申し込み後の「離脱」を防ぐ!ユーザー心理を理解して来店率を高めるWeb施策

申し込み後の「離脱」を防ぐ!ユーザー心理を理解して来店率を高めるWeb施策

「広告やサイト経由で申し込んでくれたのに、実際の来店率が低くて悩んでいる…」

来店型サービスを運営していると、この悩みに直面する方は多いはずです。広告費をかけて獲得した予約が、来店という成果に結びつかない。そのもどかしさは、マーケティング担当者なら誰しも経験があるのではないでしょうか。

私自身、予約数と来店数のギャップに頭を抱えていた時期があります。「なぜ予約までしてくれたのに、来てくれないのか」。この問いと向き合い、検討段階から予約後までの体験を見直した結果、来店率を改善できました。

この経験から実感したのは、申し込み数だけを追っていては不十分だということです。来店率を高めるには、ユーザーが「申し込む前」から「来店する瞬間」までを一つの体験として設計する必要があります。

来店率を高めるには、検討〜申し込み・予約後の体験をどう設計するかが重要になります。本記事では、来店型サービスの来店率を改善する方法を事例を交えながらご紹介します。


離脱が起きる、フェーズ別のユーザー心理

広告接触から来店当日までのユーザーの行動は、次のような流れで進みます。

各ステップでユーザーの心理状態は変化し、どの段階でも離脱のリスクが存在します。

<申し込み後のフェーズごとのユーザー心理>

  • 申し込み直後
    申し込みを完了した瞬間、ユーザーは達成感を得る。しかし「予約した」という事実が、心理的には「やるべきことは終わった」という感覚に変わりやすいため、来店への意識は急速に薄れていく傾向に。

  • 来店までの期間
    申し込み時の高揚感は時間とともに薄れ、「わざわざ行くのは面倒だな」という気持ちが芽生えやすくなる。さらに、予約したこと自体を忘れたり競合サービスに関心が移ったりするリスクも高まる。

  • 来店当日
    当日になっても、「天気が悪い」「急な予定が入った」「なんとなく億劫」といった最後のハードルが立ちはだかる。ここを乗り越えてもらう最後の一押しが必要。

こうした心理変化を理解しておけば、広告やLP制作の段階から「来店まで見据えた体験設計」が可能になります。

来店率を高めるフェーズ別アクション

来店率向上の鍵を握るのは、サンクスページの設計や自動返信メールの工夫など、申し込み後の体験づくりです。ただし、その効果を最大化するには、申し込み前の広告やLP設計も欠かせません。

ここからは、私が実際に取り組んで成果につながった施策を、フェーズごとにご紹介します。

申し込み後の施策が中心ですが、申し込み前から実践できるものも含めました。

【フェーズ①】申し込み前:来店のハードルを下げるコミュニケーション

来店率を左右するポイントは、申し込み後だけでなく、申し込み前の段階にもあります。

ユーザーは「来店するかどうか」を、広告やLPを見ている時点ですでに無意識に判断しています。

来店前の不安やギャップを減らし、「ここなら行っても大丈夫そう」と感じてもらうために、どのようなコミュニケーション設計が有効なのかを解説します。

施策①:広告・LPでの期待値コントロール

広告やLPは、申し込みを獲得するためだけのものではありません。

申し込み後の体験まであらかじめ伝えておくことで、「申し込んで終わり」ではなく、その先の行動を自然にイメージしてもらうことができます。

具体的には、広告やLP内に次のような情報を明記します。

  • 申し込み後から来店当日までの流れ
  • 来店までに何をすればよいのか
  • 当日はどのような対応を受けられるのか

あらかじめ期待値をコントロールしておくことで、申し込み後の「想像とのズレ」を防ぎ、来店までの離脱を防ぐことができます。

施策②:来店の心理的ハードルを下げるユーザーの体験談クリエイティブ

来店率を高めるには、申し込み前の段階で「ここなら行っても大丈夫そう」と感じてもらうことが重要になります。

そのため、広告やLPでは、実際の来店体験を想起できる安心材料をあらかじめ提示しましょう。

例えば、次のような要素が有効です。

  • 「親身に話を聞いてくれた」「押し付けがなかった」といった来店者の声
  • 「無理な勧誘はありません」「アップセルは行っていません」といった不安を打ち消す表現
  • 初回来店時の雰囲気や対応が伝わる写真・動画

