運用型広告の業務スキルを高めてくれる、運用型広告とはあまり関係ないビジネス実用書10選

運用型広告の業務スキルを高めてくれる、運用型広告とはあまり関係ないビジネス実用書10選
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今や広告プロモーションを考える上で無視できない存在となった運用型広告。そんな運用型広告を取り巻く状況は日々目まぐるしく変化しており、業務に携わっていらっしゃる方々におかれては日々自己研鑽に勤しまれていらっしゃるのではないでしょうか。

今回はそんな運用型広告の業務に携わっている方を対象に、運用型広告の業務を大きく以下の4つに切り分けそれぞれの業務スキル向上に繋がるヒントとなるようなビジネス実用書を私の独断と偏見でご紹介いたします。

  • アカウント構築
  • アカウント分析&運用調整
  • 資料作成
  • クライアントワーク

それでは見ていきましょう。


【アカウント構築編】

『○○業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』出版社:秀和システム

リスティング広告しかり、Facebook広告しかり、まずは運用していくアカウントを構築する必要があります。もちろん、そのアカウントは単に作れば良いという単純なものではなく、マーケティングの戦略を具体的に落とし込んだ、いわば広告運用者の分身とも言える血と汗が滲んだ結晶です。もちろん、携わるクライアントの業界に関する知識は必須ですし、知らなければリサーチして前提知識を入れておく必要があります。そんなときにこの『○○業界の動向とカラクリがよ~く分かる本』は非常に役に立ちます。

出版している秀和システムは、大学生が就職活動を行う際の業界研究用に作られているようですが、幅広く業界に関することが書かれており、全く馴染みのない業界のクライアントに携わる際には一通りこのシリーズを読んでから取り組むと、クライアントと共通言語で話すことができるようになるでしょう。

事業戦略のレシピ

こちらはコンサルティングファームのローランド・ベルガー出身の方が「実際に機能する戦略の作り方」に焦点を当てて書いた本ですが、筆者としては情報を収集して整理する行う際に最も役に立つ1冊であると捉えています。

具体的には、第二章のフレームワークに関する部分が非常に参考になります。単なるフレームワークの紹介にとどまらずその解釈の仕方や具体的な活用方法が書かれており、どんな切り口で情報を集め考察を深めていけばよいのかを理解することができます。この章のやり方を元にリサーチを行えば、ある程度網羅的にクライアントに関する情報を集め整理することができるのではないでしょうか。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

こちらもコンサルティングファーム出身の方が書いた本です。この本は1999年に出版されてから何度も重版されている歴史ある本であり、新卒でコンサルティング業界に入ると「いの一番に」手渡されると言っても過言ではない良書です。

筆者は長年マッキンゼー・アンド・カンパニーで資料作成の技法を社員向けに教えており、筆者が考案した「ピラミッド原則」と呼ばれる考え方をもとに論理的な文章を書く事に焦点を当てて解説されています。1度読んだだけでは少し分かりにくい内容や読みづらい翻訳がなされている部分もありますが、何度か読み返すことで論理的な思考力を身につけることが出来るでしょう。また、構造的な文章を書くことにもフォーカスしているため、資料作成の際にも役に立つ一冊です。

【アカウント分析&運用調整編】

ザ・ゴール ―企業の究極の目的とは何か

一見すると辞書のような分厚さ、警告色を放つ黄色カバーをまとった姿はついつい敬遠したくなってしまいますが、いざ読んでみるとストーリー仕立てで書かれているため外観からは想像出来ないほど読みやすい本です。

物語は主人公が工場閉鎖を告げられる場面からはじまり、工場の危機を脱するまでの一連の物語を描いています。この本で最も参考になるのは「俯瞰的な視野を持ち、全体のパフォーマンスに最もインパクトを与えているボトルネックはどこか?」という視点です。この視点は運用型広告の分析の中でアカウントの数値全体に影響を与えているボトルネックはどこか?そのボトルネックをどのように改善すればアカウント全体が改善するのか?という思考に大いに役立ちます。最近では漫画版も出版されているようですので、読み切る自身のない方はまずそちらから読んでみても良いかもしれませんね。

