Microsoft広告、メディアライブラリのフォルダ機能追加やリマーケティングリストの自動作成など8つの新機能を発表

Microsoft広告、メディアライブラリのフォルダ機能追加やリマーケティングリストの自動作成など8つの新機能を発表
この記事は最終更新日から約2年が経過しています。

Microsoftは現地時間2022年12月6日(火)、既存機能の充実や、新たに配信に利用できるリマーケティングリストの追加など、複数のアップデートを発表しました。

参考:Video Ads and other product updates for December - Microsoft Advertising Blog

本記事では、すでに日本で利用可能な機能と、現時点で日本では利用できないものの12月6日に発表のあった8つの新機能を紹介します。

Microsoft広告を配信している人もこれから配信を検討している人も、ぜひチェックしてみてくださいね。


すでに日本で利用可能なアップデート

12月6日に発表のあったアップデート情報のうち、まずは日本でも利用可能なものから紹介します。広告管理画面のUI改善やインポート機能など、広告運用の効率化に役立つ機能が中心です。

メディアライブラリにフォルダ機能が追加、アセット整理が可能に

メディアライブラリ(※)で使えるフォルダ機能がリリースされました。2022年12月時点、広告管理画面に機能実装されている広告アカウントは利用可能です。

参考:Use Asset library to manage all your creative assets - Microsoft Advertising

これまで、メディアライブラリ内にフォルダ機能がなかったため、特定のキャンペーンや広告グループでどのアセットを使用しているかが分かりづらく、誤ったアセットを使用してしまうミスが起こりやすい環境でした。

今回、フォルダ機能が追加されたことで、キャンペーンや広告グループごとにフォルダを作成し、フォルダ単位でアセットを整理できるようになるため、どのアセットをどのキャンペーンや広告グループで使用しているかの確認や誤ったアセットを配信設定してしまうミス防止に役立ちそうですね。

ただ、作成したフォルダは削除できないなど、やや不便な点もあるようです。

むやみにフォルダを作成してしまうと、逆にメディアライブラリ内が煩雑になってしまう可能性があるため注意が必要ですね。

※メディアライブラリとは、Microsoft広告アカウントで使用しているすべてのアセットを確認・編集・作成できるライブラリ機能です

広告スケジュールをカレンダービューで確認できるように

広告のスケジュールがカレンダービューで表示されるようになりました。2022年12月時点、広告管理画面に機能実装されている広告アカウントは利用可能です。

これまでは、テキストのみの一覧表示だったため意図した設定ができているかが直感的に分かりづらいUIでした。

今回、広告スケジュールがカレンダービューで表示されるようになったことで、意図した設定ができているかが一目で分かりやすくなりました。これにより広告スケジュール設定でのミスが軽減されそうですね。

Google 広告のP-MAXキャンペーンがインポート可能に

Microsoft広告には、ほかの広告媒体のキャンペーンや広告グループの設定をインポートできる機能があります。

これまでベータ版だったGoogle 広告のP-MAXキャンペーンのインポート機能が今回、正式にローンチされました。12月6日時点で、今後数週間以内に全てのアカウントで利用可能になることが発表されています。

参考:Import your Performance Max campaigns - Microsoft Advertising Blog

Google 広告のP-MAXキャンペーンは、Microsoft広告内でMerchant Center ストアの設定が完了していれば、スマートショッピングキャンペーンおよびローカル在庫広告としてインポートできます。

ホリデーシーズンに向けて、ショッピング広告の配信を強化したい広告主が多いことを鑑みて、Microsoftは、スマートショッピング広告を配信できるようにP-MAXキャンペーンのインポート機能の12月リリースに 急いだのかもしれませんね。

すでにGoogle 広告でP-MAXキャンペーンを配信していて、これからMicrosoft広告を始めたい場合には、Microsoft広告上で新たにキャンペーンを作成する手間が省けるだけでなく、今後P-MAXキャンペーンに加えた変更を、Microsoft広告にインポート機能を使って簡単に反映できるようになるのはうれしいですね。

P-MAXキャンペーンに限らず、Google 広告からキャンペーンをインポートする手順については、下記のヘルプを参考にしてください。

参考:Import campaigns directly from Google Ads - Microsoft Advertising 

自動作成されたリマーケティングリストのうち2種類が日本で利用可能に

アカウントデータに基づく3種類のリマーケティングリストが自動作成されるようになりました。これらのリストは、Microsoft 検索ネットワークとMicrosoft オーディエンス ネットワークの両方で利用可能です。

2022年12月時点、3種類のリマーケティングリストのうち2種類が日本でも表示が確認できています。しかし、本機能はオープンベータ版での提供のため、実際の利用可否についての保証はありません。

参考:自動作成されたリマーケティング リスト - Microsoft Advertising

各リマーケティングストの内容は下記表をご確認ください。

リスト名リストの説明
All visitors過去 30 日間に Web サイトを訪問したすべてのユーザーリスト。
All Converters過去 180 日間にコンバージョンに至ったすべてのユーザーリスト。
Smart remarketing list(※)配信データに基づいて生成された、コンバージョンに至る可能性が高いユーザーリスト。

※Smart remarketing listは、米国のみで提供で日本では利用できません(2022年12月時点)

