Meta広告のクリエイティブを準備するとき、「結局どのサイズを用意すればいいの?」という疑問にぶつかる方は多いのではないでしょうか。配信面ごとに推奨サイズが異なるうえ、公式ヘルプの情報も分散していて全体像がつかみにくいのが実情です。
この記事では、Meta広告で推奨されている画像サイズの全体像を整理したうえで、実務で「最低限これだけ用意すればOK」という優先順位を解説します。
目次
Meta広告で使われる5つのアスペクト比
Meta広告では、以下の5種類のアスペクト比が公式に推奨されています。
| アスペクト比 | 代表的な解像度 | 形状 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 1:1 | 1080×1080px | 正方形 | フィード、カルーセル、Instagramショップ |
| 4:5 | 1080×1350px | 縦長 | フィード(Facebook/Instagram) |
| 9:16 | 1080×1920px | フルスクリーン縦 | ストーリーズ、リール |
| 1.91:1 | 1200×628px | 横長 | 右側広告枠、検索結果、インスタント記事 |
| 16:9 | 1920×1080px | 横長 | インストリーム動画 |
参考: アスペクト比のベストプラクティス|Metaビジネスヘルプセンター

5種類すべてを用意するのが理想ではありますが、実際の運用ではリソースに限りがあります。ここからは「どこまで用意すれば十分か」を段階的に整理していきます。
まず1枚だけ用意するなら「1:1」
予算やリソースの都合で画像を1種類しか用意できない場合は、1:1(1080×1080px)の正方形を選んでください。
1:1を最優先にする理由は3つあります。
1つ目は、対応する配信面の広さです。Facebookフィード、Instagramフィード、カルーセル、Instagramショップ、発見ホームなど主要な配置のほとんどで1:1がサポートされています。
2つ目は、自動調整との相性です。Meta広告では、推奨アスペクト比と異なるサイズの画像を入稿すると自動トリミングやマスク(黒帯)処理が行われます。1:1は多くの配置で「そのまま表示される」か「大きな崩れなく表示される」ため、意図しない切り取りが発生しにくいサイズです。
3つ目は、他媒体への横展開のしやすさです。Google広告やYahoo!広告のレスポンシブディスプレイ広告でも1:1の正方形画像は入稿可能なため、同一素材を複数プラットフォームで使い回せます。
なお、Metaの公式ヘルプではFacebookフィードにおいて画像・動画ともに4:5を推奨しています。にもかかわらず1:1を最優先にしているのは、広告マネージャの入稿画面で最初に求められるアスペクト比が1:1であること、そしてフィード以外の配信面(カルーセル、発見ホーム、右側枠など)まで含めたトータルの汎用性では1:1が最も高いためです。
2枚目に何を追加するかは「ビジネスの重心」で決まる
1:1の次に用意すべきサイズは何か。この答えは「4:5」と「9:16」のどちらかになりますが、どちらを先に用意すべきかは商品やサービスの特性、そしてユーザーがどの配信面を重点的に見ているかによって変わります。
どちらかを一律に「2番目」と決め打ちするのではなく、自社のビジネスに合った判断をすることが大切です。
フィード重視なら「4:5」を優先

4:5(1080×1350px)はInstagramとFacebookのフィード広告においてMeta公式が推奨しているアスペクト比です。Metaのヘルプページでは、Facebookフィードの単一画像広告について4:5を推奨する旨が明記されています。
フィードはMeta広告のなかで最もインプレッションが多い配信面です。4:5は1:1と比べてモバイルフィード上の画面占有率が約31%高く、あるテストデータではフィードでのパフォーマンスが最大15%向上したという報告もあります。Instagramは2025年1月にプロフィールのグリッドレイアウトを正方形から縦長に変更しており、オーガニック投稿との馴染みやすさという点でも4:5は有利です。
4:5を優先すべきケースとしては、次のような場合が挙げられます。
- ECサイトや不動産、人材など、フィード上で商品画像やビジュアルの訴求力が購買や問い合わせに直結しやすいビジネス
- BtoBのリード獲得広告のように、フィードでの情報量を重視したい場合
- フィードへの配信比率が高く、ストーリーズやリールにはあまり配信していない運用状況
1点補足として、デスクトップ版のFacebookフィードでは動画が1:1で表示されるため、4:5の動画を配信すると左右に黒帯が入ることがあります。ただしMeta広告のユーザーの大半はモバイルからのアクセスであるため、モバイルでの表示を優先して4:5で制作するのが現実的な判断です。
また、カルーセル広告で4:5を使えるのは、カタログの商品画像を使用しているAdvantage+カタログ広告に限られます。通常のカルーセル広告では1:1が引き続き推奨されているため、カルーセルも併用している場合は1:1の画像も必要です。
ストーリーズ・リール重視なら「9:16」を優先