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

著者の安宅氏は東京大学大学院生物化学専攻にて修士号取得後マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社、4年半後イェール大学脳神経科学プログラムに入学し学位を取得し同社に復帰したのち、Yahoo!JapanのCOOとしてご活躍されている異色の経歴をお持ちの方です。

この本は問題解決に焦点を当てて書かれたものですが、「解決しようとしている問題に着手する前に、まずその問題そのものを解決すべきかどうか見極めろ」という一言に尽きるのではないでしょうか。「時間を掛けているのに成果がでないのはなぜ?」「今自分のやっていることは本当に意味があることなのか?」といった悩みを持っている方には特にオススメです。

問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門

一言で申し上げると「誰のため?何のため?」を徹底的に考える本です。この本はファンクショナル・アプローチ(米国ではバリュー・エンジニアリング)というアメリカのGE社が生み出した思考法を元に、普段の身近な事例を通して「誰のため?何のため?」を徹底的に深掘りしてモノゴトの本質に迫っていきます。

この本の著者である横田氏は日本でファンクショナル・アプローチを広められている第一人者で、私も直接講義を受けたことがあります。徹底的に要素分解し、ビジネス全体に最も良いインパクトを与える要素を見つけ、改善案を出すという一連の流れは、リスティング広告においてアカウント分析から改善提案までの一連の流れと極めて酷似しており、運用型広告の業務を行うにあたり大いに役立つこと間違いなしです。

【資料作成編】

ノンデザイナーズ・デザインブック

そのタイトルの通りデザインの専門家ではない人向けに書かれた本です。本格的にデザインを学んだことはないけれども、見栄えの良い資料を作成したり読みやすいレポートを作成したい、と言う時に大変役立ちます。

デザインや配色の基本原則や具体的なケースの両悪が例示されており、知っておくだけで普段の資料作りに活かせる要素ばかりです。読むだけで「教わった感」があるような本なので、デザインを学んだことがない方にはかなり納得度の高い一冊となるのではないでしょうか。

ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術---数字力が一気に高まる基本スキル

モルガン・スタンレー出身で現在はスマートニュース株式会社に在籍していらっしゃる熊野氏が書かれた、徹底的にエクセルを見やすくする本です。複雑な関数やショートカットを使いこなすのではなく、最低限のショートカットを覚え、見やすくキレイなフォーマットで、ミスなく素早くエクセルを作ることを目的としています。運用型広告のレポートをエクセルで作成する際に、クライアントに見せても恥ずかしくないエクセルが、この本を読むだけできっと作れるようになれます。

【クライアントワーク編】

伝え方が9割

元博報堂のコピーライターとして勤務されていた、佐々木圭一氏の著書です。同じことを伝えたとしても、伝え方が異なるだけで結果が違ったのでは・・・と考えた事はありませんか?私は時々、そんなことを思う事があります。

「どのように物事を伝えれば自分が臨む結果に導けるのか」にフォーカスを当て、佐々木氏の経験を元にした具体例を交えながらわかりやすく紹介されています。ややテクニックに関する記述が多い印象ですが、実際に用いる場合は舌先三寸にならないように意識すれば実務にもしっかり役に立つことでしょう。

外資系エリートのシンプルな考え方

マイクロソフトでご活躍されている澤円氏の著書です。この本は具体的なテクニックというよりも「物事を伝える上での気構え」にフォーカスして書かれています。近年多くの企業でメールやチャットツールをはじめとするオンラインでのやり取りが増える中で、「自分が発信するこのメッセージを相手がどのように受けとるのか」という事を改めて考えさせてくれる本です。社会人1年目の方には是非読んで欲しい1冊です。

最後に

ここで挙げた本が必ずしもすぐに役に立つとは限りませんが、少なくとも私にとってはここで挙げた本に何度も助けられた経験があります。自分の力だけでは解決できない問題に直面した時、最も手っ取り早い解決方法は他者のアタマを借りることでしょう。中でも書籍は他人の経験や思考が体系化されており、誰でもが手っ取り早くアクセスできる情報ですのでこれを活用しない手はありません。

この記事を振り返ってみると「外資系」や「コンサルティングファーム」のような仰々しいキーワードが多く並びましたが、内容としてはシンプルかつ、分かりやすい本が多かった印象を持ちました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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