Google 広告のディスプレイキャンペーンにておいて、「コンバージョンに対するお支払い(Pay for conversion)」の利用が可能となったことが2018年12月13日に発表されました。
参考:Introducing pay for conversions in Display campaigns - Google 広告 ヘルプ
従来のクリック課金制ではクリックに対してで料金が発生する仕組みとなっており、仮にコンバージョンが発生せずとも費用は発生します。一方、「コンバージョンに対するお支払い」では、文字通り課金対象をコンバージョンとすることができるため、広告の表示自体や広告のクリックに対しては費用は発生しません。
「コンバージョンに対するお支払い」の利用に必要な条件
スマートディスプレイキャンペーン(SDC)では要件を満たす場合にはすでに利用できましたが、今回のアップデートにて利用範囲が通常のディスプレイキャンペーンへも拡大されています。SDCと同様に、利用にあたっては以下の条件を満たしている必要があります。
- 過去30日間にアカウント内のコンバージョン数が100件以上
- 90%以上のコンバージョンが広告のクリックから7日以内に発生
詳細については以下の記事も合わせてご確認ください。
参考:Google アドワーズ、スマートディスプレイキャンペーン(SDC)で「コンバージョンに対するお支払い」の提供を開始
目次
「コンバージョンに対するお支払い」の設定方法
コンバージョンに対するお支払を利用するには、入札戦略を「目標コンバージョン単価」とする必要があります。
「支払い対象」でコンバージョンを選択します。なお、ここで設定する目標コンバージョン単価は、コンバージョンを獲得ごとするたびに発生する課金額です。
「コンバージョンに対するお支払い」で注意したいこと
コンバージョンしていなくても料金がかかるクリック課金とは異なり、コンバージョンという成果に応じて料金が発生する課金方式は、一見するとリスクなく広告配信ができる方法のようにみえますが注意点もあります。
一部のコンバージョンは自動入札の対象外
コンバージョンに対するお支払いでは、オフライン コンバージョン、Google 広告のコンバージョン インポートからのコンバージョン、デバイスをまたいだコンバージョンに対しては、入札の最適化がなされません。
これらのコンバージョンをメインの指標として広告運用を行っている場合は、クリック単価制を使用しましょう。
低すぎる目標コンバージョン単価による配信ボリュームの減少
指定したコンバージョン単価で課金されるのであれば、低い値を設定したくなりますよね。ただ、あまりに低い目標コンバージョン単価を設定すると、配信ボリュームが少なくなってしまう可能性があります。
公式のヘルプによれば、支払いの対象がコンバージョンでもクリックでも、同じ入札のアルゴリズムが適用されます。たとえばクリック単価制からコンバージョン単価制に切り替える場合など、必要以上に低い目標コンバージョン単価を設定してしまうことは避けるのがよいでしょう。また、クリック単価制の目標コンバージョン単価を実際のコンバージョン単価の数値が上回る場合なども、注意が必要となります。
まずは、実際のコンバージョン単価の数値に近い目標からチャレンジしてみるのがおすすめです。
適切でない目標コンバージョン単価を設定してしまう可能性
先ほどとは逆に必要以上に高いコンバージョン単価を設定してしまうリスクもあります。
たとえば、クリック単価制であればコンバージョン率が想定以上に高ければ、目標とするコンバージョン単価よりも実際のコンバージョン単価が低く済む可能性があります。
コンバージョンに対するお支払いの利用要件からもわかるように、アカウントの過去のコンバージョンデータをもとに配信の調整がなされると考えられるため、いきなりコンバージョンに対するお支払いを選択するのではなく、クリック単価制での広告運用を通して実現できているコンバージョン単価を基準とするのがよさそうです。
設定時に推奨される目標コンバージョン単価も提示してくれるので、こちらも参考にしてみてください。
新しい施策へ取り組む際の選択肢のひとつとしても
コンバージョンに対してのみ支払いが発生するのは、目標としたいコンバージョン単価は明確であるけど、成果が伴うかわからない新規施策のキャンペーンを最小限のリスクではじめるのに最適ではないかと考えます。
ただし、目標とする成果に応じた課金形式はリスクがまったく無いように思えてしまいますが、すでに述べたように注意するべきポイントもいくつかあります。コンバージョン単価制を用いることによって意図する広告運用ができるのかを明確にして取り組んでいきたい機能ですね。