9:16(1080×1920px)はストーリーズとリールで全画面表示されるフルスクリーン縦型のサイズです。エンゲージメント率が最大41%向上するというデータもあり、没入感の高さが最大の強みです。
1:1の画像をストーリーズやリールに配信することも可能ですが、その場合は画面の上下に余白(マスク)が入り、視認面積が大きく損なわれます。1:1で代用したときの「見劣り感」は、フィードでの1:1→4:5の差よりもはるかに大きく、ユーザーの目にも明らかに広告然として映ります。
9:16を優先すべきケースとしては、次のような場合が挙げられます。アパレルや美容、飲食など、ビジュアルの世界観やブランドの雰囲気を全画面で伝えたい商材。若年層をターゲットにしており、ストーリーズやリールでの接触頻度が高いビジネス。動画クリエイティブを中心に運用しており、UGC風のコンテンツやショート動画の制作体制がある場合。
理想は両方とも用意すること
4:5と9:16のどちらを先に用意するかはビジネスの特性次第ですが、最終的には両方揃えることを目指してください。1:1・4:5・9:16の3種類が揃えば、Meta広告の主要な配信面をほぼすべてカバーできます。
横長サイズ「1.91:1」の位置づけ
1.91:1(1200×628px)は、Metaの右側広告枠やインスタント記事、検索結果などで使われる横長サイズです。
このサイズの最大のメリットはクロスプラットフォームでの汎用性にあります。Google広告やYahoo!広告のレスポンシブディスプレイ広告でも1200×628pxは標準サイズの1つであるため、一度制作すれば複数の広告プラットフォームで流用できます。
ただし、Meta広告のメインの配信面であるフィードやストーリーズ、リールでは横長サイズの出番は限定的です。Metaのみでの配信であれば、1:1・9:16・4:5の3つを優先し、横長サイズの制作は余裕があるときで問題ありません。Google広告やYahoo!広告と並行して運用している場合は、素材の共通化という観点から早い段階で用意しておくと効率的です。
動画の場合に必要なアスペクト比
動画クリエイティブの場合も考え方は画像と同様ですが、用意すべきサイズが1つ増えます。
画像では1:1に加えて4:5か9:16のどちらかを優先する形でしたが、動画では「1:1」「4:5」「9:16」の3種類すべてがMeta公式の推奨です。フィード面での動画広告には4:5が強く推奨されており、ストーリーズやリールには9:16が必要なため、動画の場合はどちらか一方では不十分です。
カルーセル内の動画については1:1を使用し、すべてのカードで同じアスペクト比に統一することが推奨されています。インストリーム動画を配信する場合は16:9も必要になりますが、まずは1:1・4:5・9:16の3種類を揃えるところから始めてください。
参考: Meta広告マネージャの各配置でサポートされるアスペクト比|Metaビジネスヘルプセンター
画像と一緒に押さえておきたいテキストの推奨要件
画像サイズに意識が向きがちですが、テキスト要素の準備も同じくらい重要です。Meta広告のテキストは「メインテキスト」「見出し」「説明」の3要素で構成されており、それぞれ推奨文字数が定められています。
| テキスト要素 | 推奨文字数 | 備考 |
|---|---|---|
| メインテキスト | 125文字以内 | 必須。ほぼすべての配置で表示される |
| 見出し | 40文字以内 | 任意。一部の配置では非表示 |
| 説明 | 30文字以内 | 任意。Facebookの一部配置でのみ表示 |
推奨文字数を超えて入力することは可能ですが、配置によっては途中で省略されます。モバイルのFacebookフィードではメインテキストの表示が3行までに制限されており、それを超える部分は「もっと見る」をタップしないと表示されません。伝えたい情報の優先順位を決め、最も重要なメッセージを冒頭に置くことが求められます。
配置によって表示される要素が異なる
ここで見落としがちなのが、配置によってテキスト要素の表示・非表示が変わる点です。たとえばInstagramフィードでは「見出し」が表示されないことが多く、基本的にはメインテキストのみが表示されます。これはInstagramが画像中心のコミュニケーションを重視するプラットフォームであることと無関係ではないでしょう。商業的な訴求が色濃く出がちな見出しをあえて非表示にすることで、オーガニック投稿との一体感を保っていると考えられます。
こうした仕様を「見出しが出ないならメインテキストに詰め込もう」と攻略の対象として捉えるのではなく、媒体が意図するユーザー体験を読み取り、その思想に寄り添ったクリエイティブを作ることが結果的に成果にもつながります。
セーフゾーンに注意する
サイズを正しく用意しても、表示時にUIパーツと被ってしまっては意味がありません。特にストーリーズとリールの9:16クリエイティブでは、画面の上部にアカウントアイコン、下部にCTAボタンやいいねボタンが重なって表示されます。

