ひとを動かすために意識しておきたい、コミュニケーションのコツ6選

ひとを動かすために意識しておきたい、コミュニケーションのコツ6選
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なぜ依頼したことをやってくれないのだろう

仕事を依頼する時、依頼した人がなかなかその仕事をやってくれなかったり、自分の依頼したのとちょっと違うものが戻ってきたり、なんてことはありませんか?

原因を振り返ってみると依頼の意図が相手に伝わっていなかったり、納期をそもそも設定しておらず依頼された側の優先順位が落ちていたりと、依頼する側と依頼される側の認識に相違があることが多いのではないでしょうか?

運用型広告も多くのパートナーと関わる仕事です。広告代理店であれば広告主や媒体社、ツールなどのベンダー、場合によっては制作サイドなどさまざまなパートナーとの協力が必要不可欠です。どのような立場のパートナーとのコミュニケーションにおいても意識すべきコツには共通点があります。「なぜ依頼したことをやってくれないのだろう」「なぜいつもスケジュールが遅れてしまうのだろう」など、コミュニケーションでストレスを抱える場面が多かった私が、実践してスムーズなコミュニケーション行えるようになった「コミュニケーションの6つのコツ」をご紹介します。


1.Why so?(それはなぜ?)を伝える

なぜ依頼しているのか、その背景を依頼と一緒に添えて伝える方法です。

自身の依頼の仕方を思い出してみてください。「○○してください」や「○○お願いします」のなど作業内容を記載するだけになってはいませんか?

もちろん、このテキストを簡潔で分かりやすいと感じる人もいるかもしれません。しかし一方で、受け取った側は「いきなり、なぜ?」と感じてしまっているかもしれません。結果的に、その依頼を受けてくれれば問題はないのですが人によっては後手に回されてしまったり、私だったら依頼内容について「なぜこの依頼をするのか」など質問にいきます。そうなると、依頼する方やされる方双方にとって説明の手間が後に生じてきます。

そのため依頼時に以下のように依頼の背景(理由)を添えて依頼文を作成します。

【Before】
過去3ヶ月の検索語句レポートを出してください(依頼)

【After】
直近で獲得できている検索語句をもとに、新しい訴求軸をクライアント様に提案したいので(理由)
過去3ヶ月の検索語句レポートを出してください(依頼)

このように依頼時に「Why So?(それはなぜ?)」を伝えることで、「何のために(For What)」という目的を相手に伝えることができます。

ゴールを提示せずにただ走れというのではなく、しっかりとゴールを提示することで走る側のペース配分や本来のポテンシャルを引き出すことができるのです。

2.お互い合意のうえで期限を明確にする

依頼時にタスクをいつまでにやってほしいのかという期限を明確にする方法です。これは、依頼する側と依頼される側の立場の違いによって状況は変わってきます。

例えば、社内間でのやり取りの場合。

依頼する側「【〇月〇日(〇曜日)まで】に○○をやって頂きたいのですが、タスク状況を踏まえて現実的でしょうか」

依頼される側「いつもなら大丈夫なのですが近々でやらないといけないタスクがあり、それを優先させなければならないので【〇月〇△日(〇△曜日)まで】でもいいでしょうか」

依頼する側「分かりました。【〇月〇△日(〇△曜日)まで】にお願いします」

テキストでも直接口頭でのやり取りでもいいのですがこのようなやり取りがされれば、お互いの合意の上でのスケジュール設定を明確にすることができます。

一方で対クライアント様の場合、毎度生じる依頼に上記のように逐一確認をとってしまっては、遠隔での連絡の場合は特に、連絡数を増やしてしまうことになりかねません。そうすると、お互いにとって負担が増え逆効果になる場合もあります。

その場合は、依頼する側から事前に依頼を受ける側の状況を加味して余裕のあるスケジュール設定で期日を指定してあげると良いと思います。

その際に、一言「スケジュールが難しい場合はおっしゃってください」などを添えてあげるとより親切ですね。

3.口約束だけで済まさず、テキストでも残す

打ち合わせや電話を中で「これやっておいて」なんて仕事が突然発生することも多いですよね?

