Microsoft広告のマルチメディア広告とは?作成方法から注意点まで解説

Microsoft広告のマルチメディア広告とは?作成方法から注意点まで解説

Microsoft広告において検索結果ページでの競争率が高く、テキスト情報だけでは注目をなかなか集められないことに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そんな方におすすめしたいMicrosoft広告の配信手法がマルチメディア広告です。マルチメディア広告はレスポンシブ検索広告と異なり、テキスト広告だけでなく画像とセットで検索結果ページに広告を配信することができる配信手法です。

日本ではまだ情報量も配信の露出量も限られていますが、配信することができた場合の視覚的な訴求力の高さが特徴的であるため、今後の展開が期待される広告手法と言えるでしょう。

本記事では、Microsoftマルチメディア広告の特徴、作成方法から配信する際の注意点まで解説します。


Microsoft マルチメディア広告とは?

Microsoft マルチメディア広告とは、Microsoftの検索エンジン「Bing」のパソコンとタブレット端末の検索結果ページに表示される画像とテキストを組み合わせた広告フォーマットです。

サイドバーの目立つ位置に表示され、テキストアセットにビジュアル要素を組み合わせることで、ユーザーに視覚的なアピールができます。

画像引用元:Level up your digital strategy with more visual storytelling - Microsoft Advertising

また、ユーザーの検索語句に合わせて、広告見出し、説明、画像、ロゴの最適な組み合わせを表示することが可能です。

マルチメディア広告のメリット

検索広告は検索結果ページにテキストのみで表示されるため、競合との差別化が難しいですが、一方でマルチメディア広告は、同じ検索結果ページに表示される広告ですが、次の2つのメリットにより得られる効果にも違いがあります。

高い視覚的訴求力

マルチメディア広告は、従来のテキスト広告と比較して、視覚的に強いインパクトを与えられます。

広告の見出しや説明文といったテキストアセットに加えて、画像やロゴといったビジュアル要素を組み合わせることで、ユーザーの目を引く視覚的な訴求が実現できます。

また、検索結果ページのサイドバーの目立つ位置に、視認性が高い広告サイズで表示することが可能です。

画像引用元:Let your brand shine with Multimedia Ads - Microsoft Advertising

例えば、車など、テキストよりビジュアルで訴求する方が魅力を伝えやすい商材を扱っている広告主は特に向いている手法です。

広告が表示される面積の拡大

マルチメディア広告は、通常のレスポンシブ検索広告とは異なり、独自のオークションで入札されます。

そのため、レスポンシブ検索広告とマルチメディア広告が両方とも検索結果ページに並ぶ可能性もあります。

また、マルチメディア広告は他の広告タイプと競合することなく、右側のサイドバーの特定の位置に配信されるため、表示面積を拡大できるというメリットがあります。そのため、検索結果ページにおいて広告がユーザーの目に留まりやすく、クリックに繋がる可能性が高まる配信手法だと考えられます。

マルチメディア広告の作成方法

マルチメディア広告を作成するにあたっての前提条件とレスポンシブ検索広告との設定項目の違い、作成方法について順番に紹介します。

マルチメディア広告は広告タイプとして選択できる

前提として、マルチメディア広告はキャンペーンタイプではなく、広告タイプの1つに該当します。

作成できるキャンペーンタイプが定まっており、検索キャンペーンタイプのみ広告タイプとしてマルチメディア広告を選択することが可能です。検索キャンペーン以外のキャンペーンタイプではマルチメディア広告を作成できません。

そのため、1つの検索キャンペーン内でレスポンシブ検索広告とマルチメディア広告の両方の広告タイプを作成することも可能です。

レスポンシブ検索広告との設定項目の違い

同じく検索キャンペーンタイプ内で作成できる従来のレスポンシブ検索広告とマルチメディア広告の設定項目の違いをご紹介します。

レスポンシブ検索広告はテキストアセットのみを設定できるのに対して、マルチメディア広告はテキストアセットに加えて画像、ロゴといったビジュアル要素をアセットに設定することが可能です。

各設定項目については、以下の表をご覧ください。

項目必須入稿形式説明
最終ページ URLランディングページのURL文字制限は1,024文字です。
画像縦横比 1.91:1(最小703 x 368ピクセル)と1:1(最小470 x 470ピクセル)の画像がそれぞれ 1 枚以上必要サイズが大きすぎる画像などは、自動でトリミングされるため、広告プレビューで意図しないトリミングがされていないか確認しましょう。変更したい場合は、[縦横比の編集]から修正可能。
ロゴ×縦横比 1:1(最小128 x 128ピクセル)と、4:1(最小512 x 128ピクセル)のロゴがそれぞれ5つまでロゴを追加するときに、選んだ縦横比でロゴがトリミングされます。
広告見出し半角30文字以内
長い広告見出し半角90文字以内
説明文半角90文字以内広告配置に応じて、長い広告見出しもしくは短い広告見出しの下、または横に表示されます。
会社名半角25文字以内
アクションの呼び出し行動を促すフレーズのボタンに表示する言語とテキストを選択します。
モバイルURL×モバイルデバイスで広告をクリックした場合のランディングページのURLを設定できます。
高度なURLオプション×広告ごとに、トラッキングテンプレート、最終ページ URL サフィックス、カスタムパラメーターを設定することで、アクセス解析ツールでの計測ができるようになります。

