フィードフォース×アナグラム両代表が伝えたい、現在&未来のフィードフォースグループ従業員へ

アナグラム株式会社は2020年1月にフィードフォースグループへのジョインを発表しました。この対談は、今いる従業員やこれからきていただく未来の従業員へ向けて、フィードフォースグループとして両社の代表にこれから会社の進む道や採用について語りつくしていただこうと社員が勝手に企画したコンテンツです。

このインタビュー記事を読んで、興味を持っていただけた方、フィードフォースのことが良く分かるnoteや、アナグラムのことを気軽に知れるカジュアルな会社説明会なども開催しておりますので、ぜひ気軽にご連絡くださいませ^^

グループジョインによってお互いにとって足りなかったピースを手に入れた

――本日はよろしくお願いします。さっそくですが、アナグラムのグループジョインの発表には従業員含め多くの人が驚いたと思います。改めてフィードフォースグループとなったことで、今後どのように変わっていくのかを教えてください。

株式会社フィードフォース 代表取締役社長 代表取締役社長 塚田 耕司

塚田:はい。まずアナグラムは運用型広告に強いという特徴がありますが、広い意味ではマーケティングに非常に強い会社です。それは阿部さん自身の発信力はもちろんですが、アナグラムのSNSアカウントの運用や記事などのコンテンツを作る力、そういうものを全部ひっくるめて。

一方で、フィードフォースというのは半分くらいがエンジニアの組織で、SaaSを中心にIT領域でのものづくりが得意な会社です。マーケティングが得意な会社とものづくりが得意な会社、その二社が一つのグループになることで、より世の中に求められていることに柔軟に対応できるようになると考えていますね。

例えば、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」領域。ぼくの解釈では 「DX」というのはユーザー体験はもちろん、企業のビジネス自体も含めて、価値提供の仕方を変えていくことなんですよね。そう考えるとエンドユーザーに一番近い所で価値を生み出すことがすごく大事になってくる。

プロダクトに関しても今後はプロダクトアウトではなく、マーケットインで作っていかなければSaaS領域でも通用しなくなってくると思います。エンドユーザーへの価値提供を得意とするアナグラムがジョインすることによって、ユーザーやマーケットを起点とし、そこからITのワークフローにつなげていく部分まで全てを今後は自社グループ内でやっていきたいですね。

阿部:アナグラム側からの視点でいうと、うちは元々が広告代理店事業なのでこれまで色々なビジネスを見すぎて、プロダクトを作りにくい体質なんですね。企業が加速度的に成長するためにはどうしてもプロダクトが必要なのですが、グループジョインによってプロダクトを作れるピースを手に入れたと思っています。

現場ではすでに、フィードフォース広告運用チームの一部がアナグラムに参加する留学制度を実施してたりしますね。一気にくっつけてコンフリクトを起こしてしまっても良くないので、徐々に一緒にできる道を探しています。

――今後徐々に交わっていくんですね。楽しみです!ジョイン発表の際、社内から不安の声とかはあがりませんでしたか?

アナグラム株式会社 代表取締役 兼 株式会社フィードフォース取締役 阿部 圭司

阿部:特になかったですね。もちろん「この部分はどうなっていくんですか?」とか「これから動きが変わっていくんですか?」とか、上場企業のグループになるので管理面などで質問は出てきましたが、不安というよりも「こういう事もやっていいんですか?」「これもできますよね!」みたいなポジティブな意見が多かったように思います。フィードフォース側はどうでしたか?

塚田:フィードフォース社員も「これから面白いことが起こりそう」という声しかなかったですね。アナグラムは本当に業界内で尊敬されているじゃないですか。なので「あのアナグラムさんが一緒になってくれるんだ」みたいな。ポジティブな声が多かったです。

阿部:それは素直にめちゃめちゃ嬉しいですね。

世の中の仕事へのネガティブなイメージを変えていきたい

――フィードフォースは『テクノロジーで働くを豊かにする』、アナグラムは『マーケティングで豊かな未来を創造する』を掲げていて、『豊かにする』という点で目指す方向性が非常に似ていますよね。お二人が考える「豊かさ」とは?

