前回の会議、これってどうなったんだっけ?打ち合わせ後に困らない議事録のとり方

前回の会議、これってどうなったんだっけ?打ち合わせ後に困らない議事録のとり方

「新規プロジェクトの案出しで盛り上がり、とても充実した会議だった。」
しかし後日思い返すとこのような疑問が次々と。

  • あれって本当に決まったのか?
  • 企画案はいつまでに報告するんだっけ?
  • 議事録を見るも曖昧な記述で良く分からない…。

議事録は打ち合わせを次のアクションに繋げるための大切な備忘録。特に上長や会議に参加していないメンバーにも共有する際は重要な証拠資料にもなります。

今回は打ち合わせ後に誰が見ても困らない、意義ある議事録作成のコツをご紹介します。


"決定事項"と"やるべきこと"を明確化する

議事録で最も重要なのは「決定事項」と「だれが、何を、何時までに」といったやるべきこと(タスク)を明確にすることです。曖昧な記述を避け、誰が見ても内容をすぐに理解できるように簡潔かつ客観的な視点でまとめます。

×:新商品の担当を○○さんに変更
 ↓
○:新商品の担当を○○さんに変更。新商品についての連絡は今後全て○○さんへ。ただしメールの際はCCに△△さんを入れること

×:新商品の動画広告配信準備を進める
 ↓
○:■■さんタスク;新商品の動画広告を○日に配信できる状態にしておく。

記述のポイントは参加メンバー以外の第三者が読んでも具体的な行動に落とせるように記載する点です。特にタスクの場合は少なくとも「誰が」「何を」「何時までに」の3つをセットで記述するのが絶対条件です。責任の所在を明確することで、後になって誰が何をするかうやむやになってしまうのを防ぎます。打ち合わせ中に少しでも曖昧な点があればその場で確認する癖をつけましょう。

数字や期日は誰が読んでも同じ認識になるように

「4~6月は予算○円」

これだけだと3ヵ月の合計予算なのか、月ごとの予算なのか誤解が生まれる可能性があります。

「4~6月の3ヵ月の合計予算○円」

このように数字と単位をセットで記載することでミスリードを防げます。

日程の記述も「月末まで」ではなく「4/30(月) 17:00まで」のように期日を決めて絶対指定で記載した方が誤解が少なくて済むでしょう。特にクリエイターなどとのやり取りの場合、「金曜まで」という曖昧な約束をしてしまうと、金曜23:59が期日とみなされてしまうなんてこともしばしばあり、事前に細かな時間で決めておくことが重要です。

他にも「予算はなるべく繁忙期の5月連休に寄せてほしい」など、共有すべき認識があれば必ずメモしておきます。会話中の微妙なニュアンスはその場では納得したつもりでも後になると不明瞭になりがちなため、数字周りの話し合いはでは特に注意を払います。結論が出た時点で「念のため再度ご確認させてください」と復唱して確認するとより確実です。
お金や納期の認識違いは特にシビアな問題なので絶対に防ぎましょう。

クライアントの課題意識・些細な懸念を押さえて次回の打ち合わせに活かす

取引先との打ち合わせの場合、相手からの質問や懸念点はなるべく記録に残して自社内だけでも共有するのがおススメです。本題から逸れた些細な疑問でもそれは相手が気になっているポイントであり、次の行動へ繋げるヒントになり得ます。

「資料にあるこの単語はどういう意味でしたっけ?」と聞かれた場合は次回からは資料に使う単語を分かりやすくする、都度簡単に説明を挟むなどして対応できます。

また、「議題とは関係ないですが、弊社で最近導入した○○はこの設定で問題ないでしょうか?」という質問があれば、打ち合わせ後に関連情報を提供することで信頼度も増します。次回の打ち合わせ時に“前回ご質問いただいた○○はその後順調ですか?”と様子を伺ってみるのも良いでしょう。

次の行動に繋げられそうな発言はメモしておくと次回の打ち合わせまでに先回りして対策することができます。メモベースでも良いのでぜひ記録しましょう。

議事録をテンプレート化して確認すべきことを予め決めておく

議事録は事前に決定したい事項・確認すべきことを記載しテンプレート化しておくのがおススメです。議題の結論やタスクはもちろんですが、例えば毎月確認している予算・次回の打ち合わせ日程なども項目に固定して入れておきます。打ち合わせ時にテンプレートを埋めていく要領で確認漏れを防ぐことができ、議事録を毎回一から作る手間も省けます。

目的別に項目を分けることで読み手も見るべきポイントが分かりやすくなります。議事録は参加メンバーと共有できるオンライン上のシートにまとめておけば打ち合わせ後の共有もスムーズです。

組織によっては議事録のフォーマットが決まっている場合がありますが、事前にテンプレートを作っておき、なるべく書き写す手間が省けるようにしておくと良いでしょう。反対にフォーマットが決まっていない場合は重要でない項目(例えば打ち合わせ場所など)を削るなど簡略化してより本質的な内容に集中できるようにするのもアリです。

議事録はその日の内に、いち早く共有する

議事録は打ち合わせ後の記憶が新しい内に共有しましょう。自分の認識違いはないか、主観で判断した箇所がないかを参加メンバーにチェックしてもらうことをおススメします。正式な文書として提出する場合でもフォーマットの整形は後からできるので内容だけでも先に確認しておくと良いでしょう。

議事録をもっと使い倒すための工夫

参加者は役割とセットでメモ

特に始めて会う人であれば氏名と役職に加え、その人の役割を具体的にメモしておくと良いでしょう。業務内容と担当領域、決裁権を持っている人物かどうか、その人が社内で追っている目標、気にしがちなポイントなどを押さえておきます。今後の打ち合わせで議論や提案を行う際、双方がWin-Winな関係になるためには誰に何を伝えることが効果的なのかを判断する材料になります。

フィードバックを貰って改善を重ねる

議事録はメンバー間で共有した際、ぜひフィードバックを貰って改善を重ねましょう。他者の意見を取り入れることで情報を正しく伝える力も鍛えられます。分かりにくい点はなかったか、もっと良いまとめ方はなかったかなど、数を重ねるごとに議事録をより良いものにしていきましょう。

議事録のテクニックは電話でも活躍

話の要点を分かりやすく簡潔にまとめることは、議事録以外、例えば電話の際のメモにも役立ちます。会話の内容を簡潔にまとめ、電話の直後に相手にメールなどでテキストにして送付すれば認識違いが防げます。また、ビデオ通話サービスであればチャットを併用してその場でテキストを共有することができるのでおススメです。 

上司同士の会議でも自分ごと化してノウハウを吸収する

例えば新入社員が上司同士の会議で書記として参加する場合、発言の機会はないことがほとんどだと思いますが、そんな時こそ議事録を通して社内外でどのような動きがあるのか、上司の話し方、商談の進め方など、生の情報を得て理解を深められる貴重な機会をぜひ活かしましょう。

新入社員が会議に参加するのは、後に自分がその仕事に関わることを見越した上司の意図である場合もあります。会議で話されている内容はいずれ自分が担当する仕事であると、会議に当事者意識を持つことも情報をより的確に記録することに繋がります。

おわりに

議事録の目的はあくまで情報の共有とその後のアクションをスムーズにすることです。丁寧・詳細に仕上げることも大切ですが、簡素であっても内容が誤解なく伝わり、いち早く次の行動につなげられることがより重要だと筆者は考えています。また、せっかく作成するのであれば、わかりやすく簡潔に伝える文章力を鍛えたり、仕事に関する情報をインプットしたりと、自身にとっても有益な機会にしたいですね。次の会議の際はぜひ参考にしてみてください。

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