「広告に接触すると買わなくなってしまう人をきれいに配信対象から外すこと」を可能にするリスティング広告のリターゲティングテクニック5選

先日、広告業界に従事している人なら、誰もが目を通したことのあるであろうという「業界人間ベム」さまで、「広告に接触すると買わなくなってしまう人もいる」という記事の投稿がありました。

その要因として「広告に接触すると買わなくなってしまう人がいるということ その2」という記事の冒頭にて、次のように仮説が立てられています。

「どうやら広告に接触すると買わなくなってしまう人がいる」ことを広告接触と購買行動を紐付けたデータの中に垣間見ることができると前回書いた。では、どうしてほっとけば買ったかもしれない人が広告を当てたばかりに買わなくなるのか。仮設としては、

① 広告のトーン&マナーが嫌い。(または出てくるタレントが嫌いなど)

② ブランドを勧める文脈が共感出来ない。(かえって自分には関係ないブランドと認識する)

③ 広告がしつこい。(リタゲバナーにもありそう。)タイミングが悪い。

などが考えられるが、コミュニケーション内容が嫌悪感など反感を与えてしまい、逆効果になるという表現の問題と、フリークエンシーが多過ぎるまたは、タイミングが悪いという広告接触のさせ方の問題と2つあると思う。

検索連動型広告で集客し、Googleアドワーズのリマーケティングや、YDNのサイトリターゲティングなどのリターゲティング広告によって、再度アプローチしてコンバージョンさせるという手法が主流となる中で、広告接触、購買行動など様々なデータから見てこの仮説が正しいのであれば、これらのリターゲティング広告のターゲットユーザーの中には、もう購買行動を起こさない人が一定数いるということになります。このような事態は改善をせねばなりません。

同記事の中では、

究極のターゲティングとは「広告に接触すると買わなくなってしまう人をきれいに配信対象から外すこと」(至難の技だろうが)ではないかと思う。

と触れられていますが、私たちも非常に共感するところです。実はリスティング広告のリターゲティング広告(リマーケティング広告)においては「広告に接触すると買わなくなってしまう人をきれいに配信対象から外すこと」をできるだけ可能にするテクニックがあります。今回はその5つのテクニックについてご紹介いたします。

今回ご紹介する5つの手法

  1. 対象とならない属性(年齢、性別など)を除外
  2. 時間帯、配信地域を除外
  3. 特定のページに辿り着いたユーザーの除外
  4. 購買者と異なる動きを除外
  5. 明らかにモチベーションの異なる参照元を除外

対象とならない属性(年齢、性別など)を除外

提供する商品やサービスに対して、ターゲットとなる年齢や性別がハッキリと定まっている場合、例えば女性向けの脱毛などは、男性がメインターゲットとはならないため、リターゲティング広告を配信する必要はありませんよね。

下記はGoogleアドワーズの例ですが、対象とならない属性(下記は年齢層の例)を除外する事ができます。YDNでも同様の設定が行えます。

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時間帯、配信地域を除外

飲食店やマッサージ店など、地域性のある店舗ビジネスを行っている場合、営業時間外であったり、店舗が遠くて来店が現実的ではないような地域への配信も必要がないかもしれません。ただし、「渋谷駅周辺の飲食店を横浜の自宅から探す」といったシチュエーションは容易に想像がつきます。こういった場合は、Webページからの予約をコンバージョンとしていたり、顧客のデータがあるのであれば、その状況を見ながら配信地域や時間帯などを決めるという選択肢もあって然るべきです。

特定のページに辿り着いたユーザーの除外

例えば、トップページのみ訪問し、商品やサービスの詳細を見ずに離脱した人は購入にながりにくいと考えられますし、マイページのログイン画面に到達したロイヤリティが高いユーザーは、リターゲティング広告を配信しなくても継続購入する可能性があるため、除外を検討しても良いでしょう。

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また、単品通販など、縦長のランディングページ1ページしか存在しない場合、それが直ちに直帰してしまった人なのか、ページをすべて読んだ上で離脱してしてしまったのかは、遷移したページ間の時刻の差分で滞在時間を計測するGoogleアナリティクスの場合はこの判断ができません。その場合は、GoogleタグマネージャーやYahoo!タグマネージャーで、ページ読み込み後5~10秒後にリマーケティング(サイトリターゲティング)タグを発火するようカスタマイズすることで、直ちに直帰してしまった人を除外することが可能です。

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購買者と異なる動きを除外

Googleアナリティクスで購買者とそれ以外を分割して比較をしてみると、それらのPV数や滞在時間などは大幅に差が開く傾向にあります。つまり「購入者に近い行動を起こす未購入者」にリストを絞り込むことで、購入に結びつかないであろう行動を行っているユーザーを除外することができます。

※実現にはGoogleアナリティクスリマーケティングを用います。

明らかにモチベーションの異なる参照元を除外

Googleアナリティクスなどのアクセス解析で参照元ごとの成果を見たときに、明らかに成果に結びついていない参照元などが出てくるケースがあります。それらはほとんどの場合でポイント目当てでポイントサイトから流入してきたユーザーや、特定のメールマガジン広告などがそれに当たるケースが多いわけですが、こういった配信先から流入してくるユーザーは除外を行っても良い場合があります。

こちらもGoogleアナリティクスリマーケティングを用いれば容易に設定が可能です。

まとめ

GoogleアナリティクスリマーケティングやGoogleタグマネージャー、Yahoo!タグマネージャーの出現により、これまでよりもより精度の高いリターゲティングが可能になりました。それらに伴い、代表的な「広告に接触すると買わなくなってしまう人をきれいに配信対象から外すこと」を可能にするリスティング広告のリターゲティングテクニックを5つご紹介いたしました。これらの手法を元に配信方法を変更したり、ユーザーリストの設計を変えることで、その実現に近づけるのできるようになるでしょう。更にはここで記した以上のことも可能です。

しかしながら、配信対象から外すことばかりを考えてしまうことは禁物です。Googleアドワーズのリマーケティングでは最低100ユーザー未満、YDNサイトリターゲティングもターゲットリストのユーザー数が少なすぎる場合はユーザーリストが発動しないため、広告が表示されなくなってしまう事態に陥ります。

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上図のように、対象ユーザーへのフィルタリング数や粒度と広告インプレッション数はトレードオフの関係になりますので、ユーザーの除外はほどほどにしておかなければ、「そもそも広告が配信されない」なんてことにもなりかねませんので、商材、対象ユーザー、目標、予算などによって程よいバランスを見極めるのがよいでしょう。そう、リターゲティングで最も大事なことは”バランス”と言えます。

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Hiroki Tanaka

Hiroki Tanaka

アナグラム株式会社 テクノロジーエキスパート。 元公共放送の放送エンジニアからのキャリアチェンジで、前職の広告代理店にリスティング広告の運用コンサルタントとしてこの世界に飛び込む。その後、2012年1月にアナグラム第1号社員として入社。広告運用、クルーのブログの編集と自社Webサイトの管理、Googleアナリティクス・タグマネージャー・データフィードなどに関する技術支援、セミナー登壇、社内整備など経営以外の領域をだいたいカバー。お酒が飲めないのにワイナリーの収穫祭に参加する人。