仕事が出来る事を切に願います。

イメージ広告発注仕様書

弊社で使用しているイメージ広告(バナー広告)発注用の仕様書です。
必要がある方はどうぞご使用ください。

イメージ広告発注仕様書.xlsx

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