仕事に慣れてきて、日々の業務は問題なく回せるようになった。けれど、「他の会社でも通用するのだろうか?」「会社の後ろ盾がなくても通用するスキルなんだろうか?」と感じる瞬間はありませんか。
アナグラムが強みとする「広告運用やマーケティングによって成果を出す力」は、業種を問わず必要とされる汎用性の高いスキルです。加えてアナグラムでは、戦略立案から提案・運用・改善までを一人のコンサルタントが担う“一気通貫”の体制をとっています。
問い合わせ対応や請求書対応なども含め、事業全体に関わる経験を通して「一人でも食べていける力」を育んでほしいと考えているからです。
採用の場面でも「一人でも食べていける力を身につけられる会社である」と求職者の方にお伝えすることがあります。ただ、そう言うとどうしても「一人で食べていける力を身につけられるということは独立する人が多いのですか?」と質問されることが多いです。
「一人でも食べていける力」を身につけることは、“独立を推奨する”という意味ではありません。これまでにも独立したメンバーはいましたし、独立してほしくないというわけではありませんが、むしろ、そんな力を持った人があえて所属し続けたいと思える組織でありたいと思っています。
この記事では、「一人でも食べていける力」の真意と、そういった力を持つに至った人が組織に残りたいと思う理由を深堀りしていきます。
目次
「一人でも食べていける力」の真の意味
「一人でも食べていける」と言われると、「専門的なスキルが高い」人を思い浮かべるかもしれません。
たしかにそれも大切な要素ですが、私たちが考える「一人でも食べていける力」は、「業務の上流から下流までを一貫して遂行できる力」といったほうが適切です。そして、一貫して業務を担うためには、「自立」ではなく「自律」を目指して成長していくことが必要だと考えています。
「業務の上流から下流までを一貫して行える」とは
アナグラムは、戦略立案から提案・運用・改善までを一人のコンサルタントが担う“一気通貫”の体制をとっています。一気通貫の体制で働くうえでは、広告運用の専門的な知識を持つのは当然として、クライアント折衝や新規提案のスキル、法務やレポーティングに関する知見なども持っておく必要があります。

仕事のはじめから最後まで一貫して責任をもつことで、「自分は運用担当だから」「自分は営業だから」といった意識を持たずに、つねに視野を広く持つことができ、全体最適を考えながら業務を進められるようになります。そういった意識で様々な経験を積むことで、「いつ・どこにいても通用するスキル」を身につけることができるのです。
目指すのは「自立」ではなく「自律」
上流から下流まで、すべての業務を一人で担えるようになるというのは、果てしない道のりに思えるものです。しかし、アナグラムとしては「自律した状態」であれば、どんな状況においても「一人で食べていく」ことはできると考えています。
「自律」は、「自立」とは異なります。すべての業務を一人で担うのが「自立」だとすると、「自律」はむしろ、課題解決にベクトルを向け、必要であれば人に頼りながら解決していく状態のことを指しています。
運用型広告は次々に新しいソリューションが出てくる領域ですし、マーケティング全体のご支援を行うとなれば、さらに必要な知識は増えていきます。そんなとき、「やったことがないから…」と足踏みするのではなく、周りの力も借りながら課題を解決していく力こそが「一人でも食べていける力」なのです。
一人でも食べていける力がある人が組織に所属する理由
では、「一人でも食べていける力」が身についたとして、そのあとも組織に所属するのはなぜでしょうか。
その理由は、組織だからこそ可能な「一人では得られない成長の機会」と「より大きな挑戦・結果」が得られる構造にあります。
一人では得られない成長の機会がある
独立して働く場合、最新の動向をキャッチアップする機会や、自身の取り組みについて質の高い議論を行う場が減少し、結果として成長が鈍化する可能性があります。しかし、組織に所属することで、継続的な成長が見込めます。
最新の情報を吸収できる
媒体社から公開される情報は膨大で、公に開示されている中から、重要な情報を判別するのは困難です。
組織単位でみると、媒体社との密接な連携体制がとれるため、運用型広告に関する最新情報にいち早く・簡単にアクセスできます。これにより、情報の取捨選択に時間をかけることなく、業務に集中して知識を吸収することが可能です。
知見を共有する
アナグラムには、広告やマーケティングに関する最新の情報や、知見を共有し合うカルチャーがあります。

社内の情報共有は、一方的なものではありません。スタンプやコメントをしたりフィードバックが得られる、双方向なコミュニケーションがあるところがポイントです。情報共有に対してフィードバックがあることで、一人で学習するよりも多角的に理解を深めることができます。

