リスティング広告アカウント全体データのトレンド分析、正しい考察

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リスティング広告のアカウントの成果を判断するために重要なトレンド分析。何やら難しそうな言葉に聞こえますが、良くわからないと放置してしまっては変化に対応できず成果が悪化してしまいます。トレンド比較は運用者のセンスではありません。どんな人でもしっかりとした考え方のフレームワークをもっていれば必ず成果をあげることが出来ます。しかも意識すべきことはそんなに多くはありません。

トレンド分析は何のためにする?

そもそもトレンド分析をなぜするのか。前提から考えてみましょう。トレンド分析とは「外部要因・内部要因がアカウントに及ぼす変化・影響を時系列で明確にすること」。そして、その分析から導き出された乖離を元に今後のアカウントの運用方針を策定します。つまりはトレンド分析の出来によってアカウントの成果が決まるといっても過言ではありませんね。

なぜトレンド分析のミスが起きるのか

リスティング広告運用者がトレンド分析を誤ってしまう理由は見るべき指標、参考にする指標、優先順位を誤っているからです。成果の揺れが外部要因によるものなのか、それともアカウント運用の過程で起きた内部要因で起きたものなのか。いったいどちらで変化が起きているのかは基本的には指標の見方さえ分かれば判断できるものです。ただし、諦めず、優先順位を持って可能性を探ることが必要不可欠です。

正しいリスティング広告アカウントのトレンド分析の優先順位

たとえば、アカウント全体で昨月比10倍のインプレッション数を計測しているアカウントがあったとします。それは外部要因によるトレンドの変化でしょうか?内部要因による要因でしょうか?

ここで大事なのは、先に疑うべきは内部要因であるということです。予算の解放、配信プロダクトの追加、入札の強弱、キーワードマッチの変更、新しい広告文やバナーなどのクリエイティブの追加などなど、まずは自身の運用・施策によって何かしらの影響を与えてしまったのかどうかを、徹底的に原因究明する必要があります。

その中で、セグメント毎の指標を比較・分析することが必要不可欠ですよね。キャンペーン構成にもよりますが、多くの場合、キャンペーン毎で施策比較をするのでは不十分であり、デバイス毎、プロダクト毎の詳細なトレンド分析が必要と言えます。

その後、さまざまな角度のアプローチでも内部要因が見つからないようであれば、初めて外部要因を疑うフェーズに入ります。つまり、外部要因を先にやり玉に上げてしまうのはただの思考停止であり、怠慢であると言えるでしょう。

外部要因の代表的な文句の一つに「検索数が増えたからインプレッション数が増加した」といったものが出がちですが、ほとんどのケースでそれらは誤った解釈です。
※完全一致のキーワードマッチを利用し、特定のキーワードのみを抽出、その上で同デバイスでのトレンド分析の結果インプレッション数が増加しているのであれば、「検索数が増えたからインプレッション数が増加した」と解釈してもよいでしょう。

このようにさまざまな切り口で最小単位まで切り分けて分析することで、初めてトレンド分析は有効なデータになり得ます。逆に言えば、例外はあれども多くの場合は最小単位までブレイクダウンしていないトレンド分析はあまり意味はなしません。

特に注意すべき指標

インプレッション数・クリック率・コンバージョン率、これらの指標でのトレンド分析は特に注意する必要があります。経験上はこれらの指標はアカウント単位でのレポートでは変動が大きく、数字がよく変化しがちなのでクライアントや社内でも変化の理由を問われやすい指標です。たとえば「インプレッション数増、クリック率減、コンバージョン率減」のような成果が出た時。字面だけ見ると外部要因のトレンドで検索数が伸びたが成果が悪くなっているかなと思ってしまう可能性がありますが、まずは疑ってかかりましょう。

コンテンツターゲットなどを中心とするGDNなどが好調で入札単価を引き上げた時などが良い例で、コンバージョン数が伸びてコンバージョン単価が下がっていてもアカウント全体ではクリック率は下がり、その結果コンバージョン率などは下がってしまう時があるのです。

特にコンバージョン率は要注意です。コンバージョン率は非常にゴールに近い数字ですから注目されがちです。こういった大事な数字こそ、アカウント単位ではなく最小単位までブレイクダウンしたデータでの分析でなければ、そのコンバージョン率の比較には何の価値も無いと言えます。

アカウント全体ですべきトレンド分析とは?

筆者はアカウント全体のトレンド分析で必要な指標はコスト・コンバージョン数・CPA、売上(場合によってはクリック数)だけだと考えています。なぜなら、これらは総計が目標であり、総計の方が意味を持つ数字だからです。それ以外の数字も大事ですが、前述の通り比較するには前提条件や指標などを整えた上で分析をしなければ、その分析結果には価値がないといえるでしょう。

まとめ

誤解を恐れずに言えば、コスト・コンバージョン数・CPA、売上などを除いたアカウント全体の数値は操作できてしまいます。

大雑把に言えばGDN,YDNのリマーケティング、リターゲティング以外の機能を止めればクリック率とコンバージョン率はあげられます。インプレッション数を増やすのであればGDN,YDNのターゲティング精度をゆるく出稿すれば済む話です。そんな変動が容易に起きてしまうものをアカウント全体で比較するのはあまり有用ではありません。

ビジネスにもよりますが、ほとんどのケースでリスティング広告アカウント全体データのトレンド分析ではコンバージョン数、CPA、売上などにフォーカスしてトレンド分析を行う。その他の指標では最小単位までブレイクダウンした数字でトレンド分析をする。そうすることで、数字の変化が外部要因によるものであるのか、内部要因によるものなのかが明確に見えてきます。

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Daisuke Ikegawa

Daisuke Ikegawa

アナグラム株式会社 クルー。 個人アフィリエイトを大学2年時に始めたことからweb業界に興味を持ち、SEOコンサルティング会社でのインターン、物流を主力事業としたベンチャー企業のweb担当兼、営業を経験して2015年からアナグラムに参画。現職ではリスティング広告の運用やブログの執筆を主に担当しています。