
通信販売事業部 ダイレクトマーケティンググループ メディア・サービス企画リーダー
沼子 英昭さま(写真右)
新規集客のオフライン・オンライン広告やECサイトの運営など集客を最大化しつつ、継続的に利用いただくためにCRMまでEC領域を横串で見えるように包括的に携わる。
通信販売事業部 ダイレクトマーケティンググループ
井口 綾子さま
ECの集客全般を担当。ECモールやECサイトの運営、広告を活用した集客が最大化するように幅広い業務に従事。
通信販売事業部 ダイレクトマーケティンググループ
濱野 七津未さま(写真左)
Webの新規集客全般を担当。配信している広告やLPのクリエイティブ周りなど新規集客に関わることを幅広く従事。
「ふじっ子煮」や「おまめさん」をはじめ、豆、昆布、おかず、ヨーグルト、デザートなど数々のヒット商品を生み出してきたフジッコ株式会社。
通信販売事業部では長らくテレビ・新聞といったマス媒体を中心に集客を行ってきましたが、 新規獲得をさらに伸ばすためにはWeb集客の強化が欠かせない状況に直面していました。
とくに、口内環境を整えることを目的としたお口の善玉菌のタブレット「デンタフローラ」は、ターゲット年齢層が高めであることや、カテゴリ自体の認知が低いことから、思うようにWeb集客を拡大できず、課題を感じられていたといいます。
今回は、フジッコさまがアナグラムにご依頼くださった背景や、売上が前年比2倍以上に成長した広告施策についてお話を伺いました。

このインタビューは、2025年7月に行われました。
聞き手:アナグラム株式会社
広告運用事業部 チームリーダー 嵯峨山 一輝(執筆者)
ご利用サービス: リスティング広告運用 , クリエイティブ制作支援 , SNS広告・動画プラットフォームの広告運用 , 広告運用代行
リスクまで見据えたシミュレーションと、一気通貫体制に安心感
──弊社にお問い合わせいただいた当時、どのような課題をお持ちでしたか?
沼子:「デンタフローラ」はこれまで2社の広告代理店さんにお願いしていましたが、Web広告への投資を拡大できないことが最大の課題でした。
広告投資を増やしたい気持ちはあっても、CPA(顧客獲得単価)が合わずに伸ばせない。そのため、新しい広告媒体に場当たり的にチャレンジしては成果が出ず、また別の媒体を試す……という繰り返しになってしまっていたんです。
本来であれば、各媒体を組み合わせて、全体でCPAを守りながらどう新規獲得を伸ばすかを考えていきたいのに、それができないもどかしさがありました。

井口:指名検索やショッピング広告では一定の成果は出せていましたが、MetaなどのSNS広告では獲得が伸ばせないのが悩みでしたね。とくに、どんなクリエイティブを配信すれば成果を改善できるのかわからず、新たな広告代理店さんを探し始めたんです。
──代理店を選定する上で重視していた点と、最終的にアナグラムをパートナ-に選んだ理由をお聞かせください。
沼子:ご提案の際、良いことだけを強調する代理店さんも少なくありません。そんな中でアナグラムさんは、「1番うまくいけばこのくらいの数字になりますが、うまくいかなかった場合はこうなります」と、松竹梅3パターンのシミュレーションを提示してくれました。
リスクも含めて率直にご説明いただけたことで、「実際にお任せしたあとも、数字の背景をきちんと説明してもらえそうだ」という安心感につながりましたね。
また、運用体制も重視していました。1人の担当者が数十社以上を抱える体制では、密なコミュニケーションはどうしても難しくなります。アナグラムさんは1メンバーあたり3~5社を担当し、さらに広告運用から連絡窓口まで1人の担当者が担う一気通貫制です。
この体制ならではのスピード感と丁寧さで、安心して任せられると感じました。
ユーザーの声をもとにYouTube広告や記事LPを制作し、CPAを維持しながら売上2倍以上に!
──実際にお取り引きを始めてみてどうでしたか?
沼子:まず成果として大きかったのは、CPAを維持したまま売上を2倍以上に伸ばせたことです。
これまで獲得を伸ばせていなかった検索広告の指名以外の一般キーワードや、SNS広告、ディスプレイ広告からも新規獲得が広がりました。しかも、定期率(リピート継続率)も下がらなかったのは驚きましたね。
井口:とくに印象的だったのは、YouTube広告や記事LPの活用で結果が出せたことです。
実は以前、別の代理店さんでもYouTube広告に挑戦したことがあるのですが、その時はオフライン広告用の動画を流用しただけで、ほとんど獲得につながりませんでした。
だからこそ、最初にアナグラムさんから「YouTube広告をやったほうがいいですよ」とご提案いただいたときは、成果が出るか半信半疑だったんです。
──過去にYouTube広告で獲得できない経験があったうえで、なぜ「再チャレンジしてもいいかも」と思えたのでしょうか?
井口:これまでの潜在層向け広告は、“価格を下げたオファー”と“フジッコが開発したという権威性”の2つの訴求が中心でした。
それに対してアナグラムさんからは、「カテゴリ認知がない商品だからこそ、ユーザーの悩みや理想の未来を、動画や記事LPを通して丁寧に伝える必要がある」とご提案いただきました。「これまで欠けていたコミュニケーションを補える」と感じられたことが、再チャレンジを決めた理由です。
──潜在層にアプローチするうえで、まずはユーザー理解を深めることが必要だと考えました。そこで「デンタフローラを使っていない100人」に、口腔ケアに関するアンケートやインタビューを実施。すると、大半のユーザーは「お口がねばつく」という悩みを「デンタルフロス」「マウスウォッシュ」「ミント系タブレット」といった既存カテゴリで解決していることがわかりました。
一方で「デンタフローラ」は、善玉菌を摂取して口内環境を内側から整えるという、まだ認知が広がっていない新しいカテゴリの商品です。つまりユーザーにとっては「フロスやマウスウォッシュの仲間」ではなく、「そもそも存在を知らない別のカテゴリ」だったため、悩み解決の選択肢に入っていなかったのです。
そこで私たちは、YouTube動画や記事LPで「なぜこの商品が必要なのか」「既存ケアでは解決できない部分がある」というストーリーを丁寧に伝えることで、ユーザーに新しいカテゴリを理解してもらいました。