阿部:すごく難しくて、ぼくの中でも「豊かさ」の答えは出てないです。少し前までは選択肢の多さが豊かさだと思っていたんですけど、いまは逆で、自分の身の丈に合う情報じゃない限り選択肢が多すぎると不幸になるというのが結論ですね。ただ、どこまでが本当に必要な情報でどこまでが身の丈に余る情報なのかという線引は状況に応じて模索しています。

話がすこしズレますが、ぼくが思う一番良い会社の定義は「経営層がずっと答えのない問題に頭を悩ませて考えている会社」です。経営者自身が案件の問い合わせどうしようとか、人が足りなくてどうしようとか、本来マネージャーや人事がやるべきところばかり悩んでいるのって決して企業として健康ではないですよね。なのでこの先も「豊かさ」の問いも含めて、答えのない問題に頭を悩ませ、考え続けていきたいです。

塚田:うちは、我々自身が楽しく仕事に向き合うことで『もっと働くを豊かにする』というスローガンを実現していきたいですね。

仕事はもちろん辛いこともありますが、それ以上にすごく面白いし、自分も成長できるので良いことしかないと思ってるんです。ただ、世の中の仕事のイメージはネガティブなタグばかり張られている。なぜかというと「自分ではなく誰がやってもいい仕事」「単純作業やルーティンワーク」「長時間」の3つが掛け合わさった仕事が結構な割合で存在しているからなのではないかなと。単純作業やルーチンワークをテクノロジーで解決して、その空いた時間で本来人が向き合うべき創造性が溢れるような仕事に向き合うことができれば、世の中の仕事に対するイメージはもっとポジティブになると思います。

あとは、仕事内容だけではなく、マインド面でもポジティブなことを示していきたいです。仕事って眉間にしわを寄せて難しい顔をしてないと仕事じゃない、みたいなそういう刷り込みあるじゃないですか。でもうちの会社では、こんなに楽しく働いて結果が出て、会社も成長して、売上も伸びてて「どうだ!」って世の中に示したい。我々がそれを示すことができれば、世の中も多少変われるんじゃないかな。これでいいんだって思ってもらえるような。

――たしかに、世の中の仕事に対するイメージはネガティブなものが多いですね…。今のお話を聞いていて芸能・エンタメやスポーツの分野はおっしゃっていただいた理想に近い部分があるかなと思いました。

塚田:たしかに。スポーツにせよ芸能にせよ辛いこともあるけど楽しい部分が注目されるじゃないですか。なのに仕事となるとそうではなく、本当は楽しいことがあるのに辛いことだけがクローズアップされて、みんながそこを目指したくないという状況になっている。

そういう意味では仕事をスポーツとか芸能のようなポジションに引き上げてあげるだけで、みんなの苦しさが取り除かれるんじゃないかなってぼくは思っています。バンドを組む、スポーツチームを作る感覚で会社を作って仕事をしてもいいですよね。

阿部:多くの人は重く捉えすぎですよね。もちろん多少つらいことはありますけど、本当につらくて仕方がないのであればぼくは逃げるという選択肢を取ってもいいと思ってます。その時はどうしても視野が狭くなって「ここで逃げたら後がないかも…」と考えがちなんですが、日本に住んでいる以上絶対どうにかなるし、いまは昔と比べて仕事を選びやすい時代でもある。 今の仕事に楽しみを見いだせずに嫌々やるのではなくて、トータルで楽しめるような仕事に就けば良いかなって思いますね。

塚田:そうそう、スポーツでも芸能でもいろんなジャンルでも技術を習得するまでには当たり前のように辛いことはあるけど、その中にも楽しみがあるからやめたいとか嫌だとかにはならないですよね。

阿部:それは結局人からやらされているからじゃないかなと。自発的に「こうなりたい」「世の中にこういうことを提供したい」そういう目標に向かう道筋を一人ひとりが作れれば仕事は楽しいものになっていくと思いますね。

「マーケター」ではなくビジネスをドライブさせる「商売人」へ

――フィードフォースの『働くを豊かにする』というミッションは創業期からでしょうか?

塚田:実は『働くを豊かにする』は4年前に一新していて、それまでは『情報に新しい架け橋を』というミッションだったんです。ただ10年の節目の年になって、ここから先の10年はもう少し世の中に大きなインパクトを与えるようなことをミッションに掲げていきたいなと思い、『働くを豊かにする』するというミッションを掲げました。

阿部:わかります。実態が理念を追い越してしまう感覚ですよね。

塚田:そうそう、その感覚です。

阿部:うちも2019年に経営理念やビジョンを「広告」から「マーケティング」へと理念を変更したんですが、実はもう変えたいと思っています(笑)もはやマーケティング・マーケターという言葉も自分の中で若干古いなと。