参考:Microsoft Advertising のマルチメディア広告について

新規で検索キャンペーンを作成する場合

マルチメディア広告は既存の検索キャンペーンを活用する場合とそうでない場合で、選択すべき作成方法が変わってくるため、それぞれのパターン別に作成方法をご紹介します。

既存の検索キャンペーンが存在しない場合や、既存の検索キャンペーン内にあるレスポンシブ検索広告とキャンペーンを分けて運用したい場合などは、以下の手順で新規で検索キャンペーンを作成することから開始してください。

1.管理画面の左側メニューで [キャンペーン]を選び、[作成] をクリックします。

2.キャンペーンの目標に [コンバージョンを促進] または [潜在顧客を生成] を選択します。

3.キャンペーンタイプの選択にて [検索] を選択し、「広告をどこに表示しますか?」の下にある [検索広告] を選択した後に、[続行] をクリックします。

4.任意のキャンペーン名とサイトのURLを入力して、配信する地域と言語を設定します。

5.配信するキーワードを設定して、[保存して次の手順に進む]をクリックします。

6.広告タイプで[マルチメディア広告]を選択します。

配信する画像やテキスト、ロゴ、リンク先のURLなどを画面に従って設定します。

7.その他のアセットの追加をします。
8. 1日の予算や、入札単価などを設定します。
9.[保存]をクリックしたら配信準備は完了です。

既存の検索キャンペーンに作成する場合

アカウント内に既存の検索キャンペーンが存在し、マルチメディア広告を新たな広告タイプとして追加したい場合の作成方法をご紹介します。

1.管理画面の左側メニューで [キャンペーン]を選び 、 [広告と表示オプション] > [広告]を選択した後に、[広告の作成] をクリックします。

2.広告グループを選択する際に、マルチメディア広告を追加したい既存の検索キャンペーンを選択します。

3.[広告タイプ] では、 [マルチメディア広告] を選択して、後は「新規で検索キャンペーンを作成する場合」で記載した同様の手順で広告を作成します。

既存のレスポンシブ検索広告をコピーして作成も可能

既存の検索キャンペーン内にあるレスポンシブ検索広告をマルチメディア広告としてコピーすることも可能です。

この作成方法であれば、既存のレスポンシブ検索広告のテキストアセットを引き継いで画像、ロゴ、会社名を追加するだけでマルチメディア広告を作成することができます。

既存のレスポンシブ検索広告はコピーした後も広告の状態がアクティブなままで引き続き配信されます。

1.管理画面の左側メニューで [キャンペーン]  > [広告 & 表示オプション] > [広告] を選択します。

2.マルチメディア広告にコピーするレスポンシブ検索広告を選択して、[編集] > [ レスポンシブ検索広告をマルチメディア広告にコピー] を選択します。
3. 広告に画像、ロゴ、会社名を追加します。
4.[保存]をクリックしたら配信準備は完了です。

参考:マルチメディア広告 - Microsoft Advertising ヘルプセンター

マルチメディア広告作成時に押さえたいポイント

マルチメディア広告を作成する際に押さえておきたいポイントを紹介します。マルチメディア広告はレスポンシブ検索広告と違って画像やロゴを設定することができることがメリットであるため、画像やロゴを上手く活用できるように設定しましょう。

画像サイズについて

画像は、以下の縦横比と最小ピクセルを満たしている必要があります。なお、利用できるファイル形式は PNGとJPEGです。

縦横比必須or任意最小ピクセル推奨ピクセル
1.91:1必須703 x 3681200 x 628
1:1必須470 x 4701200 x 1200
4:1任意608 x 1521200 x 300
1:2任意470 x 940600 x 1200

横向き(1.91:1)と正方形(1:1)の画像がそれぞれ1枚以上必要になるので、どちらも入稿が必要です。

また、任意のサイズも極力すべて用意するのをおすすめします。

なぜならマルチメディア広告は、検索クエリに最適な説明文、画像、ロゴの組み合わせを表示することで、広告の関連性を高めているからです。設定する画像の種類が多いほど、広告のバリエーションが豊富になるため、設定可能なサイズはすべて用意するのがよいでしょう。

ロゴについて

ロゴは、ひと目でどのブランドかを把握できるため、とても大切ですよね。マルチメディア広告では以下の縦横比と最小ピクセル を満たしているロゴの設定が可能です。

縦横比最小ピクセル
1:1128 x 128
4:1512 x 128

正方形(1:1) のロゴ5つまでと、横長 (4:1) のロゴ5つまでを追加することが可能です。

ただし、現時点ではロゴの設定自体ができない広告アカウントも存在しています。「利用できない場合は、近日中にご利用いただけるようになる」とヘルプにも記載があるため、利用できるようになるまで待ってみてください。

