多数のFacebook広告を一括管理できるツール「パワーエディタ」が広告マネージャへ統合されるアップデートが2017年9月に発表されていましたが、Facebook社の発行のニュースレターによると全アカウントへの適用が2018年の2月中に完了予定とのことでしたので、現在すでに反映されているものと思われます。
パワーエディタの強力な広告作成編集機能を広告マネージャ上で利用できるようになりましたが、いま一度のアップデートの変更点をおさらいし、加えて筆者が感じた注意点を以下にまとめました。
アップデートのおもな変更点は以下の通りです。
- 広告作成フローの統合
- 下書きの自動保存
- 広告レポートの機能一本化
目次
広告作成フローの統合
広告の新たな作成機能「ガイドツールを使用した作成機能」と「クイック作成機能」の2つが選択できるようになります。これにより広告を作成するユーザーは、自分に合った作成フローを選ぶことができます。以下に2つの作成機能についてご紹介します。
ガイドツールを使用した作成機能の場合
この機能は広告の作成手順を最初から最後まで、詳しいガイド付きで作成できる機能になります。主にFacebook広告を始めて利用する方や、旧広告マネージャのガイドツールのワークフローを希望する方が対象といえそうです。
クイック作成機能の場合
この機能は「ガイドツールを使用した作成機能の場合」とは違い、自分が好む順番で「キャンペーン」、「広告セット」、そして「広告要素」を作成することができます。主にパワーエディタの広告作成フローに慣れている方が対象といえそうです。
下書きの自動保存
パワーエディタに実装されていた下書き機能が常時機能するようになります。この機能により、広告要素をそれぞれ設定し、後でまとめて公開するという柔軟な運用が可能です。ただし、変更を加えた際にはその確認と公開の操作が必須になります。
以下に下書きの保存からその確認、実際に公開するまでの手順をご紹介します。
管理画面上で何らかの変更を加えた場合、下書きとして自動保存され①をクリックすることで変更箇所を改めて確認することができます。
②で変更箇所を確認した後、③をクリックして初めて実際に公開されることになります。
下書き機能に馴染みのない旧広告マネージャを利用していた方は、公開し忘れに注意しておきたいですね。
また、公開が行われていない下書きが保存されたまま広告マネージャから移動しようとすると、変更箇所の確認と公開を促すリマインダーが表示されるようになっています。とはいえ、あとで公開しようとして忘れた、という人的ミスは不可避ですので十分に注意しましょう。
広告レポートの機能一体化
旧広告マネージャと旧パワーエディタのレポート機能が統合して使えるようになります。アップデート以前は、それぞれで利用できるレポート機能に違いがあったため、用途に合わせて切り替える必要がありました。しかしこの統合で切り替えが不要になり、よりスムーズな運用を行えるようになります
思わぬ落とし穴に注意点
下書き機能が働かない例外パターン
今回のアップデートで下書き機能が自動的に保存されるようになりますが、一部例外があります。それはレポートテーブルから直接変更が加えられる項目に関しては下書きの自動保存が行われず、即時反映されることです。
上記の管理画面上を例にあげると、直接変更を行える項目は以下が該当します。
- 配信のアクティブ/オフの設定
- 広告セットなどの名称変更
- 一日予算の変更
これらをレポートテーブル上で直接変更を加えると、即時反映されます。
加えて同じ対象について保存済みの下書きがある場合、同時に反映されます。
例)広告セットAの予算変更を下書き保存。その後、レポートテーブルで広告セットAのステータスをオンにし公開。
→予算変更とステータスの変更の両方が広告セットAに適用されます。
このような場合、公開時には上記のようにアラートが出てきますが、意図せずうっかり公開してしまうのには気をつけたいところです。
ただし同時反映が適用されるのは、「同じ対象について保存済みの下書きがある場合」のみです。
例)キャンペーンCの配下に広告セットAが含まれる場合
広告セットAの予算変更を下書き保存。その後、レポートテーブルでキャンペーンCのステータスを変更し公開。
→この場合、広告セットAの予算変更は公開されません。
こちらのケースでは、同じキャンペーンに含まれるから他の変更も一緒に公開されると思い込んでいて、実は公開されていなかったなどのミスに繋がりかねません。
これまでもこれからも同様ですが、変更後は必ず対象が意図通りに変更されているかチェックすることをオススメします。
参考:新しくなった広告マネージャで広告を編集するにはどうすればよいですか。 | Facebookヘルプセンター
誤った下書きの消し忘れ
誤った変更を加えたとしても、その変更は下書きとして一度自動的に保存されます。その下書きを適切な手順で削除しなければ、誤った下書きとして残り続け、意図せず配信に反映されてしまうことも起こりえます。
その対処法としては、まずは誤った下書きが自動保存されてしまった場合のその場での削除を心がけましょう。
その他、変更を加える前に「確認して公開する」ボタンをチェックするクセをつけ、必要に応じて「広告マネージャをリセット」「下書きを破棄する」で、いま現在の設定内容に戻しておくのが良さそうです。
保存済みフィルター設定のリセット
保存していたレポートテーブルのフィルター設定はアップデートに伴い一度リセットされます。管理上の理由等でフィルター設定をしている場合は、アップデート後に再設定する必要があります。
最後に
レポート機能の一本化や下書き自動保存機能など、今回のアップデートにより広告運用者はよりスピーデでミスが少ない運用が可能になります。こういった機能はとても便利ですが、下書きの消し忘れといった思わぬミスにつながる恐れもあります。私たち運用型広告の運用者は日々のアップデート情報をしっかりと確認したうえで、そこに伴いやすいミスまで先回りして把握することが大切ですね。