拡張テキスト広告が全アカウントで利用可に
2016年7月26日、Google は アドワーズにおいてこれまでベータ版として一部の広告主に提供されていた「拡張テキスト広告」がすべての広告主で利用可能になったことを発表しました。
参考:Inside AdWords: Available today: three ad innovations for a mobile-first world
これにより、従来のテキスト広告に比べ広告に含められるテキスト量が約50%増加し、より製品やサービスをアピールする要素を含めることができるようになりました。より長い広告の見出しはユーザーが広告をクリックする前により多くの情報を提供することができます。約15年間続いていた従来のテキスト広告の形式が変更となる大きな変更ですね。
拡張テキスト広告の詳細
これまでのテキスト広告と同様に、拡張テキスト広告は Google 検索ネットワークと Google ディスプレイ ネットワークの両方に対応しています。
これまでと同様に「広告」タブから新規の広告を作成すると、デフォルトで拡張テキスト広告の作成画面が表示されます。「標準のテキスト広告に戻す」をクリックすることで従来のテキスト広告もまだ作成することが可能ですが、2016年10月26日 2017年1月31日(※)以降は作成または編集ができなくなります。(ただし、既存の標準テキスト広告は、この日以降も引き続き掲載可とのこと)
※2016年9月14日追記:標準のテキスト広告の作成・編集期限が2017年1月31日まで延長されることが発表されています。拡張テキスト広告の効果的な活用のために、十分なテストを行う期間を設ける、といった趣旨ですね。
参考:Expanded text ads: more time to test and iterate Earlier this year, we intro...
拡張テキスト広告のレギュレーションは以下とおりです。
・2 つの広告見出し(それぞれ最大 30 文字)
・1 つの広告文(最大 80 文字)
・1 つの表示 URL(最終ページ URL のドメインを使用)
・広告の表示 URL に使う 2 つの「パス」項目(省略可。それぞれ最大 15 文字)※オプション
※すべて半角1文字でカウント(よって全角1文字は2文字分のカウントです)
表示URLは最終リンク先URLからドメインが自動的に取得されますが、表示URLの後ろに「/」で区切られた「パス」を追加することができます。パスのテキストは最終ページ URL のテキストと正確に一致する必要はなく、ユーザーがランディングページの内容を類推できるものであれば日本語でも設定が可能です。これまでも一部利用は可能でしたが、オプションとして項目を設けることとなった背景にはやはり広告パフォーマンスとしてのインパクトがあるからなのでしょう。
また、そもそもがモバイルに最適化された広告フォーマットとなったため、従来のテキスト広告では指定できた「モバイル優先」チェックボックスは拡張テキスト広告で無くなっており、広告単位では配信デバイスを指定することはできなくなりました。
7月27日には拡張テキスト広告に対応したAdWords Editor 11.5もリリースされており管理画面(直接の編集、一括入稿)と合わせてすべての方法で管理が可能な状態です。これまで新機能のローンチからAdWords Editorの提供開始までは間が空くケースが多かったかともいますが、今回はフルローンチ直後の対応バージョンリリースとなっていて、変更のおよぼすインパクトがうかがい知れますね。
参考:Inside AdWords: AdWords Editor 11.5 supports expanded text ads, mobile app engagement ads, and more
より情報量の多い広告フォーマットへ
Googleの公式ヘルプにも記載がありますが、既存のテキスト広告に2 つ目の広告見出しを単に追加するのは少し考えた方がよさそうです。単純にテキスト量が増えたと捉えるか、より情報量の多い広告フォーマットへ変わったと考えるかで成果にも影響を及ぼすのではないかと思います。早急に対応したい気持ちもよくわかりますが、安直に広告テキストを間延びさせるのではなく、「ユーザーにとって価値のある情報」をいま一度見直してみるいい機会かと思います。
なお、もっとも一般的なモバイル端末に合わせたフォーマットであるため、拡張テキスト広告は広告が表示されるときに必ずすべてが表示されるわけではありません。ブラウザのサイズや広告オプションの有無によって省略記号(...)を使ってテキストが省略される場合がありますので注意が必要です。しっかりと仕組みを理解してユーザーに有益な情報を届けられるよう有効に活用していきたいですね!