
インターネット広告に携わっている方であれば「ブラパネ」という単語を聞いたことがあると思います。ブラパネとは、言わずとしれた日本最大級のポータルサイトであるヤフーのトップページに表示される「Yahoo!JAPAN ブランドパネル」の略称です。
2019年2月4日(月)より、これまで予約型の広告商品(純広告)としてのみ提供されていた、ブランドパネルPC版へ、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(以下、YDN)からも出稿が可能となっています。
参考:YDN PC版Yahoo! JAPANトップページへの広告掲載対応について Developer Center - Yahoo! JAPAN プロモーション広告
YDNのターゲティングが利用できるなど広告運用の柔軟性は向上したものの、当初は最低入札価格が250円に設定されており(その後150円へ下げられましたが)、誰でも気軽に出稿できる広告メニューではありませんでした。
このたび、YDNからのPCブランドパネル(静止画)の最低入札単価が撤廃され、利用のハードルが下がりました。
参考:【YDN】PCブランドパネル(静止画)の最低入札価格撤廃のお知らせ - Yahoo!プロモーション広告
本記事では、今回の最低入札価格撤廃の概要と、YDNのPCブランドパネルの活用方法をご紹介します。


Contents
ブランドパネルとは?
日本最大級のページビュー数を誇るヤフーのトップページのファーストビューに位置する広告枠に、静止画や動画を配信できる広告メニューです。PC、スマートフォンともに広告メニューとして提供されていますが、PC版へはYDN経由で出稿可能となっています。一方、スマートフォン版Yahoo! JAPAN ブランドパネルはYahoo!プレミアム広告として、予約型広告商品としてのみ販売されています。
参考:Yahoo!プレミアム広告 - Yahoo!マーケティングソリューション
YDNからブランドパネルへの出稿でできること
YDN版のブランドパネルでは次のようなメリットがあります。
1.YDNのターゲティングが利用できる
純広告のブランドパネルにくらべてYDNのターゲティングが利用可能となるため、より柔軟なターゲティングができます。
以下のターゲティングが利用可能です。
- 性別
- 年齢
- 地域
- 曜日・時間帯
- インタレストカテゴリー
- サーチターゲティング
- サイトリターゲティング
なお、ブランドパネルにおいては広告掲載枠がヤフーのトップページのみと決まっているため、配信先を指定するターゲティングは利用できません。
- サイトカテゴリー
- プレイスメントターゲティング
2. 費用やクリエイティブのコントロールが容易
Yahoo!プレミアム広告での広告配信では、費用や期間、クリエイティブの差し替えなどには制限が多くありますが、YDN経由では通常のキャンペーン同様にこれらを容易にコントロールすることができます。
YDNの運用して改善していけるメリットはそのままに利用することが可能です。
3. ユーザーのアクションに基づく課金体系
YDN版のPCブランドパネルの静止画はクリック課金、動画は10秒視聴での課金で提供されています。
一定期間でまとまった料金が必要で、かつインプレッション保証型の料金体系に比べて、クリックや動画視聴といったユーザーのアクションに基づく課金体系であるため、広告のパフォーマンスによっては費用対効果を高めることも可能です。
冒頭に紹介したとおり、最低入札単価も撤廃され、入札価格も柔軟に変更が可能となりました。(ただし、一定の水準以上の入札単価を設定しないと、広告が表示されませんが…)
品質維持のため一部業種では利用不可
国内最大規模のポータルサイトという信頼感もあり、広告出稿側として配信先の心配をする必要がないことも大きなメリットですね。
なお、サービスの品質維持という観点から一部業種やカテゴリーでの出稿はできませんので、把握しておきましょう。
ピンチアウトしてご確認ください。
YDN版ブランドパネルの入稿規定
現在、YDN版ブランドパネルで配信可能な広告の入稿仕様は以下になります。

画像引用元:PCブランドパネル(静止画・動画)について
静止画は正方形のみ、動画は正方形に加えて横長のサイズも用意されています。詳しい規定については、以下の公式ヘルプよりご確認をお願いします。
参考:PCブランドパネル 広告仕様 - Yahoo!プロモーション広告 ヘルプ
YDN版ブランドパネルの活用方法
ブランドパネルでのターゲティング設定が分かったところで、実際におすすめな活用方法を挙げていきます。
「ブランドパネル×サイトリターゲティング」
最低入札価格が撤廃されたと言っても、有名ポータルサイトでもっとも目立つ広告枠を狙うため、競合性は高くクリック単価も、通常のYDNにくらべて高くなります。
そのため、まずはサイトリターゲティングと組み合わせての活用からはじめると、成果が出しやすいのでオススメです。
また、ヤフーはサイト自体が日本で圧倒的な認知度を誇ります。そのような広告枠に広告が掲載されることは、他のサイトにディスプレイ広告を表示させるのとでは、1回の表示でも意味合いが異なってくるはずです。
「ブランドパネル×サーチターゲティング」
たとえば、比較検討期間が長く、購入までに繰り返し検索を行うような商材ではサーチターゲティングとの組み合わせもおすすめです。
これから検索して何かを探そうというとき、その横に目的となり得るものが表示されていたら思わずクリックしてしまうのではないでしょうか?
ヤフーのトップページという、ポータルサイトと検索の入り口を兼ねるサイトであるからこその導線を引くことも可能となります。
参考:YDN、サーチターゲティングの仕組みと設定、考え方までのスベテ
ヤフーは幅広い年代のユーザーに利用されています。圧倒的なページビュー数とリーチを誇るがゆえ、誰もがターゲットになりうるような商材でない限り、より高い費用対効果を求めるのであれば、確度の高いターゲティングから取り組んでみるのをおすすめします。
最低入札単価が廃止で実施のハードルはやや下がった
「良質な配信面」かつ「国内有数のページビュー数とリーチ数」を誇るブランドパネル枠は、これまで出稿のハードルが高く、なかなか手が出せませんでしたが、PCのみとはいえYDNからの出稿が開放され、より詳細なターゲティングが可能になりました。
しかし、入札単価が低すぎると広告がオークションに負けて表示されない可能性もあります。まずは入札単価を高めに設定し、徐々に下げていくと良いでしょう。最低入札単価が廃止された今だからこそ、気軽に試してみることをおすすめします。