自動作成されたリマーケティングリストを組み合わせてターゲットとして利用したり、既存配信に追加して入札に強弱をつけるなど、配信調整に活用できそうですね。

また、自動作成されたリマーケティングリストを使用するには、下記の条件を満たしている必要があります。

  • アクティブなユニバーサル イベント トラッキングタグの設定
  • 有効なコンバージョン目標の設定(All ConvertersとSmart remarketing listのみ)

日本では現時点で利用できないアップデート

ここまで日本で利用可能なアップデート情報をお届けしました。

さて、日本でのリリース時期は未定なものの、注目しておきたいアップデートは他にもあります。

今後、利用可能地域が拡大して日本でも利用できるようになる可能性は高いため、ぜひチェックしてみてくださいね。

フライヤー表示オプションが追加に

広告表示オプションに新たに「フライヤー表示オプション(※)」が追加されると発表がありました。2022年12月時点、広告管理画面上でのセットアップは可能ですが、日本で利用可能になる時期は未定です。

※広告管理画面での名称は「フライヤー表示オプション」、公式ヘルプでの名称は「チラシ表示オプション」となり名称が異なりますが、本記事では「フライヤー表示オプション」の表記で統一します。
画像引用元:Microsoft Advertising Flyer extensions: Add a flyer to your ad

「フライヤー表示オプション」を利用すれば、テキスト広告の横にリンク付きで商品やプロモーションの画像を表示できるため、商品やプロモーション情報を目立たせることができます。

また、「フライヤー表示オプション」はテキスト広告の横に画像が表示できるという点で「画像表示オプション」と似ているため、どのように使い分ければいいか悩むこともあるかと思います。

下記の表は「フライヤー表示オプション」と「画像表示オプション」の違いをまとめたものです。

表示オプションフライヤー表示オプション画像表示オプション
表示可能な期間30日間以内制限なし
アカウントにつき設定可能な枚数3枚25枚
複数画像のカルーセル表示可能

※ショッピングキャンペーンでのみ利用可
可能

参考:チラシ表示オプション: 広告にチラシを追加する - Microsoft Advertising
参考:画像表示オプション広告に画像を追加する - Microsoft Advertising 

セールやキャンペーン期間などで、一時的に強調したい情報は「フライヤー表示オプション」を、ブランドイメージ画像やロゴ画像などの常に表示したい情報は「画像表示オプション」が向いています。

セールやキャンペーンを定期開催するECサイトや、シーズンに応じて特集を組む旅行予約サイトなどは、「フライヤー表示オプション」を利用することで、注目してほしいタイミングで注目してほしい商品をアピールできそうですね。

オーディエンス広告に動画広告が登場

画像引用元:Microsoft Advertising Blog It's time to press play! Drive performance with Video Ads

オーディエンス広告の新しい広告フォーマットとして、動画広告が米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランドでリリースされました。

参考:About video ads - Microsoft Advertising

動画広告は、テキスト広告やバナー広告と比較し、短い時間でより多くのメッセージを伝えることができます。

観光商材やタスク管理ツールなどユーザーに伝えたい商品やサービスの魅力メッセージが複雑な商材にとっては、動画広告が広告フォーマットに加わることはうれしいですね。

コンバージョンデータの修正機能がベータ版で登場

コンバージョンデータが記録された後で、関連するコンバージョン値を修正したり、コンバージョンを削除するといった調整が可能になる新機能(ベータ版)がリリースされました。

例えば、下記のような場合に活用できます。

  • 通販サイトで、コンバージョン記録後に注文がキャンセル、または一部商品が返品された。
  • 誤ったクリックによる電話発信や資料請求などの、コンバージョンが記録されてしまった。

通販サイトの注文がキャンセルされたり、商品の一部が返品された場合など、コンバージョン・コンバージョン値のデータを修正できることで、実際のビジネスとより近い状態での広告配信が可能になります。

2022年12月時点、日本での利用可能かどうかはまだ発表されていません。続報が楽しみですね。

ホテル価格広告と宿泊施設プロモーション広告の対象範囲を拡大

画像引用元:ホテル広告の紹介 - Microsoft Advertising

ホテル価格広告と宿泊施設プロモーション広告のべータ版が、世界の100以上の地域(※)で利用可能になっていることが発表されました。

参考:ホテル広告の紹介 - Microsoft Advertising
参考:Property Promotion Ads - Microsoft Advertising 

ホテル価格広告と宿泊施設プロモーション広告とは、ユーザーがMicrosoft BingやBing Maps上でホテルを検索した際に、位置情報や空室状況、宿泊料金などをリアルタイムで表示する広告フォーマットです。

ホテルビジネスで広告配信をしている方は今後の動きに注目していきたいですね。 

※現地時間2022年12月6日、ホテル価格広告では145の市場・宿泊施設プロモーション広告では121の市場で利用可能になっています。

まとめ

Microsoft広告が日本でも提供開始になってから約半年、国内で利用可能な機能も次々と増えています。

今回のアップデートでは、広告表示オプションに「フライヤー表示オプション」が追加されたり、広告スケジュールをカレンダービューで確認できるようになったりなど、徐々に他媒体と差別化されてきています。

Microsoft広告では、アップデート情報や今後利用可能になる予定の新機能について、公式ブログで随時発表を行っています。ぜひチェックしてみてくださいね。

参考:Microsoft Advertising Blog

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