マーケターというよりも商売人の方がイメージとしては近い。商売人とはマーケティング力と実行力、そしてキャッシュフローや資本などを代表するお金の側面を考えられる、全てを兼ね備えた人なんですよね。それらのピースの一部しか持たずにマーケターですって言われると違和感がある。ピースを合わせてビジネスをちゃんとドライブさせられる人は規模は大きくても小さくても商売人だと思います。マーケティングはあくまで商売人としての1つのスキルというだけ。

採用で重視するところは「良い人」であるかどうか

――両社は目指す方向が似ていて、なんとなく従業員同士の雰囲気やカルチャーも似ているなとは感じているのですが、おふたりは面接に参加される時、どういったところを見ていますか。

塚田:フィードフォースは大きく3つの要素があって、1つ目がミッションバリューへの共感、2つ目が地頭の良さや素直さなどの人柄、3つ目がプロ意識。高みを目指して現状に満足せずに学んだりだとか、自分の役割を果たすための努力を惜しまないなど、そういうところは見ています。ただ、最終的に今はプロダクトマネージャー単位で彼らが欲しいかどうかという基準で決めています。アナグラムも現場の挙手制を重視してますよね。

阿部:はい、現場の彼ら自身が一緒に働きたいと思うかどうかは大事ですよね。

ぼく自身はとにかく良い人かどうかを見てます。ただ、これがすごく難しくて、一見嫌な人っぽいけど実はいい人、というパターンもありますし。また、今のアナグラムであれば、自己実現欲求が高い人、ゴール達成をすることでみんなを惹きつけるタイプの人が入ってきてもいいですね。そういう意味では、ずる賢さというのは今のアナグラムに必要かもしれない。ずる賢さと素直さを持ち合わせていると最高ですね。素直さは間違っていることの指摘に対してしっかりと聞けるとか仕組みが分かれば走っていけるといった点で大事かなと思います。アナグラムの組織のフェーズが変わってきたということもあり、1年前だったら取らなかった人を採用しはじめてますね。

あとは仕事が本当に好きな人が入ってきてほしい。やっぱり本当に仕事がピュアで好きでやる人は勝手に伸びていくと思っています。

――採用のレベルも上がってきてますよね。初期からいるメンバーは今面接受けたら絶対落ちるとみんな言っています(笑)逆にこういう人は合わないかもな、という特徴はありますか?

阿部:素直じゃない人ですね。後はセルフィッシュ(自己中心的)すぎる人もアナグラムには合わないと思います。入り口はセルフィッシュでいいんですけど、無限にそれがある人は難しいですね。

例えば、自分の技術だけにフォーカスしてしまうとか。もちろん技術は大事なんですけど、大前提としてお客さんのビジネスを伸ばすということに重点を置くべきなので、個人の技術だけを追い求めすぎる方は合わないと思います。

塚田:同じくですが、自分が先に来る人はなかなか難しいです。うちはどこまで行ってもチームプレーなのでチームのことを先に考えられない人や自分の都合が最優先されるような人は結局厳しいと思います。

――フィードフォースと比較すると、アナグラムでは社内で「チームプレー」という言葉はあまり使われないですよね。

阿部:働き方の違いもありますし、あとは成長段階もあるかな思っていて、アナグラムの場合まずはマーケターや商売人として育っていってもらい、それが伸びた段階でチームリーダーとしてチームを意識していくべきなんです。

一人ひとりが自分のお客さんを責任もってコンサルティングするので、土壌が無い状態でチームプレーをするとなると迷子になってしまう。逆に土壌の部分がしっかりして、そこの抽象度が上がれば勝手にチームプレーへたどり着くと思います。

働き方が変化して採用の幅が広がった

――2020年の新型コロナウイルスによって働き方や採用に影響はありましたか?

阿部:今は基本的にリモートワークとしています。ただ、出社禁止にはしていなくて、出社した方が仕事をしやすい人や教育のために直接会った方が進めやすい場合などは出社してるメンバーもいます。会社に来てる人は全体の1~2割ぐらいですかね。しばらくはこの働き方を続けようと思っています。

塚田:うちも同じですね。ただ、懸念は短期で見れば問題ないですが、中長期的にどのような影響があるかというのがわからないことです。なので将来的には週の出社回数を決めたりなどはするかもしれないです。

実際リモートワークの導入など働き方の変化によって採用の幅は広がりましたか?