▲アナグラムが制作したYouTube広告の一部


▲アナグラムが制作した記事LPの一部
井口:これまでは顕在層向けと潜在層向けのコミュニケーションを分けておらず、どちらも「フジッコが開発したお口の善玉菌 デンタフローラはこんな特徴があります」→「お試し価格〇円で、ぜひ使ってみてください」と、商品の特徴を説明して、そのまま行動を促していました。
一方で、アナグラムさんに制作いただいたYouTube広告や記事LPでは、次のように潜在層でも自分ごと化しやすい順序に設計されていました。
- 朝起きたとき、お口のネバネバが気になりませんか?(共感)
- お口のトラブルは、実は善玉菌不足が原因だったんです(問題提起・教育)
- 1回5分なめるだけの簡単ケアで、善玉菌が補えます(提案)
- 長年口腔ケアに携わっている広島大学歯学部の教授と、フジッコが共同研究した商品です(根拠)
- 初回限定〇%オフで試してみませんか?(行動喚起)
このように潜在層向けのコミュニケーションを見直した結果、成果が大きく改善。たとえばMeta広告は、アナグラムさんにご依頼してからCPAが約20分の1まで下がったんです。制作いただいた動画や記事LPもクオリティが高く、コスト以上の価値があると感じました。
沼子:これまでの取り組みでは、目標CPAの達成を重視するあまり、どうしても顕在層中心の配信になりがちでした。
でもアナグラムさんは、ユーザーへのインタビューやアンケートをもとに、どういう人をターゲットに据え、どんなコミュニケーションをすれば潜在層の方に購入いただけるかまで丁寧に考えてくれる。単なる広告運用ではなく、マーケティングをやってくれているなと感じます。
社内のリテラシーが高まり、ナレッジが溜まっていく。次の一歩を一緒に踏み出せる心強いパートナー
──広告運用の成果以外で弊社が役に立っていることはありますか?
沼子:積極的にご提案いただく中で、社内のWeb広告リテラシーが高まり、ナレッジが蓄積できたことは大きいです。
とくに濱野が新聞広告からWeb広告の新規集客チームに異動したとき、知識がない状態からでもわかるように丁寧に教えていただけたのがとても助かりました。
井口:これまで4社の広告代理店さんと関わってきましたが、アナグラムさんとは一番密にコミュニケーションが取れていると感じます。返信が早く・丁寧で分かりやすいですし、システム周りでトラブルがあったときも具体的な対処法を提案してくれるので、まさに伴走してもらっている安心感があります。

──最後に、広告運用をご検討されている方に、アナグラムをおすすめできる点があれば教えてください。
沼子:Web広告で新規集客をしたいけど、ノウハウがなくて苦戦している…という企業には、とても合うと思います。理由は、ユーザーリサーチからクリエイティブ制作、効果検証まで一貫して支援をしてくださるからです。
企業規模もスタートアップから大企業まで幅広くフィットすると思います。密にコミュニケーションが取れるので、新しい施策にどんどんチャレンジできる環境を一緒に作れるはずです。
- Voice Of AdOps担当者の声
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Voice of AdOpts
今回の取り組みでは、弊社が実施したリサーチ以外に、フジッコさまからもユーザーアンケートや社内での声を多く共有いただき、そこから得られた情報を基にクリエイティブを設計することができました。「どの悩みを持つ方に、どんな未来を描いてもらうか」をフジッコさまと一緒に考えながら形にできたことを大変嬉しく思っています。
また、新しい施策をご提案した際も、迅速なご対応のおかげでスピーディーに検証を進められ、成果につなげることができました。
フジッコさまのさらなる売上の向上にご寄与できるように、引き続きご支援してまいります。