こうした情報があることで、ユーザーは「何をされるかわからない」という不安を抱えたまま申し込む状態を避けられます。

【フェーズ②】申し込み後:申し込みの熱量を、来店への期待感に変える

ユーザーの熱量が最も高いのが、申し込み直後です。このタイミングで「申し込み=完了」と感じさせてしまうと、関心は一気に下がります。

完了したタスクの先に「次に待っている予定」を示し、気持ちを未来へ向けましょう。

施策①:サンクスページを「おもてなしの場」に

サンクスページは、単なる手続き完了画面ではありません。「ここからユーザーへの案内が始まる場」として設計し直しましょう。

来店までの不安を和らげるため、次のような情報を掲載します。

  • 当日対応するスタッフの顔写真と自己紹介
  • 所要時間
  • 会場やお店の様子がわかる写真
  • よくある質問の表示

申し込み直後に安心材料を提示することで、来店までの心理的距離を縮められます。

施策②:ステップメールで「行く理由」を醸成

ステップメールは、単なるリマインドではありません。来店までの期待感を保ち続けるためのコミュニケーションとして設計します。

予約日までの時間を使い、関心と納得感を段階的に積み上げていきましょう。例えば、次のような内容をタイミングに合わせて配信します。

タイミング配信内容
目的
予約直後人気の求人例やサービスの魅力期待感の醸成
数日後来店者のクチコミや体験談安心感の付与
来店前日アクセス情報・当日の流れ不安の解消

接触を重ねることで、ユーザーの関心を切らさずに当日を迎えてもらいやすくなります。

施策③:メールの文章を「機械的な印象」から「親しみのある人の言葉」へ

自動返信メールやステップメールは、単なる通知ではありません。「人が対応している」と感じてもらうための接点でもあります。

文章のトーンを少し変えるだけで、受け取られ方は大きく変わります。

機械的な表現親しみのある表現
お申し込みいただき、誠にありがとうございます。〇〇様、ご予約ありがとうございます。担当の△△です!
何卒よろしくお願いいたします。当日お会いできるのを、私も楽しみにしています。
ご不明点がございましたらお問い合わせください。分からないことがあれば、いつでも聞いてくださいね。

メール文の冷たい印象を和らげることで、開封や返信につながりやすくなります。

【フェーズ③】来店までの期間:ユーザーとの関係を育み、あえて「逃げ道」も用意する

予約から来店までに時間が空くと、気持ちは徐々に落ち着いていきます。「楽しみ」よりも「面倒」が勝ち始める時期です。

この期間に必要なのは、来店を強く迫ることではありません。接触を続けながら信頼感を保ち、来店への気持ちを無理なく維持することです。

施策:「日程変更」という親切な逃げ道を用意

来店率を下げる大きな要因は、無断キャンセルです。これを防ぐには、「来られないときの選択肢」を先に示しておくことが効果的です。

来店が難しくなった場合でも、調整できる余地があると伝えておきましょう。

  • 予約前日のリマインドメール
    「ご都合が悪くなった場合は、前日17時までにご連絡いただければ、日時の変更が可能です。
  • マイページ・予約確認画面
    日程変更の導線を常に表示し、「変更できる」という選択肢を認識させておく。

あらかじめ選択肢を記憶に残しておくことで、無断キャンセルではなく事前連絡につながりやすくなります。

【フェーズ④】来店当日:最後の一押しで確実に来店へ

来店当日は、忘れてしまったり、直前で面倒に感じたりするケースが起こりがちです。この段階では、新しい情報を加える必要はありません。

重要なのは、「約束を思い出してもらう」ことです。

直前リマインド

  • 当日の朝に、メールよりも開封率が高いSMSやLINEで簡潔に通知する。
  • 「本日◯◯時にてお待ちしております」など、要点のみを伝える。

訴求は控え、予定確認に徹することで来店につながりやすくなります。

来店までを一つの体験として捉えよう

Webからの申し込みや予約を来店につなげるには、申し込み後の接点設計が欠かせません。申し込みをゴールとせず、来店当日までを一連の体験として考えることが重要です。

サンクスページや自動返信メール、リマインド施策は、大きな改修をしなくても見直せます。こうした小さな改善の積み重ねが、ユーザーの迷いや不安を減らし、来店という行動を後押しします。

この考え方は、来店型サービスに限ったものではありません。転職サービスにおける「登録から応募まで」や、オンライン講座における「申し込みから初回受講まで」など、コンバージョン後に次の行動が必要なサービス全般に応用できます。

まずは、着手しやすい申し込み直後の接点から見直してみましょう。

  • 申し込み直後に表示されるサンクスページの内容
  • 自動返信メールの文面や情報量

来店率の改善に行き詰まったときは、「申し込み後、ユーザーはどんな状態に置かれているか」を一度整理してみてください。サンクスページやメールといった接点ごとに見ることで、見直すべきポイントが見えてきます。

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