塚田:はい、この半年間で沖縄に引っ越してそこから仕事してる方もいたりするので、今後、採用していくなかでも、遠方の方を採用していく流れは出てくると思います。むしろ今までよりもチャンスが広がるかなと。

阿部:うちもリモートワークで比較的うまくいっているので、遠方の方を採用するのは全然ありですね。遠くにいる方にオンラインだけでしっかり教えられるのかというのは、今まさに人事やマネージャーが連携しつつ、良いやり方を模索している段階ではありますが、そこは時代に合わせてチャレンジしていきたいです。

一気通貫で臨場感を持った「商売人」になれる環境へ

――このような世の中で将来に不安を感じる人も少なくないと思います。フィードフォース、アナグラムに加わることによって、こんな良いことがあるよ!こんなことが得られるよ!というものがあれば教えてください。

塚田:まだまだ整理はできていないですけど、早いタイミングから自分で会社を回せる経営能力をつけられる環境にはしていきたいなと思っています。能力と意思がある人にはそういう機会をどんどん提供して、実践から学べるような企業にしていきたいです。

テクノロジーの進化によって製造に近いところから、物を売ってフィードバックを反映するところまで一気通貫で行うのを小さな組織でできる時代になったので、そのあたりはすごく興味があります。そうすると1から10まで全部自分たちで見れるわけじゃないですか。楽しいに決まってるんですよ!

それが『働くを豊かにする』にも繋がりますし、そういうことをやってきたいです。目の前で全部展開されていて、喜んでる人の顔を直接見れて、リアリティをもってやれるという環境をテクノロジーの力を使ってやっていけると思っています。D2Cのブランドをフィードフォースで作るとかは絶対におもしろいですね。

阿部:D2Cいいですね。極論、パン屋でもいいという話をしたことがあるのですが、それはまさにこの話で、パン屋をやって誰かが豊かになってそれがビジネスとして成り立つならそれでいいんですよ。誰かの役に立つということがビジネスの定義なので。

また、パン屋をやることでフレームワークだけの話じゃなくてキャッシュフローの話ができるとか、そういうのものを含めていろいろなことが学べる。その知見を横串でグループ内に共有できたりすればいろいろなものがつながるのではないかなと。その仕組みができれば結果的にマーケターではなくて商売人になることができるはず。

――アナグラムに加わることによって、どんな良いことがありますか?

阿部:フィードフォースと近しいですが、一人で食べていける力が付くことだと思いますね。ぼくたち経営陣の役割は一人で食べていけないっていう人がしがみつくような会社ではなく、一人で食べていけるような人たちが辞めずにいるような会社をつくることだと思ってます。

個人だとお金などの面でレバレッジをかけにくいですが、会社だと大きなチャレンジができる。そう言った環境を提供していくことですかね。ある意味、「会社のお金だから何でもできるぜ」ということにワクワクするような、そこはセルフィッシュに思ってほしいです。

お金って自分自身で扱ったことがないと臨場感が沸きにくいんです。商売をしている経営者がどういう思いでそのお金を出しているかということを肌身で感じることが大事だと思います 。たった30万円の広告費だっていう人もいますけど、企業が毎月30万円の広告費を出すってよっぽどのことなんですよ。そういう風に臨場感をもって対応できる人に来てほしいですし、なってほしい。

未来の従業員・今いる従業員へのメッセージ

――今いる従業員、そして未来の従業員へ、最後に一言お願いします。

塚田:今はテクノロジーを使って1から10まで自分達でビジネスができるという環境が整備されつつあります。そういう中で、自らが変化しながら環境に働きかけ、新しいものを生み出していくインキュベーターのような会社になりたいと思っています。

今いる従業員にはそこを目指してほしいですし、そういうことをやりたいと思っている人が興味をもってくれればいいなと思います。

阿部:今回のジョインも含めて良い意味で期待を裏切り続けたいと思っています。今はおもしろいことが生まれやすいタイミングですし、色々なことにチャレンジできる環境でもあります。 不確実な未来を楽しめる人、商売人を目指したい人、そういう人であればアナグラムを楽しめると思います。

編集後記

今回のフィードフォースグループへのジョインによって、お互いにとって足りなかったピースを手に入れたと語ってくれた両代表。製造からユーザーとのコミュニケーションまで一気通貫で携われることで臨場感を持った商売人が生まれる環境構築など、聞いているだけでワクワクするようなインタビューでした。今後、フィードフォースとアナグラムで行っていく取り組みで社会や仕事、さまざまなことがどのように豊かになっていくのか一社員としても楽しみです。