また、こうしたフィードバック(リアクション)があると、自分のアウトプットが誰かの課題解決に役立ったと感じることができ「また次も共有しよう」と思えるのではないでしょうか。
この継続的な「インプット・アウトプット・フィードバック」のサイクルを回しやすい環境が、個人の成長の要因となります。
理解を深める議論
「グロースハック」と呼ばれる勉強会も、施策をマンネリ化させず、自らの成長を加速させる取り組みとして特徴的です。

グロースハックは、週に一度、複数のコンサルタントが集まり、自分が担当していないクライアントの成果改善について考える取り組みです。
ここでは、課題に対する解決策を各人が必ずアウトプットし、それをもとに議論をしていきます。わからないことについてはその場で話し合えるため、理解を深め、自身の成長にもつなげられます。
また、一人で担当をしていくとなると、成果が自分の経験や力量に左右されてしまったり、施策がマンネリ化することがデメリットとして考えられますが、この仕組みによって、複数のコンサルタントの知恵を借りながら解決策を講じることができます。
より大きな挑戦・結果が得られる
組織に所属していると、個人の限界を超えた成長の機会を得ることもできます。
コンフォートゾーンを打ち破る新しい役割
成長し続けるには、常に自分自身のコンフォートゾーンを広げていく必要があります。しかし、どんな人でも恒常性(※)があり、どうしても過去の成功体験や得意な領域に留まることで安全を確保しようとします。一人でいると、なおさら抜け出すのが難しくなるでしょう。

※恒常性:(ホメオスターシス)常に自分の状態を一定に保とうとする身体機能のこと。風邪を引いて高熱が出ても、36℃前後の体温に戻るのも恒常性があるから。心理的には、変化に対して恐怖を抱き現状維持しようとする働きのことを指します。
アナグラムでは、上長や人事との話し合いを通じて、組織のニーズと個人の潜在能力・キャリア志向を総合的に見極めた上で、新しい仕事に取り組む機会を提示することがあります。
実際、運用型広告のコンサルタントから、自社のマーケティング職、テクノロジー分野での新規事業など、「自分では難しいと思っていた(選ばなかった)挑戦」に出会っているメンバーもいます。
成長の幅を広げる機会があることで、メンバーを次のステージへ押し上げることもできるのです。
新たな分野への挑戦
運用型広告のコンサルタントは、組織内のポジション変化以外にも新たな分野への挑戦の機会があります。
運用型広告を軸にして身につけられるスキルは、マーケティング戦略、営業、テクノロジー、クリエイティブなど、多様な領域に広げられます。

周辺スキルをマンダラートで整理してみると、その多様さに驚くかもしれません。
もちろん、「これらすべてを網羅しよう」とすることが目的ではありません。大切なのは、その時々に必要なスキルを自分で選び、他のメンバーの協力も得ながら身につけていけるということです。
130人ほどの組織にもなると、ほとんどのケースで身につけたい分野に精通している人が組織内にいるという点で、新しい分野への挑戦もスムーズに進めやすいでしょう。
セーフティネットとしての組織
新しい挑戦に意欲を向けるには、生活と心の安定した基盤が不可欠です。組織に所属することは、挑戦を支える「セーフティネット」でもあるといえます。
経済的な基盤としては、給与や会社の制度が生活を支え、心理的な基盤としては、困ったときにすぐに相談できるひとが身近にいます。
挑戦には失敗がつきものですが、チームの存在が、施策の失敗やトラブルを個人で抱え込ませることなく、より大胆な施策に取り組むことを後押ししてくれるのではないでしょうか。
さらに、体調不良や育児・介護といったライフイベントの際にも、組織やチームに支えられることで、安心してメリハリのある休みに集中できます。
個人の限界を超えるために
ここまでで、「一人でも食べていける力」の真意と、その力を持つコンサルタントが組織に所属し続ける理由をお伝えしました。
私たちが考える「一人でも食べていける力」とは、一気通貫の体制と他者を頼りながら解決できる「自律的な力」をもとに、様々な経験を積むことで育まれていく力です。
そして、「一人でも食べていける力」を身につけたとしても、組織に所属する理由はたくさんあります。むしろ「一人でも食べていける力」を身につけることは、組織の中でより大きな成果を追求し、自律的なキャリアを築き続けるための第一歩と言えるかもしれません。
個人の限界を超えて成長し続けるために、組織という場をうまく活用してもらえればと思っています。