入札単価調整が設定可能

マルチメディア広告の入札単価調整はキャンペーンレベルまたは広告グループレベルで設定できます。両方に設定した場合には、広告グループの設定が優先される仕様です。

Microsoft広告の他のキャンペーンと同じように、広告グループの入札単価に対して、20%から900%までの範囲で増加率を調整することが可能です。

ただし、広告グループレベルでの設定になるので、複数のマルチメディア広告で異なる入札単価の設定を行いたいような場合は、広告グループを分けて設定する必要があります。

マルチメディア広告は他の広告タイプと入札が競合しないという特性があり、自動入札も活用できるので、自動入札の場合もまずは最小値で運用を開始し、パフォーマンスを見ながら必要に応じて調整していくというアプローチが効果的だと考えられます。

同じキーワード群に対してレスポンシブ検索広告を既に配信しているようであれば、レスポンシブ検索広告より入札を下げて配信を開始するのも1つの方法です。

マルチメディア広告の注意点

配信対象はパソコンとタブレット端末のみ

現在のところマルチメディア広告はパソコンとタブレット端末のみで表示されます。

マルチメディア広告ではモバイルユーザーへの配信はできないので、モバイル面の広告の露出量を増やしたい場合はその他の広告手法を選択する必要があります。

マルチメディア広告の自動適応の解除方法

マルチメディア広告はアカウントに自動適応される推奨事項の1つとなっています。

そのため、自動適用がオプトインされている場合は、キャンペーン情報とウェブサイトのコンテンツに基づいて、マルチメディア広告が自動的に生成されます。

自動適用はしたくない場合は、以下の手順でオプトアウトが可能です。

管理画面の左側メニューの[設定] >[アカウントごとのオプション] > [自動適用設定]にて、[マルチメディア広告を追加する]の項目のチェックボックスを外して「保存」をクリックする。

また、アカウントで動的広告グループでマルチメディア広告を自動で作成する設定になっているため、自動的に作成したくない場合は無効に設定する必要があります。

管理画面の左側メニューの[設定] >[アカウントごとのオプション]にて、[動的広告グループでマルチメディア広告を有効にする]の項目のチェックボックスを外して「保存」をクリックすることでオフにすることが可能です。

アクションの呼び出しの自動生成について

マルチメディア広告では、アクションの呼び出しが自動生成される設定になっているため、広告作成時に「アクションの呼び出し」の項目で行動を促すフレーズのボタンに表示する言語とテキストを選択する、もしくは、キャンペーン単位で自動生成をオフにする必要があります。

自動生成はしたくない場合は、以下の手順で無効にすることが可能です。

管理画面の左側メニューの[キャンペーン]にて該当のキャンペーンを選び、[設定] >[マルチメディア広告に対して自動生成されたコール トゥ アクションを有効にする]の項目のチェックボックスを外して「保存」をクリックする。

同時に配信できる数は広告グループ内で3本まで制限がある

マルチメディア広告は作成、配信できる広告アセットに制限があります。

1つの広告グループ内で合計5つまでのマルチメディア広告を作成できますが、実際に同時に配信できる「アクティブな広告」は3つまでとなっています。

そのため、3つ以上のマルチメディア広告を同時に配信したい場合や、レスポンシブ検索広告と合わせて同時に配信したい広告が3つ以上ある場合は、広告グループを分けて作成する必要があります。

配信機会は限定的

マルチメディア広告の最大の懸念点は、他の広告形式と比較すると現時点では配信量が少ない傾向があるということです。

表示機会が限られるため、短期間で大量のインプレッションを期待することは現状は難しいようです。

ただし、表示されたときのインパクトは大きいため、まずは広告セットを作成し、画像やロゴなどアセットの充実を図っておくことで、露出の機会を逃さないようにできると良さそうです。

マルチメディア広告の掲載結果を確認する方法

最後にマルチメディア広告の掲載結果を確認する方法についてご紹介します。

マルチメディア広告は、設定したアセットがどのように表示されているか、また、パフォーマンスが高いアセットの組み合わせを確認することが可能です。

パフォーマンスの確認方法

マルチメディア広告の成果が出ていない場合は、掲載結果を基にアセットの見直しや改善を検討してみてください。

1. 管理画面の左側メニューで [キャンペーン]  > [広告 & 表示オプション] > [広告] を選択します。

2. 広告の下にある [アセットの詳細の表示] を選択します。

3. [アセット] タブで、アセットごとのパフォーマンスを表示します。

4. [組み合わせ] タブでは、最もパフォーマンスの高いアセットの組み合わせを表示することが可能です。

まとめ

マルチメディア広告は従来のテキスト広告と比較して視覚的な訴求力が大きな強みです。

画像を効果的に活用することで、テキストだけでは伝えきれない商品やサービスの魅力を直接的に伝えられ、ユーザーの注目を集めやすくなります。

現状は配信量があまり出ないという懸念点もありますが、配信された場合の視覚的な訴求力は大きいため、今後の動向に注目したい配信手法です。

Microsoft広告をさらに活用したい方はぜひマルチメディア広告の配信を検討してみてください。

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