その場合、そこで決まった決定事項は必ずお互いが確認できる場にテキストで残しておきましょう。そうすることで、言った言わないの押し問答になりタイムロスとなるリスクをお互いに回避することができます。

そのスケジュールと一緒に、お互いのTodoをまとめて記載しておけばより親切かと思います。

例)

4.「自分ごと」だと気づくように伝える

この依頼を受けることで相手の利益にどのように寄与するのかを伝える方法です。相手の利益とは、社外の人の場合評価ポイントや相手が追う目標なども当てはまります。

特に、社外の人とのやり取りが多い場合、は相手の評価ポイントや追っている目標は知っておいて損はないかと思います。しかし、初対面の相手にいきなり「あなたの評価ポイントは?」と聞いてしまうのも失礼に当たる場合もあるので、時と場合を考えそれとなく聞いてみるのをおすすめします。

相手の評価ポイントを知ることで、依頼内容が依頼される側の評価や利益にどのように結びつくかを理解し、依頼をすることができます。そうすることで、依頼時に相手の利益にこの依頼がどのように結びつくのかを合わせて伝えることで、「自分ごと」として依頼相手のタスク優先度も上がりやすくなります。

対クライアント様や対媒体社さんの場合、多くの場合売上を目標に据えているところが多いと思います。そのため、この依頼をご対応いただくことで「売上が100万円増える想定です」と具体的に数字を言われた方が漠然と「売り上げが上がります」と言われるよりも優先度は上がりますよね?加えて、依頼内容が複数ある場合は売上など相手の評価ポイントへの影響度として大きいものから優先付けをして依頼をすると、依頼を受け取る側もわかりやすく且つ、動きやすくなるのではないでしょうか。

5.相手への負担を極力少なく

もし「ちょっと調べてから出ないと返信できなさそうだな・・」と考えた場合、その依頼はいったん後回しにしてしまいますよね。

すぐに返信をしてもらえたり、相手に動いてもらうためには、相手への負担を極力少なくすることが重要です。

・相手に取ってほしいアクションを明確に
例)メールの件名「【確認依頼】新規広告テキストのレギュレーションチェック(8/28まで)」

・少ない選択肢で答えられるように
例)以下のABのどちらにいたしましょう?私は〇〇であればAがよろしいかと思います。」

・添付ファイルの確認してほしい箇所をメールに明記
例)「A列の黄色のセルをご確認ください」

難しいことはなにひとつなく、どれだけ相手の面倒を減らせるかがポイントです。

6.テキストにも感情を添える

日々の業務におけるやり取りはメールやチャットなど、テキストでのやり取りが多いと思います。

さっきまで仲良く話をしていたのにメールになるとかしこまっていて、もしかしてなにか怒っているのでは?と思った経験はないでしょうか。つまり、テキストだと相手の感情が読み取りにくいのです。

例えば、当たり前のことですが何かをしてくれた相手には「ありがとう」を必ず伝えますよね?ビジネス上においては「誠に有難うございました」と固い定型文でやり取りを行うことも少なくありません。個人的に、テキストで見ると少し冷たく感じてしまうのは私だけでしょうか…。

たとえば、相手への感謝を伝える場合、以下のように表現を変えるとどうでしょう?

「誠に有難うございました」

「本当にありがとうございました!!助かりました!」

いわゆる堅い文章は丁寧ではありますが、他人行儀な感じがしてしまいませんか?表現を変えると、本当に助かった!ありがとう!!という相手の表情が読み取れます。

ちなみに、ひらがなに変えても意味が通じる箇所は漢字よりもひらがなを使うようにしています。なぜなら、ひらがなの方が柔らかい雰囲気を相手に伝えられると考えるためです。

相手の感情を想像してコミュニケーションを行わなければならない状態は、手探り状態ですし気も使いお互いにとってタイムロスになることが多いでしょう。文章で感情を少しでも伝えられれば、お互いの距離感を縮めることができます。

※もちろん、相手との立場の違いや状況に応じて適切な表現は変わります。砕けた言い方や感嘆符を使うこと自体を推奨している内容ではありませんので、ご注意を!

最後に

これらコミュニケーションのコツを抑えることで、運用型広告に限らず日々の業務に携わるうえで関わる様々なパートナーとのコミュニケーションを円滑に行うことができるようになります。仕事もはかどり効率化を図ることに繋がります。

また、なによりもこの人と仕事がしたい、この人と話したいなどの信頼につながるのが一番のメリットと考えます。

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