すべての広告枠にフィットする「レスポンシブ広告」
2016年5月のGoogle アドワーズのメジャーアップデートで発表されていた「レスポンシブ広告」が2016年7月より全アカウントに対し提供が開始されました。段階的に各管理画面に反映していましたが8月末現在、筆者の環境ではほぼすべてのアカウントでレスポンシブ広告の作成が可能となっています。
ディスプレイ レスポンシブ広告の詳細
画像、広告テキスト、リンク先URL、ビジネス名といったアセットをあらかじめ設定することにより、Googleディスプレイネットワーク(以下、GDN)上の様々なサイトやアプリの広告枠に合わせて表示が自動的にカスタマイズされたクリエイティブを掲載することができます。
広告タブより「レスポンシブ広告」を選択。
以下の情報をそれぞれ入力して保存。
要件 | |
画像 | 比率 1.91:1(横向き)で、600×314 以上(推奨サイズは 1,200×628) |
ロゴ ※任意 | 比率が 1:1(正方形)で、128×128 以上 (推奨サイズは 1,200×1,200) |
短い見出し | 半角25 文字(全角12文字)以内 |
長い見出し | 半角90 文字(全角45文字)以内 |
説明文 | 半角90 文字(全角45文字)以内 |
会社名(ブランド名) | 半角25文字(全角12文字)以内 |
次のようなケースはポリシーに反するため注意が必要です。
・テキスト(テキスト入りのロゴを含む)が画像の 20% を超える
・会社名の項目に、ドメインまたは一般に知られているその会社の名称以外の情報が含まれている
・アニメーション画像(GIF アニメーションなど)を使っている
参考:レスポンシブ広告の要件 - AdWords 広告掲載のポリシー ヘルプ
なお、登録する画像は一般のイメージ広告作成と同様にアップロードの他、ウェブサイトをスキャンしたりGoogleが用意しているストック画像を使用したりすることも可能です。ストック画像もテンプレート広告のUIからアップグレードしており、キーワードで検索して商材やサービスのイメージに合ったものが探しやすくなりました。
※2016年9月30日 追記:ストック画像の使用について、キーワードでの検索は廃止され、URLを入力し関連画像を検索するように仕様が変更となりました。
作成完了後に「ネイティブ」「イメージ」「テキスト」とそれぞれのフォーマットのプレビューを確認することができます。フォーマットにより採用される情報や位置が異なりますのでプレビューは確認しておくことをおすすめします。
参考:ディスプレイ ネットワークに掲載されるレスポンシブ広告の作成 - AdWords ヘルプ
10 月 26 日以降、GDNで従来のテキスト広告を作成したり編集したりすることはできなくなるとのことです。また、従来のテキスト広告を代替するフォーマットのため、ゆくゆくは配信自体も停止となります。
従来のテキスト広告では、ネイティブテキスト広告としてサードパーティの画像が追加表示される場合もありました。その画像がブランドにとって好ましくないという理由でGDNへのテキスト広告の掲載を控えていたアカウントも、画像を指定するレスポンシブ広告は安心して取り組めますね。
参考:ディスプレイ ネットワークに掲載されるテキスト広告について - AdWords ヘルプ
動的リマーケティング向け「レスポンシブ動的広告」も登場
広告テンプレート内の動的広告に「レスポンシブ動的広告」が一部のアカウントで登場しています。(※管理画面では「動的レスポンシブ広告」ですが本記事ではアドワーズ公式ヘルプの表記を採用しています)
こちらも従来の動的広告の様にイメージ広告、テキスト広告を個別に作成する必要がなく、単一のアセットであらゆる広告枠のサイズやデザインに対して形式が自動的に調整されます。プレビューではテキスト、イメージの他ネイティブ広告としても対応されているものを確認することができます。
リテール向け(マーチャントセンター使用)、多業種向け(ビジネスデータ使用)のキャンペーン両方で使用可能となっています。
参考:動的ディスプレイ広告を作成する - AdWords ヘルプ
クリエイティブのPDCAをさらに加速
ユーザーが接するデバイスやメディアは現在でも目まぐるしい変化を続けています。増え続ける多種多様な広告枠のサイズやあらゆるスタイルに対して最もパフォーマンスの高い組み合わせを表示することができるディスプレイ レスポンシブ広告には、今のうちから取り組んでおくのが良さそうです。
一般的なイメージ広告のサイズは非常に多く、制作の手間も費用も増えてクリエイティブのPDCAの障害となるケースも少なくありません。すべての広告枠にフィットする広告を一度に作成できるのは、運用者にとっても広告主にとっても大きなメリットですね。レスポンシブ広告の活用でクリエイティブのPDCAを加速させることもできるのではないでしょうか。