
製品やサービスが高額であったり、意思決定に複数の関係者が関与したりと、購入の意思決定に時間を要するBtoBビジネスでは、それらの特性に合わせた広告運用が必要です。
しかしながら世の中に出ている情報も少なく「難しい」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。
先日アナグラムが行ったウェビナーでは、「BtoB向けの広告運用の基礎戦略と実践」と題し、BtoBビジネスにおいて広告運用で成果を上げるために今すぐ確認したいチェックポイントを以下の4つの項目に分けてそれぞれご紹介しました。
今回はセミナーレポートとして、その中でも特に重要だと思った点をピックアップしながらセミナーの様子を紹介していきます。


目次
検討段階に応じてCVポイントを使い分ける
「BtoBでは、検討期間が長く、事前の情報収集が不可欠になっている。だからこそ、コンバージョンポイント(CVポイント)は問い合わせ以外にも、ホワイトペーパー請求などのハードルが低いものを複数設ける必要がある」(二平)
確かに、BtoBではその場ですぐに問い合わせなどはせず、まずは資料請求といったケースが少なくありません。ちょっと気になっている程度の場合、いきなり問い合わせではハードルが高く離脱してしまいますよね。
そのため、ユーザーの検討段階に応じて、CVポイントを使い分けることも重要なポイントです。ホットリードにはすぐに商談できるCVポイントを、コールドリードには情報収集向けのCVポイントを設置する、といった具合にユーザーの検討段階に使い分けが重要です。
スライドでも紹介されたように、2段も3段も階段を飛ばしたような無理な設計になっていないかは真っ先にチェックしたいポイントです。
"自分ごと化"してもらえるファーストビューに
次にLPのファーストビュー(最初に見る画面)の重要性に話がおよびました。ファーストビューが明快なLPを実例として挙げながら、”自分ごと化”してもらうことの重要性を説いていきます。
「ファーストビューでは"自分ごと化"されなければ、すぐに離脱されてしまいます。だからこそ、どの課題を解決するサービスなのかを分かりやすく打ち出す必要があります」(二平)
紹介された転職サイトでは、コンセプトがすぐに理解でき、数値やイメージを活用しながらどんな課題を解決できるサービスなのかすぐに理解できる構成となっていました。
せっかく広告をクリックしてサイトに来てもらっても、3秒で離脱されては話にもなりません。LPのファーストビューはコピーひとつ、画像ひとつでも成果が大きく変わるもっとも重要な箇所です。伝えたい内容がきちんと伝わる内容になっているか、いま一度チェックしてみましょう。
検索広告はノイズを減らし、購買動機に応える論理性を持たせる
数行のテキストが、成功を分ける鍵となることが多い検索連動型広告の世界で、他社より効果のある広告文を作成したいと多くの方々が考えているのではないでしょうか。効果的な広告文の作り方はすぐに参考にできる内容です。
法人表記
法人向けサービスを提供する際には、その旨を明確に表記することが大切です。例えば、電気代の節約は個人にとっても法人にとっても重要な課題です。こうした場合、広告文に法人向けであることをはっきりと記載することで、できる限りノイズを減らしています。
ターゲットとする法人顧客以外のノイズを完全に防ぐことは難しいですが、少しでも意図しないクリックを避けるためにすぐに実施したい施策のひとつですね。
数値を用いた具体的な表現
BtoB広告では、BtoCと比べ購買動機(売上を上げたい、コストを削減したい、など)が明確であるため、購買に必要な情報にはロジックと具体性が求められる傾向にあります。「400社以上を支援しました」「CPAはこれだけ改善しました」といった実績や成果を示す数値を積極的に使用することで、信頼性と説得力を高めることに繋がります。
もちろん、数字だけで信頼性は担保できるわけではなく、実際の商品やサービスにおいて事前の情報と乖離があれば、逆に信頼を損ねてしまうでしょう。
単に数字を使えばいいというものではなく、広告主の強みや実績を示すひとつの方法として、広告でも有効なものがないか検討してみるのがおすすめです。
獲得に近いターゲットからアプローチする戦略
マーケティング担当者が直面する課題の一つが、限られたリソースを最も効率的に活用して、顧客を効率よく獲得に繋がるターゲットを見つけることではないでしょうか。
ここではディスプレイ広告に取り組む際のターゲティングが「認知」「比較・検討」「獲得」の3階層にわけて紹介されました。これだけ多くのターゲティングが可能となると、どれから手をつけて良いかなかなかな分かりづらいという方も多いのではないでしょうか。
セミナーではこの図をもとに、「獲得」の段階から始めて徐々に「比較・検討」の段階へターゲットを拡大していくことが重要と紹介しています。
最初から広範囲にターゲティングすると、費用対効果が合いにくく配信してみたもののすぐに停止となり、ポテンシャルが測れないままとなるケースをよく目にします。運用が複雑になり管理工数も増えてしまうため、獲得に近いターゲットから始めるのがおすすめです。
まとめ
BtoB企業とひとまとめに分類することは難しいですが、広告運用においては多くの企業に共通する「やっておいたほうがいい設定や施策」もあります。
今回のセミナーレポートでは限られたものしかご紹介できませんでしたが、今後セミナーの内容を含め、「LP」「検索広告」「SNS広告」「ディスプレイ広告」それぞれをより詳しく紹介した記事を公開していきます。
取り組んでいる広告運用ですぐに活用できるものがあれば、ぜひ反映してみてください。
今後、開催予定のセミナーこちら