サンスター株式会社(緑でサラナ)
サンスター株式会社
海平さま(専門チャネル統括部 ダイレクト営業部 企画グループ)
濱崎さま(専門チャネル統括部 ダイレクト営業部 企画グループ)

「G・U・M(ガム)」や「Ora2(オーラツー)」などオーラルケア市場でヒット商品を数多く展開しているサンスター株式会社さまが手掛ける健康食品「緑でサラナ」。

今回は、過去に失敗経験があるYouTube広告に再挑戦し、販売の主力チャネルへと成長させた試行錯誤の道のりをサンスターとアナグラムで振り返りました。

このインタビューは、2025年8月に行われました。

聞き手:アナグラム株式会社
中島匠(広告運用事業部 マネージャー)
保立琳太郎(広告運用事業部 チームリーダー)
関大二郎(クリエイティブチーム チームリーダー)
佐藤和樹(クリエイティブチーム デザイナー)

失敗続きだったYouTube広告が、獲得の主力になるまで

まずは、YouTube広告に再び注力することになったきっかけからお聞きしてもいいでしょうか?

海平さま(サンスター):はい。競合サービスの増加などで検索広告が伸び悩み、ディスプレイ広告の効率も下がってきていました。そんな中で、新しいチャネルを開拓する必要があると考えていたんです。

実は数年前にもYouTube広告に取り組んだことがあったのですが、その時は全く成果が出ず、アナグラムさんから提案されたときは正直、迷いもありましたね。ただ、最近の成功事例などを交えて熱心におすすめいただいて、「もう一度チャレンジしてみよう」と気持ちが動きました。

関(アナグラム):当時、アナグラムとしてもYouTube広告に本格的に注力していた時期で、成果が出やすいフォーマットの知見も蓄積されていました。そこで改めてご提案させていただいた、という流れです。

海平さま(サンスター):あのとき、関さんにかなり熱弁していただいたのを覚えています(笑)。

濱崎さま(サンスター):YouTube広告というと、「認知や検索数の増加などの間接効果をKPIにしましょう」といった話が多い印象です。でもアナグラムさんからは「コンバージョンを目的に設計しましょう」という提案をいただいた。そこがとても印象的でした。

私たちの目的は、あくまで商品を多くの方に届けること。その軸がぶれていなかったことが、実施を決めた大きな理由です。

保立(アナグラム):私たちが目指しているのは、“売上につながる動画”です。認知で終わらせず、最初からコンバージョンまでを見据えて設計する。

そうすることで、“見るだけで終わる層”ではなく、実際に行動してくれる視聴者へしっかり届くと思っています。

売上に”直接”貢献する動画を作るために、どのような準備を行ったのでしょうか?

濱崎さま(サンスター):これまでに試してきた、商品をスライドショー形式で紹介する動画とはまったく違いました。アナグラムさんが制作した動画は、演者の方が登場してユーザーの悩みに寄り添いながら商品を紹介する構成で、YouTubeという媒体にとてもフィットしていると感じましたね。

YouTubeは、ながら視聴やテレビ画面での視聴も多く、“受け身で見ている時間”に自然と情報が入ってくるプラットフォームです。

その中で、演者が語りかける構成は親近感が生まれやすく、広告的な違和感が少ない。結果的に、商品理解から購入までスムーズにつながったのではないかと思います。

濱崎さま(サンスター):構成づくりからキャスティング、撮影、編集まで、すべてぺんさん(※デザイナーの佐藤和樹)と関さんにお願いしました。動画の構成を作る際、ユーザーインタビューや競合リサーチも改めて実施されていましたよね。インタビューはどのように進められたんですか?

佐藤(アナグラム):まず、インターネット上のアンケートサービスを使ってユーザーインタビューを行い、同時に競合リサーチも実施しました。

集めた情報をダッシュボードにまとめ、動画で活用できそうな訴求ポイントやユーザーニーズを徹底的に洗い出したんです。その上で、視聴者が「自分ごと化」しやすいように「共感 → 問題提起・教育 → 提案 → 根拠 → 行動喚起」という流れを意識して台本に落とし込みました。

※こちらが当時のダッシュボードの内容(プロダクトリサーチ・競合リサーチ・ユーザーリサーチなどを通して得た情報を一覧化し、動画に使えそうな要素を洗い出すのに活用)

保立(アナグラム):4年前とは環境がまったく違いましたね。

アナグラム社内に、運用型広告の知見を持つクリエイティブチームが立ち上がったことで、設計と制作の齟齬がなくスピーディーに進められるようになりました。

現在は撮影も含めて内製できる体制が整っており、今回のYouTube広告には本格的に取り組むことができました。

念入りな準備があったかと思いますが、初動の成果はいかがでしたか?