テキストやロゴなどの重要な情報はこれらの要素と重ならない「セーフゾーン」の範囲内に収めることが大切です。広告マネージャのプレビュー画面でセーフゾーンを確認できるため、入稿前に必ずチェックしてください。
参考: テキストオーバーレイとセーフゾーンについて|Metaビジネスヘルプセンター
入稿前にモバイルプレビューで確認する
画像サイズやテキストの推奨要件を守ったとしても、実際の配信面でどう見えるかは入稿してみるまでわかりません。広告マネージャには各配置における広告プレビュー機能が用意されているので、公開前に必ず確認しましょう。
特に注意したいのがモバイル環境での見え方です。Meta広告のユーザーの大半はスマートフォンからアクセスしており、PC画面での見え方だけを確認して満足するのは危険です。広告マネージャの「モバイル機器でプレビュー」機能を使えば、実際のモバイル端末に近い表示を確認できます。
確認の際は次の点を意識してください。画像内のテキストが小さくなりすぎていないか、メインテキストの冒頭3行で伝えたいことが伝わるか、ストーリーズやリールでセーフゾーン外に重要な情報が出ていないか。これらをチェックするだけでも、入稿後の「思っていたのと違う」を防ぐことができます。
優先順位の早見表
ここまでの内容を整理すると、画像サイズの用意する優先順位は以下のようになります。
| 優先度 | アスペクト比 | 解像度 | カバーできる配信面 |
|---|---|---|---|
| 最優先 | 1:1 | 1080×1080px | フィード、カルーセル、発見ホーム等 |
| 高(フィード重視) | 4:5 | 1080×1350px | フィード(Meta公式推奨、パフォーマンス向上) |
| 高(ストーリーズ/リール重視) | 9:16 | 1080×1920px | ストーリーズ、リール(全画面表示) |
| 低 | 1.91:1 | 1200×628px | 右側枠、検索結果(他媒体と共通化可) |
まず1:1を用意し、次にビジネスの重心に合わせて4:5か9:16を追加する。その後もう一方も揃え、他媒体との素材共通化を図りたければ1.91:1を加える。この考え方で進めれば、限られたリソースのなかでも自社に合った形でクリエイティブを揃えられます。

まとめ
Meta広告の画像サイズは配信面ごとに細かく分かれていますが、すべてを一度に用意する必要はありません。まずは汎用性の高い1:1を用意し、そこから自社のビジネスに合わせて4:5(フィード重視)か9:16(ストーリーズ・リール重視)を追加するのが実務的なアプローチです。最終的には1:1・4:5・9:16の3種類を揃えることで、主要な配信面をほぼカバーできます。
画像サイズと合わせてテキストの推奨要件も押さえておくと、クリエイティブ全体の品質が安定します。配置ごとにどの要素が表示されるかは媒体側の設計思想の表れでもあるため、仕様を攻略しようとするのではなく、その意図を汲み取ったクリエイティブ設計を心がけたいところです。
大切なのは「すべてのサイズを完璧に揃えること」でも「どこかの記事の優先順位をそのまま鵜呑みにすること」でもありません。自社のユーザーがどの配信面に多く接触しているかを見極め、そこに合ったサイズから段階的に用意していくこと。それが限られたリソースのなかで成果を最大化する、最も現実的な考え方ではないでしょうか。



