Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(以下、YDN)は入稿や設定などの手間の割に、Googleディスプレイネットワーク(以下、GDN)と比べるとなかなか成果が出にくいし、取り組むのは後でも良いかな...と思っている人はいませんか?
実はここ最近、YDNのサーチターゲティングという機能を利用することで、商材によってはGDNよりも大きなビジネスインパクトを与えているケースを見る事が多くなってきており、その影響を無視できない、つまり、取り組まない理由がない、と感じる機会が非常に多くなってきました。今回はそんなYDNのサーチターゲティング機能について、機能の解説と設定方法についてお伝えしたいと思います。
目次
もくじ
サーチターゲティングとはどのような機能か
サーチターゲティングとは、Yahoo!JAPANの各種検索機能で消費者が検索した検索語句に基づいてターゲティングを行う機能で、広告主が設定した「サーチキーワード」と「消費者が過去30日に検索した語句(検索履歴)」がマッチした場合に、YDNの広告枠に広告を表示させるという機能です。
ここで言う「過去30日」とは、検索時からほぼリアルタイムで反映され、そこから30日間という定義です。検索行動を起こした消費者に対して、即時にサーチターゲティングによる再アプローチが可能な仕組みになっています。
Yahoo!プロモーション広告の公式ヘルプにも仕組みについての記載がありますが、改めてご紹介しますと、下記のイメージとなります。
サーチターゲティングのメリット
1.検索キーワードで消費者をセグメントできる
現在から過去にさかのぼった検索キーワードによって消費者単位でセグメントがされるため、広告の配信先コンテンツの内容に左右されません。
2.検索連動型広告を嫌う消費者にもアプローチできる
検索結果のうち、”あえて”広告をクリックしない消費者に対して、ディスプレイ広告でアプローチが可能です。
3.安いクリック単価で多くのインプレッションを獲得可能
どのキーワードでセグメントを行うかによって左右されますが、キーワードによっては数円で大量のインプレッションを叩き出すことが多々あります。
サーチターゲティングのデメリット
1.一定のリーチ数のあるキーワード群の中からしかキーワードを設定できない
設定するキーワードは、Yahoo!が用意したキーワードリストの中から選択する形式になっているため、どのようなキーワードでも自由に設定できるというわけではないため注意してください。
※サーチターゲティングに活用できるキーワードは、2014年10月29日には新たに5,400キーワードほどが拡張されております。このような機能改善は、これからサーチターゲティングを始める人だけではなく、既に活用している広告主にも嬉しいアップデートですね。
2.リーチ数が少ないキーワードでは多くのインプレッションを得られない
過去30日のデータを元にするため、リーチ数が少ないキーワードばかりを選択すると、そもそも得られるであろう広告のインプレッションが少なくなるために成果が出にくく、スケールさせることはなかなか難しいです。
3.検討期間が非常に短いビジネスでは顧客獲得単価(CPA)が悪化する恐れがある
検索直後から30日間が広告表示の対象となるため、「水漏れ」「鍵開け」など検索から数時間~数日で解決してしまうような緊急性の高いビジネスの場合は、そもそもそのサービスをもう必要としていない消費者が大多数となってしまう可能性があり、結果、顧客獲得単価(CPA)が悪化、広告費用対効果(ROAS)が見込めなくなる可能性があります。
以上、サーチターゲティングはメリットが多くある反面、デメリットもあるため、これらの仕様を踏まえた上で、どのように攻めていくかということを考える必要があります。
サーチターゲティングの設定方法
サーチターゲティングの仕組みや特徴が理解できたら、さっそく設定を行って配信をしてみましょう。手順としては大きく2つになります。
では、詳しい手順をご紹介いたします。
Step.1 サーチキーワードリストを作成する
どのようなキーワードで検索履歴を持つユーザーに広告を配信したいかのリストである「サーチキーワードリスト」を作成します。
[YDN]タブ-[ツール]-[サーチキーワードリスト管理]に進みます。 [+サーチキーワードリスト作成]をクリックします。リスト名は内容が分かるようなものを設定しておきましょう。
[サーチキーワード入力欄]に設定をしたいキーワードを入力し、検索をします。このキーワードを元にして、実際に設定ができるキーワードの一覧が表示されます。検索キーワードが「保険」であれば、検索結果はこのような感じに表示されます。この中から設定したいキーワードにチェックを入れていきます。
設定したいキーワードにチェックを付け終わったらリストを保存します。
なお、ヘルプによりますと、
- サーチターゲティングでは、設定したサーチキーワードの検索履歴を保有するユーザーに対して、原則として完全一致(*)で広告を配信します。
(*)送り仮名や全角・半角、大文字・小文字など一部の表記ゆれを含みます。
という仕様になっていますので、サーチキーワードとして「保険」を設定した場合、「生命保険」「医療保険」「自動車保険」で検索した消費者にはマッチせず、「保険」で検索した消費者のみしか広告が表示されないということになるので注意が必要です。
今回ご紹介している方法は、「保険」のようにあらかじめ設定したいキーワードがある場合の設定方法ですが、Yahoo!があらかじめカテゴライズをした「おすすめキーワード」から選択する方法もあります。それぞれのカテゴリなどを選択すると、そこに属するキーワード群が検索結果画面に表示されるので、設定したいものにチェックを入れてリストを作成します。
Step.2 サーチキーワードリストを広告グループに紐付ける
作成したサーチキーワードリストは広告グループ単位で紐付ける形になり、広告グループの新規作成時、または既存広告グループの編集を行うときに設定を行います。
ここで注意しなければならいのは、サーチキーワードリストは「1広告グループに対して、紐付けられるサーチキーワードリストは1つだけ」という点です。そのため、複数のサーチキーワードリストを元に広告を配信したい場合は、下記のような構成にする必要が出てきます。
サーチターゲティングの設定の大枠の部分は以上となり、入札単価や広告の設定などは一般的なものと同様です。
サーチターゲティングでは、選択したキーワードでアプローチできるリーチ数に応じてインプレッション数が左右されますので、10万を超えるようなリーチ数が多いキーワードを指定した場合は、入札単価を数円~十数円などから始めてみることをおすすめします。
まとめ
サーチターゲティングでは、「誰に広告を出すか」と「どのくらいのリーチ数(インパクト)があるのか」を念頭に置いたうえでキーワードを選定することが、成功へ導くための鍵となります。YDNのターゲティングは他のターゲティング方法との掛け合わせを行うこともできますので、キーワードにによって消費者へダイレクトにアプローチすることも良し、他のターゲティングと掛け合わせることで、サーチターゲティングをフィルタ的な役割として使うことも良し、といったように、とれる戦略は無限に広がります。と考えると、チャレンジしない理由はありませんね。
繰り返しになりますが、YDNサーチターゲティングはGoogle アドワーズのさまざまなプロダクトを含めた上でも、リスティング広告業界のここ数年でローンチされたプロダクトの中でも群を抜いて優秀なプロダクトであると私たちは確信しています。(これについて語ると2,3時間かかりますので割愛しますが)
最後に、サーチターゲティングの活用法はまた別の機会に詳細にご紹介できればと思いますのでお楽しみに。