濱崎さま(サンスター):年末に配信をスタートして、年明けに結果を見たときは正直驚きました。
アナグラムさんに運用をお願いしている他の媒体と比べても、コンバージョン単価が10〜20%ほど効率的に獲得できていたんです。 出稿金額は前月比で約1.5倍、コンバージョン数はおよそ1.8倍に伸びていました。

また、テレビ画面での視聴経由の購入が多かったのも印象的でしたね。テレビショッピング的な構成は、リビングでYouTubeを視聴している層にとって特に相性が良かったのだと思います。

海平さま(サンスター):Web広告経由の購入だけでなく、Amazonや楽天などのECモールの売上も同じ時期に伸びていて、認知面での貢献も感じました。計測しきれていない部分も含めて、さまざまな間接効果があったのではないかと思います。

“ワンチーム”でやり切った「半年で動画70本」

同じクリエイティブを配信していると、徐々に成果が落ちることがよくあります。当たりクリエイティブの好調は、どれくらい続いたのでしょうか?

濱崎さま(サンスター):配信を始めてから2ヶ月ほどで、徐々に成果が落ちていきました。当初は、もう少し長く安定して配信できると思っていたので、そこは正直想定外でしたね。

保立(アナグラム):ちょうどその頃、YouTube広告の仕様移行が重なっていて、アルゴリズムの挙動も不安定でした。

同じクリエイティブを長く使い続ける難しさを痛感しましたね。そこで、一つの動画に依存せず、訴求パターンをどんどん試して“次の当たり”を探す方向に切り替えました。

そこからは試行錯誤の連続でした。構成やナレーションのトーン、演者の見せ方を少しずつ変えながら検証を重ねて、気づけば、細かなパターン違いも含めて約70本。

この時期から、濱崎さんをはじめサンスターのみなさんも、積極的に構成案を出してくださるようになりました。実際にお客様の声を一番近くで聞いている方々のアイデアは、ユーザーニーズを驚くほど的確に捉えていて、私たちにとって良い刺激でした。

濱崎さま(サンスター):本当にたくさん作りましたね(笑)。もちろん、うまくいかなかった訴求軸もありますし、悔しい思いをした動画もありました。でもその分、次に活かせる発見も多かった。撮影現場にも同行させていただいて、思いついたアイデアをその場で追加撮影していただいたこともありました。柔軟に対応してもらえて感謝しています。

保立(アナグラム):他の業務がある中で、大阪から東京まで何度も足を運んでくださる姿勢に、こちらも背筋が伸びました。撮影現場でその場で意見を交わしながら動画を仕上げていく、あの一体感があったからこそ、スピードも完成度も一気に上がったと感じています。

海平さま(サンスター):私たちの部署では、現場メンバーにはなるべく資料づくりなどの社内業務ではなく、ユーザーの声を聞いたりクリエイティブを考えたりする時間に集中してもらう方針があります。

そうした文化の上に、濱崎たちの熱量と素養が重なった結果、アナグラムさんと“現場で一緒に創る”関係が自然にできていった。まさに「ワンチーム」で一緒に成長しているプロジェクトだと感じています。

これからも新たな勝ちパターンを開拓するパートナーに

最後に、これからアナグラムに求めること、今後の展望についてお聞かせください。

濱崎さま(サンスター):今回の取り組みを通じて、うまくいった訴求軸も、そうでなかったものも多くの知見として蓄積できました。

改めて「なぜうまくいかなかったのか」を丁寧に分析し、今の動画ではまだ届いていない方々にも商品の魅力を伝えられるよう、改善を重ねていきたいと考えています。

また、YouTube広告で得た「勝てる動画構成」の知見は、他のプラットフォームにも応用できるはずです。

今後はYouTubeショートやTikTokといった縦型動画にも積極的にチャレンジし、より多くの接点をつくっていきたいと思っています。

アナグラムさんには、これからも共に新しい勝ちパターンを探していくパートナーとして、引き続き伴走していただけるとうれしいです。

緑でサラナ
サンスター株式会社

Voice Of AdOps担当者の声

サンスターさまとのYouTube広告プロジェクトでは、デザイナー、運用者、クライアントが一体となり、粘り強くクリエイティブを作り続けることの大切さを改めて実感しました。

思うように成果が出ない時期もありましたが、チームでアイデアを持ち寄り、試行を重ねる中で次々と新しい動画パターンを生み出せたのは大きな経験です。

この取り組みを通じて得たものは、数字の改善にとどまらず、チーム全体の成長や新しいチャネルへの挑戦にもつながるものでした。

今後もこの学びを活かし、サンスターさま、そしてアナグラムのクリエイティブチームと共に、より多くの人に商品の魅力を届ける挑戦を続けていきます。